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槍ヶ岳山行(2007.08.27-30) 1

2007年08月30日 15時46分32秒 | 山紀行
槍ヶ岳に行ってきました。
いつか登ってみたいと思ってたけど、日数が必要なのと、小屋泊りの混雑がおっくうなのとで、具体的な計画をやったことはない。
退職し、時間が自由に使えるようになったことが一番大きい要因だろう。先々週早川尾根に行った際、「ウィークデイに2泊か3泊で行こうよ」となって、即実行したわけです。先々週のY夫人の不完全燃焼を解消するためにも「これは行かなきゃ」だったんです。

27(月)~30(木)の3泊4日、小屋3泊という贅沢な(中年向き)計画。
同行はM夫人、Y夫人、うちの奥さんと私の4人。

27日 晴れのち曇り
 5時 白州を出発。
   Y夫人宅のエスティマで行く。これで行くために2週間前、ご主人には
   パジェロミニで東京に帰っていただいたんです。運転は僕の担当。

 7時 沢渡駐車場着。朝食後タクシーで上高地へ。
   沢渡にはいくつも駐車場がある。僕はいつも最初にある大きい駐車場を利用
   してる。
   ここは村営駐車場と私営駐車場が隣接してる。僕は上の村営に入れたが、
   入ったとたん左に曲がって下の私営に移動するよう指示するおじさんが手を
   振ってる。後でタクシーの運転手から聞いたが、私営のあくどい営業らしい。
   そのせいなんだろう、村営は係員すら置いてないようだ。
   タクシー代は協定で4000円と決まってた。メータは4900円くらいになるのだが、
   一律。バスは1人1000円。4人で乗ればいっしょということですね。
   タクシーの運転手いわく、お盆の最盛期は1日に12回往復したそうです。今日は
   7回が目標だとか。       
  
 8時 河童橋を出発。3時間チョットで横尾着。昼食。地図時間通り。
   河童橋(1500m)から横尾(1615m)までの3時間コースは3,4回往復してます。
   1時間歩くと明神館、さらに1時間歩くと徳沢園、最後の1時間で横尾山荘に着き
   ます。梓川沿いに10kmを3時間かけて歩くのですが、標高差は100mしかありませ
   ん。でもこれから挑む高山に向って気持ちがいやでも高揚させられていく好き
   なアプローチです。

 14時半 槍沢ロッジ着。ここで1泊。
   これまでは横尾から涸沢にしか行ったことがなく、槍沢に入るのは初体験でし
   た。一ノ俣(1705m)までの1時間はそれまでの3時間と同じで緩やかな登り。ただ
   谷が狭くなってきて、山に入ってきたぞを感じさせます。一ノ俣を過ぎると
   勾配も出てきて、登山らしい歩きになってきます。でもでもまだまだ息切れす
   るような勾配じゃありません。
   このあたりで「僕の花」センジュガンビと再会。うれしいもんです。
   河童橋から実働5時間で槍沢ロッジ(1820m)に着きます。
   ここまでだったら、ちょっとしたハイキング気分でも行けると思います。
   ただしロッジまできても槍を見ることはできませんよ。

   槍沢ロッジで特筆しておきたいのはお風呂があることです。
   但し「奇数日のみ」の掲示がありました。これを見た時「今日は何日」とあわ
   てて考えました。「ラッキー!!」でしたね。夕食前に女性1時間、男性1時間の
   入浴です。石鹸・シャンプーは禁止です。畳2枚分位の浴槽が2つあって、両方と
   も満々とお湯を貯めてます。加熱・停止のスイッチが浴槽横にあるりっぱなもので
   す。僕は加熱湯が出てくる口のところに入ったもんだから、熱いのと、湯かき
   回し係りになり、おかげで長時間入ってることができましたよ。
   気持ちよかったな~。
   狙い通り、泊まり客がすくなく、相部屋でもゆとりのスペースでした。
   こうでなくっちゃね。夕食も朝食もうまかったですよ。
   施設面ではさすが北アルプスですね。南とは「月とスッポン」です。
   南もがんばらなくっちゃ。
   登山道も常にメンテナンスしてるようです。実に歩きやすかったですよ。

