柚木沙弥郎展を観る

2018年06月14日 20時09分21秒 | 絵画鑑賞
何かでチラッと知って、6/3のEテレ「日曜美術館」の特集を見て、「これは絶対行かねば」と思った展示を観てきた。
駒場東大前にある「日本民芸館」での「柚木沙弥郎の染色 もようと色彩」という特別展だ。
素晴らしかった。感激し、こういう優しい作品を作れんものかと思った。なまいきだけど、モティーフが単純だから、一見「ぼくにも作れそう」と思っちゃうんです。当然ですが、作れっこないのは解ってます。だからますます好きになっちゃう。
まず作品が大きい、これは絶対的に「力」であり、「迫力」です。 次にモティーフがシンプル。無駄が無い感じ。 それと染物だから柔らかく揺れる、それが優しい。さらに日本民芸館という木造建築の中で観せてもらえるのも最高。
僕は草間彌生さんが好きで、何度か展覧会行ってます。今でも好きですが、彼女の作品はたくさんみると疲れを感じます。圧倒されちゃうんですかね。柚木さんの作品にはそういう感じがない。そこがいい。僕が歳とってもう「優しい」ものじゃないと耐えられないのかもしれない。
会場のソファに柚木さん本人が座ってました。会館の人と美術談義をされてたようですが、95歳いいおじいさんでした。このおじいさんのどこにあのエネルギーがあるんだか。
展示期間は6/24までです。チャンスかある方、興味を感じられた方 絶対行ってください。感動すること間違いなしです。

(追記) 展示会を記念して作られた写真集の巻末に書かれてる民芸館学芸部 月森氏の言葉を

 「工芸において模様を作る力がますます脆弱化する現代、柚木氏が染める模様と色彩は、
                          私たちの渇きを荒原に湧いた泉のように潤してくれます。」

帰りに近所にある「旧前田家本邸」を覗いてきました。加賀百万石の前田家です。元々は本郷に藩邸があったのですが、明治に入って土地の等価交換で駒場に移り、洋館と和館を新築し、今に至ってるとのこと。前田さんは当時外人の友人が多かったようで、この建物を迎賓館のように使ってたとか。だから広々してるんですよ。入館料を取る訳じゃなくですから管理が今一つの感はありましたが、往時は十分偲べましたよ。こちらも覗いてみる価値有りです。
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吉田 博 展(後半)を観る

2017年08月24日 09時48分18秒 | 絵画鑑賞
昨日「吉田博展」の後半を観てきた。前半を観たのが7/12だったようだ。もう一月半も経ってる。前半後半で1/4ほどの作品を交換した展示だった。

同じ物を見てるんだけど、同じように感動してきた。世界中飛び回って、日本国内も旅しまくって、山中に籠って絵を描き続けた作家だけど、よくこれだけの量を描いたものだと感心する。草間さんにも思ったけど「描きたくて描きたくてしょうがなかった」「どんどんイメージが湧いてきた」ということなんだろう。
木版には木版故の味わい、手で描いたんではでない雰囲気がある(やってみたくなるような)。一方でやはり手で描いたものには「力」を感じる。水彩といえどもこんなに「時の流れ、空気感」を表現できるんだ。油彩なのに水彩風にゴテゴテさせずに深い味わいが出せるんだ。いやいや多才な作家さんです。
中学校、高校時代の美術の時間に「吉田博」という名前を1度も聞かなかったことが不思議に思えてくる。「主流」じゃなかったこと、「主流と喧嘩までやらかして、国を出て行った」そんなことが当時では「悪人」で教科書に名前すら載せない扱いを受けたのか?  その点では今の美術の教科書でどう扱われてるんだろう? ちょっと興味ある。
人出は7月の時より多かった。終了が間近だからだろうか。さほど宣伝してるとは思わないが、口コミで広まってるんだろう。「いい物」には自然と人が集まってくる。人が集まるんだから「いい絵」にちがいない。
7月に買った「作品集」をまだ読み切ってない。読まなくちゃ。
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吉田 博 展を観る

2017年07月12日 16時55分37秒 | 絵画鑑賞
この猛暑の中 新宿 損保ジャパン日本興亜美術館(東郷青児記念美術館)まで「吉田 博」展を観に行ってきた。
3月だったと思うが、Eテレの日曜美術館で吉田氏の紹介があり、7,8月に展覧会があることまで紹介された。その時に「観に行こう」と決めて、スケジュールに書き込んでおいた。

