今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

「本が好き♪図書館ブログ」からタイトル変更

19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

アリス・フェルネ 著 『本を読むひと』

2017-10-08 | 本の紹介
読書の秋がやってまいりました・・・先月9月の読書は以下の9冊でした。
holyの本棚 - 2017年09月 (9作品)
ゴースト
ゴースト
中島京子

読了日:09月27日

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すでに紹介した本もいくつかありますが、
今日は読書の持つ力を強く、深く考えさせられた本『本を読むひと』を紹介します。
ゴンクール賞候補作にもなった20年におよぶフランスのロングセラーです。
登場人物はパリ郊外の荒れ地に暮らすジプシーの大家族、家長、息子五人、嫁四人、孫八人、
そこへ、本を読む歓びを伝えたい一心で、一人の女性図書館員が毎週通って来るようになります。
ジプシーの彼らは一般社会から除け者にされ、身分証明書もなければ社会保障も受けられず、
最低限の生活必需品も持たず、着の身着のままで停めた車の中で暮らしています。
子どもたちはもちろん学校へ通っていませんし、それを誰も気にもしていません。
そんな子どもたちは毎週本を読み聞かせてくれる図書館員によって文字、本、本の中の世界を知り、
本を読むこと、学校へ行くこと、友達持つことを望むようになります。
他の世界を知ること、知識を得ること、それは自分の人生を変えることになり、
逆に言えば、他の世界を知らずに知識もなくては、狭い人生を生きることになってしまうのです。

芥川賞受賞の『影裏』、
ツイッターの書き込みをきっかけに生まれた燃え殻の『ボクたちはみんな大人になれなかった』は、
ネットで話題になっていますが、新しい形の恋愛小説とも思いました。

ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏!

2017-10-05 | 本の紹介
毎年日本でも注目されているノーベル文学賞、
今年は長崎県出身の日系イギリス人の作家カズオ・イシグロ氏に決定いたしました!
授賞理由は「彼の小説は、偉大な感情の力をもって、我々の世界とのつながりの感覚が、
不確かなものでしかないという、底知れない奈落を明らかにした」だそうです・・・(難解!)

TVでLIVEの会見を見ましたが、
「私の両親は日本人で、日本人である両親の目を通じて育てられたので、私の一部は日本人であり、
それは私の作品にとても影響を与え、そしてとても良かったと思っています。」
とおっしゃっていたのが嬉しかったです。
その話し方やいで立ち、対応等、素敵な方とお見受けしました。

私はイシグロ氏の作品を読んだことがあり、加えて日本生まれで、受賞を嬉しく思います!
読んだのは『わたしを離さないで』(原題は“Never Let Me Go”)、
臓器移植のためだけにクローンとして生まれ育てられる子どもたちの話でした。
この作品の映画も、また綾瀬はるか主演のTVドラマも観ました。
その際に10年ぶりに来日され、作られたTV特別番組も見ましたが、言葉はすべて英語、
作品は日本人によって翻訳されています。
明日、本校図書館カウンターにイシグロ氏の作品を並べましょう♪

1982年、生まれた地である長崎を舞台とした作品『遠い山なみの光』で長編デビュー、
王立文学協会賞を受賞。
86年には、長崎を連想させる架空の町を舞台にした第2作『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞し、
89年に英語圏最高の文学賞とされる権威あるブッカー賞を受賞した『日の名残り』、
35歳の若さで英国を代表する作家となりました。
これらの作品も読んでみたいです。

今年も下馬評に名前が挙がっていた村上春樹氏は受賞を逃しました。
世界中でとても読まれていて、評価され、繰り返し名前が挙がっているのに受賞しないのは、
「作品が文学的ではないことと、テーマに社会性や政治を取り上げていないこと」
と解説している文章もありましたが・・・
ご本人は、おそらくあまり気にされていないのでは、と思います。
イシグロ氏と村上氏はお互いを尊敬しあっているようで、それもまた嬉しいことです。

中秋の名月

2017-10-04 | いろいろ
昨日とうって変わって今朝は冷たい北風が吹き、秋を通り越して初冬を感じました。

今夜は中秋の名月、満月は2日後だそうですが綺麗な月が見える晩となりました。

画像は、私のコレクションに仲間入りしたデミタスカップとスモールディッシュ、
手蒔による漆黒に、金と銀でお月様と秋の七草が描かれていて、
日本の秋を凝縮したような大人の雰囲気漂うこのカップ、
粋な美しさに一目惚れしてしまい、同じシリーズの小皿も一緒に我が家へ♪
これは大倉陶園の「歳時記シリーズ」の一つで、
他に「お正月」「ひな祭り」「端午の節句」「七夕」と5つの日本の節句をテーマに描かれ、
お節句ごとにひとつずつ揃えていきたくなりました。

中秋の名月とは旧暦8月15日から16日の夜(八月十五夜)の月を指しますが、
満月とは限らないそうです。
秋分の日をはさんだ1か月の間になるようですが、
今年は遅い時期だったので我が家の庭のススキも穂を出しました。
左は葉の細い「イトススキ」 右は斑入りの「タカノハススキ」
 
お団子もしっかりいただきました♪ が、画像も実物も、影も形も、もうありません!
 