28日 雨
 4時 起床。 5時 朝食。
   夜半からドシャ降り。雨の音で目が覚める位。いやーな1日の始まり。

 6時 出発。最初から雨具を着ての登り。
   出発の頃にはちょっと小降りになった。僕は下半身だけの雨具でスタート。
   30分ほど歩くとキャンプ指定地ババ平(2000m)に出た。石積みの非難小屋があ
   り、ヨーロッパアルプスを思わせる風景。一目でこの地が好きになった僕です。
   正面の壁は西岳から槍に至る東鎌尾根です。だからこの先で左側の横尾尾根を
   巻きこまないと槍は見えないし、槍沢の深部はまだまだこの先なんです。

 7時半 大曲り通過。
   ババ平を過ぎると勾配も出てきます。でも道はきれいで歩きやすいのは先に書
   いた通りです。
   大曲り(2100m)を過ぎて、深部に入ると、これから登る斜面が見通せます。
   高度差がまだ900mあります。白馬の雪渓を下から見上げた時と同じ驚きでした
   ね。こりゃたいへんだ。
   ここまで来ても槍は見えないんです。東鎌尾根が邪魔してるんですよ。
   僕達の場合は上空に雲がかかっていて、見えるのやら、見えないのやら すら
   確認できませんでした。
   
 8時半 天狗原分岐(2350m)通過。
   ここまで来ると槍沢の内院奥深くまで来た感じです。すっぽり北アルプスに包ま
   れて、山人になれますね。雨に打たれても、足元だけを見て登るだけです。
   このあたりでもまだ槍の本体は見えないんですよ。
   僕はこのあたりまで上半身の雨具を着ないで歩いてましたが、さすがに危険を
   感じ、上を着ました。でも遅かったかな。体の冷えを感じだしました。
   天狗原分岐から30分ほど登ると槍が見え始めるんです。僕達も雲の切れ間から
   待望の穂先を何度か見上げました。「大きい」という感想、「意外に小さいね」
   という感想 こういうもんなんでしょうね。
   後ろの女3人のペースも落ち始めてます。殺生ヒュッテまで1時間弱という所で
   寒さに耐えながら後ろを待ちました。3人が来たところで、「寒い。先に行く。
   殺生ヒュッテに入る。」と告げて、1人先に行くことに。
   指先の感覚がなくなってきたころ、ヒュッテに逃げ込むことができました。

 10時半 殺生ヒュッテ到着。昼食。 12時半 出発。
   先客は御夫婦の2人だけ。土間とテーブルを借りること、火を使うこと、食事
   することの許可をもらって気が楽になった。着替えをし、お湯を沸かして、3
   人を待つ。20分遅れてずぶ濡れの3人も到着。早速暖かいお茶をいれ、飲む。
   ここからは小屋まで小1時間。ゆっくりして、気力を回復すれば小屋まで登り
   きるのは問題ないだろう。ヒュッテにうどんを作ってもらい、ロッジで貰った
   昼食を食べる。
だんだん指先の感覚も戻ってくる。
   笑いも戻り、冗談が出るようになって「これなら行ける」を確信して出発。  

