NHKのドキュメント番組で知って、いろんな興味が湧いた。面白い。
パチンコ屋さんなんですが、普通に知ってるパチンコ屋さんじゃないんです。
どれだけ玉が出ても、交換する景品も無ければ、現金に換えられる訳でもない。3000円払って入店すれば、玉は使い放題、いくら打ってもいい、何時間居てもいい。つまり「儲けたろう」というギャンブル店じゃないです。昔のもろもろの郷愁を思い出し、浸ってみたい、「大当たり」する快感を味わいたい、そんな人が来る「遊技場」なんです。「遊園地」といっしょです。
並べてる台は新型じゃなく、何十年も昔に流行ってた台ばかり。30年40年前にこういう台で遊んだ人達がお客さんなんです。そういう人達がその台で遊んでた頃を思い出してる。
先ず感じたのは「いいとこに目付けた商売じゃないか」ということ。多分今パチンコ屋さんというのは下火なんでしょう。現代人はこんな遊び好みませんからね。雀荘が無くなったのと同じです。でも昔を懐かしむ古いパチンコファンは絶対にいる筈だし、昔の台なら安く手に入る、それにパチンコ屋が廃業してその道の技術者はブラブラしてる筈、さらに遊技場感覚なら若い新客も望めそう、そんなとこに目付けた昔の従業員仲間が数人で開業したんだそうです。
それが福生という都会じゃなく、田舎でもない、さらに何となく異質な文化を持ってる場所というのにも興味湧く。いい立地だと思う。
遊んでるおじさんにインタビューすると、そういう台で遊んでた頃のその人なりの人生が聞けるんですね。そうだろうな、こういう人はこの色、形、音、その空間にいるだけで昔にタイムスリップして、懐かしめるんでしょうね。良かった事も悪かった事も全部ひっくるめて走馬灯のように蘇ってるんですよ。
従業員もまた異質。 知ってるパチンコ屋の店員さんだと商売っ気が露骨で、「スッてしまえ。もっと玉買えば。」みたいなの感じたじゃないですか。でもここの店員さんにはそんなとこ全くない。そりゃそうですよ、遊技場の(=客に夢与えたい)店員なんですから明るい明るい。生き生きしてるんです。
客の中には自分の台の動画を撮り続けてる人もいる。自称「ユーチューバー」で、それで飯食えないだろうかと苦心してた。これも案外いいかも。こんな店日本中でも福生のこの1軒でしょう。オールドファンは日本中にいるはずで、北海道や九州で懐かしく見る人もいそう。いや、それ見て福生に来ちゃうかもしれない。
そうは言っても当然長続きする商売ではないですね。オールドファンがいなくなったらお終いでしょう。でも何かいい、こんなのが1店くらいあったっていいと思う店ですね。
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「ゲームセンター たんぽぽ」