期待通りいい展覧会だった。いい物を観たな。絵を描くべく生まれてきた人だったのでしょう。1876年生まれ、1950年没。僕が生まれた年に亡くなってる。絵の勉強はほぼ独学。水彩から初めて、油彩をやって、木版までやった。外国で勉強したく、それまで描いた絵を大半持ってアメリカに渡り、早速個展を開く。その場で好評を得て、絵が売れ、生活費を得、有名にもなったようです。これが22歳の頃。ところが日本に帰ってくると、当時は「黒田清輝」一派の時代でした。激論もかわしたようです。結局は決別することになったようですが、それをかてに精進もしたようです。
全部いい絵で好きなんですが、特に好きなのは山の絵・木版ですね。実際に登って、テント生活してスケッチを続けたそうです。だからですかね、「力」を感じる絵ですね。 好きです。

       
  
              

  (こんなことしていいのかな? 本を写真撮って掲載しちゃったけど。)
いい絵を見てると、その絵のエネルギーにやられて疲れるんです。今日は疲れました。しかも出展も多かったし。 

       何か記念品がほしくなり、大枚出して作品集を買ってきました。
               僕にしては珍しい行動、過去には草間彌生さんだけじゃないか。
今回の展示は前後半があり、8月にはいると一部作品が交換されると聞いてます。また行きます。
興味持った方は行かれたらいいです。ほんとにいい作品ですよ。新宿駅から徒歩5分ですからね。 
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期待以上の面白さ

2017年06月16日 09時11分32秒 | 絵画鑑賞
昨日白州からの帰り道で毎月鑑賞に行く友人の画廊に「藤井考次郎」展を観に行った。

     頂いた案内のカード絵にはさほど気を引くものはなく、毎月欠かさず行ってることだし、まっ消化試合風な感じで足を運んだ。

ところが、会場に入った時「これは面白い」と心動かすものがあった。

                                 

写真のような絵が10数枚、白を基調として、さほど広くない画廊の空間に並べられてる。大さはどれも1m四方位の大さ。案外大きいです。この感じの絵に囲まれてると異様な心情がわいてくる。
画廊の友人とたまたま話が合った。「案内はがきに使うんだったらこっちの絵にすればよかったのに」の言に、「僕もそう思ったんだよ。でも作家がこれというからね。」だって。

もう一つ僕が持った感想。僕が現代美術が好きな理由にもなるんだが、「難しいテクニックがない」こと。「テクニックはいらない」ということ。
具象の絵って、それだけじゃないと思うけど、「女体の柔らかみ」「光の感じ」「動いてる感じ」「どう見えてるか」それをどう表現するかじゃないのかな。それは作家のテクニックなんだと思うんです。テクニックの塊なんですよ。
現代美術の作家さんにはテクニックが無いと言うんじゃない。「無くても表現できる」と思うのです。
写真の絵も「このグラデーションどうやって描いてるんだろう」と覗くと絵具が少なくなった絵筆をサーっと走らせてるだけ。「これなら僕にもできるじゃん」と思わせてくれるこの気楽さが好きなんでしょう。
こういうのを見ちゃうと「よし、何かやってみよう」と思えるんです。でも「なにをどうやるか」がでてこない。ここが素人とプロの差でしょうか。画廊の友人も画廊の裏で新しい試みをやってました。
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草間彌生 わが永遠の魂

2017年04月12日 16時02分20秒 | 絵画鑑賞
      また草間彌生を観に行ってきた。彼女の作家活動の集大成かな。

まず驚きはとんでもない人出。地下鉄の改札を出るのに列。入場券を買うのに100m、15分待ちかな。僕は前売りで買ってたので「ホッ」だった。
それにしても凄い人気。今日本で一番集客できる作家でしょう。外人の入場者も多い。世界的な画家だったな。偶然「村上隆」氏を見かけた。(2015年に「五百羅漢」で成功した作家) こういう人でも観に来るんだ。


      この大広間だけは写真OKで撮った。まさに草間ワールド。

      

   出口手前にあるショップの風景とそのレジ待ちの列。30分待ちですよ。絵葉書の2、3枚でもと思わんでもなかったが、5,600円のために30分立ってるのはたまらんで辞めました。

さて少し感想を。  珍しく(なのかな?)今回は「熱い感動」がなかったのです。「やる気」「描いてみよ」みたいな力感で湧いてこなかったのです。「もう知ってる」ってことなんでしょうか。想像を絶する「新しい物」がなかったってことでしょう。(写真)大広間の今描き続けてる作品群、昨年あたりのは確かに初めて見る感じだけど、「バーン」と来る感じはなかったな。
ただ1960年頃ニューヨークで描いた作品(これで名前が知れわたることになった)、前にも観てるんだが、関連大作が6,7点セットで展示されてた。これらは良かった。30歳くらいでこんな作品作っちゃったんだ。「シンプルな迫力」ということでしょうか。
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草間彌生版画展