 13時半 槍ヶ岳山荘着。ここで2泊目。
   また雨に打たれ、風に吹かれての40分。一気に登りきりました。ガスの中に
   ボヤーっと小屋を見つけたときはもう30mほど先でした。
   この天気では穂先に登るのは危険。明朝と決めて、ここからは山荘ライフを楽
   しむモードに切替わる。このへんの切替はうまい仲間なんです。
   まず寝室。とりあえぜ相部屋に入った。混んでない。ゆとりをもって寝れそう。
   Y夫人が「個室はないのかしら」と言い出し、受付に交渉しに行く。「ありそ
   うよ」となって「物件を見てくる」と3人で出かける。戻って来た時は「決め
   てきた」で移動開始。8畳の個室だった。次は各自世帯を広げて今日の始末。
   次は一晩の山荘ライフをどうエンジョイするかの算段。
   落ち着いたところでワインを買ってきて、談話室へ。寝てる人、談笑してる
   グループ、日本百名山のビデオを見てるグループとさまざま。韓国語も飛び交って。
   20人くらいのツアー客らしい。わざわざ韓国から。世の中変わったもんだ。
   これだけ人がいるから室より暖かい。我々はワインを飲みながら山談義。心地
   よく酔いもでてくる。至福の時って感じ。4時頃雨もやみ、視界が開けたよう
   で、表に出る。「4時のバカっ晴れ」って言葉があるんですって。
   小屋のすぐ前に高さ100mの穂先がドーンとあった。登ってる人もいる。
   「とうとうここに来ちゃった。明日この上に登れますように。晴れますように」
   と考える。登ってきた槍沢、その向こうに大天井岳から常念、蝶ヶ岳に至る稜
   線
が見える。雲間から北穂の頂も見える。すばらしいの一言。これだから辞め
   られんと月並みなことをまた考える。
   そして晩飯。一度に200人ほどが入れる食堂。最盛期は4交代で食事だそうです。
   今晩は皆既月食なんだけど、それは見れそうにない。あきらめる。

29日 曇り、16時以降雨
 4時 起床。 5時 朝食。
   昨日の雨がうそのよう。快晴とは言えないけど、御来光も見れる程度に晴れて
   いる。食事前に表に出て山小屋の朝恒例通り楽しむ。もう登ってる人がいる。
   黒い穂先の中ほどに光が見える。頂上にも人の影。5時過ぎ太陽が上がってきた
   今日に大いなる期待をもって朝食。

 6時半 出発。槍の頂へ。 7時登頂。
   もうほとんどの人は出発した。我々のいつものパターンですが、遅く出て、遅く
   着くをここでも実行。
   「私行くの辞めようかな」というM夫人を「後悔するよ」と叱咤激励。そして
   4人そろって空身でいざ穂先へ。遅く出たせいで、穂に取り付いてる人はいな
   い。マイペースで登れる。さすがに急だ。下には小屋の屋根が見える。安全第一。
   30分ほどで頂上に。「頂上は30人ほどが立てる広さ」と聞いていたが、ほんと
   に狭い。思い描いてた頂上の形も違ってた。でもここが槍のてっぺん
   20分ほどいて、下山。くだりは20分ほどだったかな。4人大満足。後は延々と
   降るだけ。

 8時半 槍ヶ岳山荘発。来た道を戻る。
   山荘で下山準備。いざ下界へ
   昨日は雨で周辺を見ることはできなかったけど、こんなにお花があったんだと
   驚くほど花が咲いている。女性達の足も遅れがち。今日はいける所まで行って
   どこかにもう1泊と決めているので、花の楽しみもいっぱいすればいい。
   快調に下山。

 10時半 天狗原分岐着。昼食。荷物を置いて天狗原を往復。
   1時歩いて、小休止を繰り返して降りる。天気もまあまあだし、時間の余裕も
   あるので天狗原を往復してくることにする。小さな池があって、槍がその湖面
   に逆さに写る
有名な場所です。とりあえず昼食をとり、荷物を置いて天狗原へ。
   先客は3人。有名なのに静か。いい位置に陣取り、雲が切れるのを待つ。
   見えた。逆さの槍が。あそこに登ってきたんだと感慨深く眺めた。

 12時半 天狗原分岐発。
   さらに下山を続ける。周りは花、花、花。楽しい下山。途中で道の補修工事を
   やってる所もあった。人はいなかったが、ツルハシ、バールが置いてあって、
   今積んだと思われる岩が並んでる。おかげさまで行ってこれました。感謝感謝。
   順調な降りだったんですが、トラブル発生。うちの奥さんが足の指が詰まって痛
   いと言い出す。これまではこの靴でそこまで痛いと言わなかったのに。下の
   ババ平で休憩してチェックすることにし、下山を続ける。