満月ではないのも、月にむら雲も、むしろ風情があって良いと思う年頃です。

図書館だより「Library News 10月号」

2017-10-03 | 司書室より
今日は30℃越えの暑い日でしたが、校地内のキンモクセイは秋の香りを漂わせています。
学校は年度で1年間が成り立っているので、10月の声を聞くと「今年度もあと半年」と思います。
図書館だより「Library News 10月号」を発行しました。
こちらです。Google版 Yahoo版

今月号の特集は「埼玉県を舞台とした作品」で、
埼玉県を舞台にした小説、ライトノベル、漫画を紹介しました。
画像は豊田美加 著のライトノベル『心が叫びたがってるんだ。』と漫画『らき☆すた』、
紹介しておきながら申し訳ないのですが、本校図書館にはライトノベルと漫画はあまり入れてありません。
今、一番話題にしたいのは今月からTVドラマ化される池井戸潤 著『陸王』!
埼玉県行田市が舞台なので図書館にある原作を読んでもらいたいし、TVドラマも見てほしい♪
アスリート役で登場する竹内涼真くんは女子高校生にとても人気があり、
また、池井戸潤さんのお仕事小説は鉄板の面白さなので、視聴率もいいかも。

埼玉県が舞台となっている作品を調べてみると、意外なものが埼玉県が舞台でした。
先日TVドラマ化されていた中山七里 著『テミスの剣』、壺井栄 著『母のない子と子のない母と』
宮部みゆき 著『理由』、市川拓司 著『いま、会いにゆきます』等々。
私が少女期に見た漫画・TVアニメ「エースをねらえ!」は県内の高校がモデルだとか!
巻き髪の竜崎麗香、通称お蝶夫人はもしかしたらフランス人⁈かと思っていたら埼玉県民でした。

今月の作家は20世紀アメリカの作家ジョン・スタインベックを取り上げました。
著作『エデンの東』はジェームズ・ディーン主役の映画でも知られ、その他に『怒りの葡萄』『長い谷間』等、
カリフォルニアを舞台に、貧しい移住農民を描いた小説が多いです。
1962年にはノーベル文学賞を受賞しており、今年は誰か・・・?!と気になっています。

反田恭平、ショパン×2

2017-10-02 | 音楽
昨日、娘とクラシックの演奏会へ行ってきました。
会場は池袋の東京芸術劇場、素敵なパイプオルガンのある2,000席の大ホールですが、
プログラムがピアノコンチェルトなので、パイプオルガンの前に反響版が置いてありました。
やっと取れたチケットは、1階席で後ろのほうでしたが割と近い感じがしました。

 

日本フィルハーモニー交響楽団の第222回サンデーコンサート、ピアノソロは反田恭平さん!
反田さんの演奏をこの半年に3回も聴きに行ってるって、完璧に追っかけ化しています。
4月には佐渡裕さん指揮でラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番、パワーあふれる演奏に圧倒され、
7月にはリサイタルで様々なピアノ曲の音色を聞かせてくれました。
今回のプログラムはオールショパン♪ ワクワクが止まりません!

指揮:梅田俊明
ピアノ:反田恭平
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

≪プログラム≫
・ショパン/ダグラス(編):「レ・シルフィード」より
         プレリュード/ワルツ/華麗なる円舞曲
・ショパン:ピアノ協奏曲
        第二番 ヘ短調 Op.21
        第一番 ホ短調 Op.11
~アンコール~
・ショパン:子犬のワルツ

この協奏曲はショパンが19歳、20歳の時に作曲したもので、早くから現れていた非凡な才能を感じます。
正規の古典的形式による協奏曲はこの2曲だけだそうで、1度に2曲聴けるまたとないチャンスでした♪
ピアノ協奏曲としてはとてもメジャーで「のだめ」でも演奏され、聴いたことのある方も多いと思いますが、
あらためてショパンのピアノ曲の美しさに感じ入った素晴らしい演奏でした!
この2曲の第2楽章はそれぞれ美しく優美な旋律が続き、
特に、休憩後の協奏曲第1番の第2楽章は引き込まれるような美しい演奏で、
後半部分の「キラリン♪ポロリン♪」が続く部分の絶妙な弾き方に涙が出そうになりました。
(実際、涙をぬぐっていたバイオリニストがいたらしいです。)
アンコールもショパンで、子犬のワルツでしたが、軽妙で素早くくるくる回る子犬が思い浮かびました。
パワーあふれる演奏で重厚なロシア音楽がお似合いと思っていましたが、
このショパンの演奏でまた新たな魅力を再発見です!
家に帰って他の演奏者の同じ曲をCDで再度聴いてみましたが、曲のとらえ方が全く違いました。

演奏後はCDやカレンダー、写真集(チラ見したら背筋が凄かった!)を買ってくれた方にサイン会、
以前に2回もサインしていただいたので今回はパス。
このホールが持っている託児所(素晴らしい!)で待っていたおチビ&チビ姫をいそいそと迎えに行き、
4人で楽しくにぎやかなティータイムとなったのでした♪
(一人、お店の前で爆睡してしまい食べられずに残念な子がいたけど・・・)