2017年03月18日 15時15分02秒 | 絵画鑑賞
      新宿小田急デパートでやってる「草間彌生版画展」を見てきた。

デパートだから当然売ることが目的なんだが、高価、高価。こんな値段だれが買うの? です。 僕の場合は頭っから買う気なんぞなく、展覧会見る気分で行ってるわけだからどうでもいいんですが、それにしても高い。
一番安いのが90万円だったかな。この1点だけ既売マークが付いてた。一番高いのはなんと3200万円。大きさではこれが一番小さかった。小田急で売られるのは明日までで、売れなければ明後日には香港で売りに出されるとのこと。
200万、400万、800万そのあたりの値がついた作品20点ほどが展示されてた。芸術品としての感想は「うん、草間作品。いいな。」といつもと変わらんが、やはり生々しく値札を付けられると、札束が透けてるようで・・・。

お客さんも少なく、担当者(紳士)が話をいろいろ聞かせてくれた。出展されてる作品の出所は全部コレクターさんなんだそうです。僕は草間事務所が所蔵してる作品をお借りしてきて売ってると思ってました。そんなルートは成立しないんだそうです。こんな値段で売りに出すコレクターがいることにまず驚きますね。そんな作品を集めてくるデパート担当者も凄い。(その道のプロがいるんだろうけど) もう一つ勉強になったのはこういう販売会を開催するには何から何まで草間事務所に話を通して、承諾を得ながらすすめるんだそうです。写真のパンフレットもしかり、どの作品がいくらで売りに出るかも。 さすが草間事務所ですね。
4月に今開催してる「草間彌生 我が永遠の魂」展を観に行くことにしてる。ますます楽しみになった。

庭で今を盛りと咲いてるクリスマスローズ。年々株が大きくなっていく。   
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藤沢で草間彌生

2017年02月14日 14時46分12秒 | 絵画鑑賞
     

辻堂の藤沢アートスペースで松本美術館所蔵の絵画40点を見てきた。草間彌生の作品が20点出展されてた。
昨年の秋だったと記憶してるが、白州から日帰りで松本美術館に行って、所蔵の草間作品を見て以来かな。
彼女の作品を観てると何かやる気が出てくるのです。で、今回もその発奮を求めて訪れてはみたのですが、ちょっと力不足だったよう。
まずは数が少ない。同じシリーズの大作がどーっと並べられることで感じる「これでもか!!!」と畳みかけてくる彼女のエネルギーを感じないのです。それと作品が小さい。これも彼女を表現しきれない。 うーん残念だった。
今月末からの本展に期待するし、思いも強くなったな。

午前中東海道線戸塚駅近くで架線が切れたらしい。藤沢までは行ったが、そこから1駅が行けない。バス路線もあるのだが、本数が少ない。そうこうしてるうちにどうにか大船-小田原間での往復輸送が可能になって、電車が来ることに。予定より30分遅れ程度で館に着いた。そんなバタバタも絵の鑑賞に影響したかな。
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葉山で「陽光礼讃」を観る

2017年01月04日 17時06分32秒 | 絵画鑑賞
       葉山の県立近代美術館に行ってきた。

昨年の11月だったと思うが、NHKの日曜美術館でこの展覧会の紹介があって、その時に正月4日に行くと決めてたものだ。
谷川晃一・宮迫千鶴夫婦の「夫婦展」というんでしょうか。奥様は2008年に亡くなられてるんですが。
「陽光礼讃」という題通り、「明るい」が第一感。次は「楽しんでる」でその次が「色がいい」かな。新年にふさわしい絵でした。

これはご主人の作品。     

何処からこんな形、構図、色がでてくるんだろうか? 一見描けそうなんだけど、やってみると絶対にこうはならない。まさに個性ですね。

      これが奥様の絵とコラージュ。 

夫婦ゆえに似てきたということもあるのだろうが、お互いが刺激しあえてたんじゃないかなと想像しながら観てきた。


12時頃に館を出た。暖かい陽気に誘われ、ブラブラ海岸通りを歩いてみることに。
雄大な相模湾、遠くに富士山、伊豆半島もうっすらと。海上には大小の船とヨット、手漕ぎのサーフィンを楽しむ若者。江の島から七里ヶ浜、鎌倉に至る海岸線、素晴らしい風景。最高ですね。
美術館から葉山マリーナまでの2km強を歩き、マリーナのレストランで昼食。「釜揚げしらす丼」これも美味でしたぞ。