 14時前 ババ平休憩。
   奥さんの足を見る。たまたまテントを張ってた御夫婦のご主人が靴紐の締め方
   を指導してくれる。靴下を2枚履くのもよくないねと指導される。それを聞い
   た3人、「2枚なんて古いわよ。私は以前から1枚にしたわよ」と皮肉る。
   ご主人が言うように甲から前の部分を強く締めるように変更。
   おかげで指の詰まり感はなくなったよう。でも別の問題が。奥さんは外反母趾
   なんです。その出っ張りが強く締められて、今度はそこが痛いらしい。これは
   どうしようもないな。適当な締め方にして、我慢しろです。
 14時半 槍沢ロッジ通過。
   ロッジで休憩。奥さんは靴下を1枚にしたようです。ここからは降りも緩やか
   になるので歩けるだろうと判断。
   そろそろ降りもあきてきた。何か刺激があったらいいかで「横尾でラーメン食べよ
   う」となった。一昨日昼食を取ってた時おいしそうなラーメンを食べてる人がいた
   んです。僕も見ましたが、M夫人もしっかり見てて、「帰りに食べたい」と思
   ってたようで即決定。
   時間の余裕もなくなってきた。これは時間の節約も考えなくっちゃで僕が早足
   で先を急ぎ、ラーメンを注文しておくことに決定。分かれて先を急ぐ。どうにか
   横尾の小屋にたどりついたが、周辺は人もいず、静か。

 15時半 横尾で一服。
   お店に入って「ラーメン作れます?」と聞いたら、「2時でおしまいなんです」だ
   って。がっくり。一機に疲れが出てきた。遅れて出てきた3人にそのことを告
   げると一同ガックリ。ここまで来るにも小屋の幻影を何度も見たというのに。
   しょうがない。次の行動に移らねば。どこに泊まるかを決めなくちゃ。
   以前から「徳沢ロッジ」に1度泊まってみたいという希望がみんなにあったの
   で、ここはあと1時間がんばって徳沢までいこうと決定。但し到着が17時を過
   ぎそうだ。そうなると入れてくれないかもと心配になる。僕が早便で戻り、予
   約だけとりつけようということに。電話という手があったのですが、携帯は圏
   外で使えず、横尾の公衆電話はカード専用でだれもカードなんかもってない。そこ
   で「僕の早便」となったわけ。地図時間1時間10分の所を40分で歩きました。
   この歩きができる と自分の自信にもなりましたね。
   途中からまた雨が降ってきた。僕は本降り前にロッジ到着。後ろの女3人はま
   た幻影をみながら、ブツブツ言いながら歩いてるだろうなと想像しながら待つ。

 17時半 村営徳沢ロッジ着。ここで3泊目。
   ここは車が入ってこれる場所ですから山小屋というより旅館に近い。
   到着早々夕食。さすがに豪勢。ビールで乾杯。
   食後風呂。風呂後室でまた乾杯。21時に強制的消灯で床につく。
   外は土砂降り。明日もまた雨の中を2時間歩くのか。まっ、これもいいか。

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ベランダ作り直し 2報

2007年08月24日 21時25分32秒 | つれづれなるままに
今週も仕事休んでベランダ作りを楽しんでます。
明日、明後日は仕事に出るし、月曜からは3,4日山登りに行くので、ベランダは今日のところでちょっと中止です。
そこで現状を報告しておきます。

月曜の午後から50本弱の木材に塗装を2度やってきました。全部材の2度塗装が終了したのは今日の午前中でした。4日かかったことになりますね。予想外に時間がかかったのと、重労働でした。9cm角で4mある角材は重さ20kg超えてるんじゃないかな。それを運び、塗って、また運び、立てかける ここを簡単に考えてましたね。木って案外重いんですね。
今日午後は先に塗り終わった角材を使って下の骨組作りに入りました。半分は釘で固定までやったので、後はてんばを貼ればいい状態まできました。
わざわざ長さ50cmの水平器、水糸まで買ってきて「プロ風」に作業を進めたのですが、水平をとる というのもやっかいな行程でした。ある部位で「これくらい許せ」と前に進むと、数箇所先でどうしようもないくるいになってくるんですね。
今は「てんば板も適当に反ってるし、1cm位は反ってくれるだろう」とたかをくくってます。
そんなこんなで作業することを楽しんでる僕です。後2,3日は楽しめますよ。9月の第1週ですね。
工夫する、頭を使うのはおもしろいことですね。ひとりごとを言いながら。
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ベランダ作り直し

2007年08月21日 20時45分19秒 | つれづれなるままに
まだまだ暑いですが、朝夕が涼しかったり、夜は窓を閉めるなど季節は変化してます。ピークは過ぎたと感じてます。
さて今週も仕事を休んでmy計画を実施してます。今週はベランダの作り直しです。
築後9年で北側のベランダがボロボロです。北側だから冬は凍ります。水分が木に浸み込んで凍るのですからたまりません。使われた材がベランダ用ではなかったこと、毎年のメンテ(塗装)を怠ったことが重なって9年でこうなりました。
客が来ても「気をつけて」と注釈しないとまずい状態まで引きずってきての今年なんです。
広さは20㎡くらいです。先々週2/3を壊しました。  玄関へのアプローチを残して。
作り直しに入ったら玄関前も壊すんですよ。
昨日は購入した木材を店のトラックで運びこみ、1/3の塗装が終わりました。今日は残りを塗装して終わりです。材の本数にして45本、塗装も時間かかります。でもベランダは塗装が勝負、後でてんばの下は塗装できませんからね。
今日で1度塗りましたが、明日もう1回塗る予定です。2度塗り、乾燥、それから組み立てと進みます。
塗装した材を乾燥させるのに今家に立て掛けてあります。家の中は塗装材の臭いが充満してます。
明日は2度目の塗装をして(1回目ほど丁寧ではない)、組み立て準備のレベル取りが作業です。木金で組み立てられるかな? 出来なきゃ、先延ばしでもいいんです。ゆっくり楽しみながら(工夫しながら)やってけばいいことですから。
ペンキ塗りの台も壊した廃材で作っておもしろがってる僕なんです。
こんなこともおもしろい、おもしろい。
こうして過ごす時間を楽しむ それが「ご・く・い」だと思うんです。
来週月曜からの槍ヶ岳も決定したようで、僕の夏は忙しい。
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早川尾根縦走

2007年08月16日 21時48分17秒 | 山紀行
13,14日 1泊2日で家の南に連なる早川尾根を栗沢山から地蔵岳まで縦走してきました。7月に行こうとしたのですが、台風4号で中止、延期した山行です。いいこと、悪いこと、残念だったこと いろいろあった山行でした。
同行はY夫婦、M夫婦、Cさん、それにうちの夫婦 計7人です。僕が一番若いんですよ。最高齢はMだんなさんで72,3かな。
縦走となると足(車移動)が問題になります。我々は前日にワゴン車を1台下山予定の御座石鉱泉近くに停めておき、当日は別の1台で芦安へ。そこからはバスで広河原、北沢峠と入りました。芦安に停めた車は下山翌日取りに行くという作戦です。
行程は北沢峠から栗沢山(2714m)に登り、アサヨ峰(2799m)を通過して早川尾根小屋に1泊。2日目は小屋から広河原峠、白鳳峠、高峰を通って地蔵岳(2764m)へ。ここから鳳凰小屋を通り御座石鉱泉方向に下山、西ノ平で左折し、車へ。