        レストランから撮ったマリーナとその向こう相模湾と江の島(真ん中にあります。さすがに富士山はかすみ過ぎ)。

ここでも「これはついてるね」を思わせる出来事が。八海山のしぼりたてをコップ1杯600円というから頼んだ。頼んだ時に店員さんが「もう1杯分しかないですが」という。「2杯、3杯吞むんならあとが続きませんよ」と親切心で知らせてくれたんでしょうね。1杯もあれば十分なのでOKを言う。店員さんが枡に入れたコップと一升瓶をもってきて、確かに残り少ない一升瓶からつぎだした。コップがいっぱいになってもまだ瓶が空にならない。「もう最後ですからサービスです」と下の枡までいっぱいにして「どうぞ」と言ってくれた。
「美味い八海山」でした。「これは春から縁起がいいわい」ですぞ。

ちょっと発見 というか 「我の固定観念」を。
電車で移動する際やはりどの路線でいくのが安上がりかは考える。基本「JRは高くつく」が固定観念としてある。今日の移動では南林間-大和-横浜-新逗子(京急利用。ここでJR横須賀線は高いはずで考えない)と南林間-藤沢-大船経由の逗子があったが、後者はJRが入る。これは「高いはず」で調べなかった。行きは前者で行き、帰りは「違う道がおもしろいだろう」で後者を使った。おっと、値段は後者のJR利用の方が安かった。
いかんですね、「JRは高い」と決めつけてる単純発想。 頭は柔らかく使いたいものだ。
ちなみに前者720円、後者515円でした。まわりからラッキーがきても自分で落としてるぞ。
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及川正通の絵を見る

2016年11月13日 17時11分30秒 | 絵画鑑賞
市にOPENした芸術ホール、記念展示で及川という人のイラストを展示してる。僕は知らない人だったが、とっても有名な人なんじゃないですか。しかも市内に住んでる関係で記念展示になったようです。うちからも近いようなので明日の早朝散歩でお宅を探してこよう。
どう有名かって、雑誌「ピア」の表紙を長年描いてきた方。僕同様知らない人でも下のイラストを見ると「あっ、あの絵の作家かい」となるでしょう。

        

表紙を飾ってきた有名人のイラストが50枚ほど展示されてる。モデルの特徴をしっかり掴んだうえで、ユーモラスに描いてる。どれを見ても「クスッ」と笑ってしまうような作品。しかもその時代の世相を連想させるから上手い。
2枚目の写真は氏のプロフィールと中学時代に作った版画の自画像、この作品は横須賀市で優秀賞になったそうです。中学時代にこれだけの作品を作った人ですよ。イラストをやるために生まれた人でしたね。
3枚目は市内を運行してる市民バス「のろっと」。この絵も依頼されて描かれたようです。
もらえるものならコピーでもいいので「井上陽水」のイラストがほしいな。
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篠田桃紅、星野道夫展

2016年10月24日 16時24分12秒 | 絵画鑑賞
銀座三越で篠田桃紅展を、横浜高島屋で星野道夫の写真展を観てきた。
篠田展が明日までで、最終日は混むに決まってるから今日しかない。星野展は今月いっぱいでまだ余裕があるんだが、銀座まで行くんだからその足で横浜をまわっちゃえでした。

篠田さんは昔TVで日野原先生と百歳対談をやってるのを見て(僕の人生でわりと重要な対談だった。だからBLOG記事書いたはずと思って過去を探すが見つからず。書いてなかったのかな。)、1度この女史の作品を観たいと思ってた。
今回銀座三越で20点ほどだが、1週間の展示があると知って是非観たいと狙ってた。
僕は好きです。単純だが、力強い。100歳を超えてる女性が筆をサラサラっと和紙の上を走らせただけでこれだけの作品になる、う~ん、凄い。100年ひたすら墨と戦ってきたが故だろう。
当然ですが、高価でした。50cm四方位の大きさで50万、1m四方位になると200万を越えてる。欲しくなるほど好きな作品もありましたが・・・・・。

星野さんは今年でもう没後20年になるんだそうです。彼の写真展は昔八ヶ岳の会場で観てるし、本も数冊読んでる。いい世界に連れて行ってくれる作品群ですよね。今回の展示では写真が大きく印刷されてたのもよかったし、会場のところどころに配置されてた彼のエッセイがよかったな。全てじっくり読ませてもらった。
現実世界の「時間」と自然界の「時間」 その進み方の差が大きくなっていくことを危惧し続けた。大事な、好きな視点だな。 いい作品を残した人だね。永遠に感動を与え、愛される人だと思うな。

移動距離に疲れ、人に疲れ、作品のエネルギーに疲れた1日だった。
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