・快晴の下での登山
  2日間とも晴天でした。いけないこととは知りながらも、僕は雨具とスパッツを持っていかなかったほどです。こんな晴天の登山はいつ以来だろうか。解からないくらい昔のようだ。それとCさんといっしょに山に行くようになって以来、仲間うちで僕とCさんのセットは悪天候仲間となってるんです。燕岳(雨)、空木岳(暴風雨)、昨年の甲斐駒(急な冷え込み、頂上滞在8分、凍った岩場の下山)どれもCさんがいっしょでした。そんな悪いジンクスも今回で消滅したようです。
  圧倒的甲斐駒がすぐ横にあって、それに比較して女性的な千丈ガ岳、国内2位の高さを誇る北岳、富士山、八ガ岳、遠く北アルプスは白馬まで見えました。これだから山行やめられないんですよね。
  ただ残念だったのは下界が雲海の下で、尾根道から自分宅を見つけたかったのですが、それが全くできなかったことですね。
・Y夫婦のリタイヤ
  アクシデントもありました。Y夫婦が途中(栗沢山頂上手前)でリタイヤしたんです。旦那さんは2200mを超えると高山病が出てくる体質なんです。これは周知の事実。今回もそれが出たようです。それとサラリーマンゆえの過労もあったのではないでしょうか。だいぶがんばったんですが、これから行く尾根道の長さ、アップダウンの多さを奥さんが見て、これはダメと判断したようです。二人で下山しました。北沢峠(2000m)まで降りた頃には体調も戻ったようでした。バスで芦安に戻り、車で自宅にその日のうちに帰れたようです。
・圧倒的甲斐駒
  昨年10月Cさんと2人で甲斐駒に登ったのですが、悪天候で頂上に8分しかいませんでした。歩いた黒戸尾根、泊まった7丈小屋も確認できました。僕の今回の登山はこの甲斐駒以来10ヶ月ぶりなんですよ。いろんな意味で感慨深く甲斐駒を眺めました。7丈から上ってほんとに急勾配なんですね。Cさんと「あんな道を登ったんだね」と握手し直したり。ほんとに男性的な山ですね。
・厳しいアップダウン
  毎日眺めてる早川尾根 見慣れてるせいかそんなに厳しい尾根歩きとは考えてませんでした。アップダウンもたかだか3,400mのもの 楽な尾根歩きと決めつけていたことは反省点です。長時間の歩行の後で400mを登るのってきついですね。下山後Y夫婦に「リタイヤの判断は正しかったね」と話せました。  
・早川尾根小屋
  アサヨの頂上から遥か先に小屋を確認できました。その時もこう下って、こう登り、こう歩けば3時間くらいで着くななんて軽く考えてたんです。いやいや長い長い。行けども行けどもつかない小屋でした。栗沢山の頂上でY夫婦を待ったため時間も過ぎてました。結局小屋に着いたのが4時半。他の客はもう晩飯が終わってました。小屋の方に「お泊りの方は4時には入っていただきたいのです」なんて苦言を言われました。ごめんなさい。夕食はだしてくれましたよ。
  南アルプスの小屋は北や八ヶ岳に比べて綺麗じゃないと思ってたのですが、そんなでもなかったです。お盆休みだというのに泊まり客は20人ほど。余裕をもって1人1枚の布団で寝れました。
  暗くなっても電気、ランプ等は点きません。「自然消灯」というのだそうです。5時半頃飯終わって、布団に横になるとそのまま寝込んじゃいました。持ってったアルコールを飲むこともなくです。疲れたんでしょうね。夜中に1度起きましたが、何時かもわからず、トイレにいくこともなく、また寝ちゃいました。
  朝4時小屋の人が「起きてくださ~い」と声をかけます。こんな経験は始めてです。それでも10時間ほど寝てるのですからスッキリ目がさめました。空はやっと白み始めた頃です。各自寝具を始末してると、朝食のテーブルが用意されます。それぞれ朝食をいただき、5時には出発する人もいました。僕達は最後で5時半発でした。目の前に朝日を受けた北岳が輝いてました。水は豊富にありましたよ。
・ペルセウス座流星群
  13日の夜は流星群の最高潮の夜だったんですね。2300mの高みからこれを見てやろうと期待してたんです。でもバタン・キュー状態でしたから何もみてません。
  朝だれかが「綺麗だったわよ」とか「何個見た」なんて話したら、大きな後悔になるところだったのですが、「天の川が綺麗だった」とトイレに行ったCさんが言っただけ。だれ1人流星群の話をしなかったところをみると見えなかったんだなと納得したしだい。
・オベリスク下での昼食
  2日目は100m下って200m登り、100m下って400m登るコースです。最後は1300mを一気に下るのですが。
  1日目同様長く、厳しいアップダウンです。疲れると立ち止まり周りの山を眺めます。また元気が回復して歩く これの繰り返しでだんだん最後の高みに近づいていくのです。今思えば楽しい山歩きだったかな。
  予定通り11時に地蔵岳オベリスクの下に到着。カンカン照りの下、かろうじて見つけた木陰でゆっくり昼食。今回の山歩き ここでだけお湯を沸かし、インスタント麺を食べ、コーヒーを飲みました。もう下るだけ。余裕でハイキング気分です。
・鳳凰小屋の主人
  地蔵岳から40分ほど下ったところに鳳凰小屋があります。高齢のM夫婦はここにもう1泊という腹案もあったのですが、いっしょに降りました。
  鳳凰小屋は10数年前に泊まってるんです。5月の連休に奥さんと2人一泊二日で地蔵岳を目ざしたんです。まだアイゼンなんて持ってませんでした。ところが上は残雪が深く、小屋から下山も考えました。小屋のおじさんがアイゼンを3つ貸してくれました。奥さんが両足、僕は片足のアイゼンで小屋から頂上と隣の観音岳を往復してきました。そのおじさんが今も小屋をやってました。昔話をしても、「そんな古いこと覚えてないよ」とそっけない。小屋も当時より綺麗になってるし、別棟もありました。
・山野草
  早川尾根は山野草があまりありません。全体を通して咲いていたのがゴゼンタチバナ、マイズルソウ、トウヤクリンドウあたり。他にも2,3ありますが、僕が名前を知らないだけ。
  ところが地蔵岳周辺はいろんな花が咲いてましたね。まさにお花畑という所もありました。
  初めてみたのがキンリョウソウ。ギンリョウソウはよく見かけるのですが、こんな花があることすら知りませんでした。
  他には有名なホウオウシャジン、タカネビランジ、ヤマハハコ、(セリバ)シオガマ等など。もうひとつ感激したのはレンゲショウマの群生を見れたこと。
  僕達山仲間ではY奥さんが花の先生。その彼女がリタイヤしたもんだから、花の名前を覚えられませんでした。
・道を間違えSOS
  最後に事件が待ってました。西ノ平で左折して、停めておいた車の所に出る予定でしたが、「おかしいな。変だな。」と言ってるうちに御座石鉱泉まで降りてしまったのです。だいたいそんな所に車を置いて山に入る人なんて地元の人しかいないわけで、道も獣道みたいなものだし、標識もしっかりしていないんです。この分岐を確実に認識できるのはY夫婦だけなんですが、リタイヤしてていなかったのが不運でしたね。
  突然鉱泉の屋根を見た時は各自唖然。でも引返すには降り過ぎてる。解決策はただ1つ。1日早く帰宅し、我々の帰りを待ってるY夫婦にSOSの電話を入れること。30分ほどでだんなさんが向かえに来てくれました。その車で10分ほど林道をさかのぼり、車の所へ。ここを歩いて登ったら2時間はかかったでしょうね。
  これでどうにか安全圏に戻れたのですが、もう体力も精神力も限界を超えてたようです。

この日夕方武川町は夏祭りで花火大会があったのです。Y夫婦から「そこで打ち上げ」と言われてたのですが、M夫婦とうちは行く元気もなく、お断り。
我々2人はそのまま温泉に行き、晩飯も軽く食べるだけで寝たしだい。

それでも今月末2泊か3泊で槍ヶ岳に行こうと決めてきたのはすごいでしょう。
今回不完全燃焼のY奥さんを完全燃焼させる目的をもって、僕と3奥さんの4人でいくのかな・・・。

[ 写真 ]

早朝の北沢峠 標高2000m バスでしか入れません。千丈、甲斐駒への登山基地です。
北沢峠から栗沢岳への登り
栗沢岳手前 2700mあたり。このあたりが森林限界です。気分の晴れます。
栗沢岳頂上 2714m。 後ろは甲斐駒です。間に仙水峠(2264m)があるだけ。水平距離にして2km。
栗沢岳頂上での昼食 ここでY夫婦を待ったのです。登って来る人から情報をもらったりして。後ろはこれから登るアサヨ峰。
アサヨ峰への急登 今回の最高地点にむけて必死のがんばり。
アサヨ峰の頂上 今回の最高点2799mです。下界は雲海の下。
2日目の朝 小屋からの北岳 3192m 富士山に次ぐ国内2位の高峰です。
北岳の雄姿
千丈ヶ岳 3032mです。カールが見えます。甲斐駒と北岳にはさまれて実に女性的。
八ヶ岳 最高峰は右端の赤岳2899mです。この方向の下界に小屋があるんですが。
甲斐駒ヶ岳 2967mです。写真中央の肩に7丈小屋が見えます。そこから右に下って、台形の山が黒戸山。左側の鞍部が5丈です。昨年の甲斐駒登山も参照ください。
歩いてきた尾根道を振り返る。 左一番奥がアサヨ峰です。右が甲斐駒。
大休憩 最後の400mの登りを前に一休み。
地蔵岳(オベリスク)を遠望 オベリスグで後小一時間という所。
オベリスク 山の名前は地蔵岳です。この岩の塊をオベリスクと呼ぶのです。高さ20mくらいのモニュメント。危険おかしてがんばれば一番上まで行けるようです。

[ 山野草 ]
名前不詳
キンリョウソウ
トウヤクリンドウ
ヒメシャジン
タカネビランジ
キキョウ
ウスユキソウ  その他いろいろありましたが、撮らなかったか撮ってもピンボケでした。
コメント (8)
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森林インストラクター研修

2007年08月04日 20時48分35秒 | 森をとり戻せ
今日4日 みずがき山の麓に山梨県が主催する森林インストラクターの研修会に参加してきた。
森林インストラクターは知ってたけど、興味なかったんです。パンフレットに「森林環境 指導者」とあったので乗ったんですよ。
今の森を説明するより、悪くなっていく森を救いたい僕ですから。
でもこういうのって当然ですが、いくつかおもしろいことがあるもんですよね。
みずがき山のかっこいい姿を見上げたり、アサギマダラの群飛を見たり。
アサギマダラって海をも渡る蝶なんです。羽のしろい所にマジックで名前が書いてあるものも飛んでます。彼等の渡りを追跡するために捕獲し、名前を書き、また放す。それを捕獲した人が所定の場所にそれを知らせる。そういうシステムが実施されてるようです。僕が見た1匹にもなにか書いてありましたよ。ふ~ん です。
1つ1つが葉っぱだと認識してたものが7枚で1つの葉っぱだと教えられて驚いたり。
研修で入った森 実は数年前植樹際で天皇がお越しになった場所とのこと。きちんと管理されてるのに驚いて質問したら、そういう答えが帰ってきた。親戚の旅館を思い出した。そこは昭和天皇夫妻が泊まられた旅館で、その部屋は使われてなかった。僕は見せていただきましたがね。今回もなんかゆがんだ文化を感じたのは事実。

そんなこんなの研修会でした。県の方とつながりができたことが大きい収穫かな。
コメント (7)
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