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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

百田尚樹 著 『海賊とよばれた男』 上・下巻

2013-04-17 | 本の紹介
先日、本屋大賞を受賞した『海賊とよばれた男』上・下巻、読了しました。
読みだしたら面白くて、一気読みでした!

主人公は石油元売会社出光興産の創業者、出光佐三氏(冒頭画像:出光HPより)です。
出光ガソリンスタンドは知っていましたが、その創業者がこんなに凄い方だったとは!!
この作品の出来事・登場人物のすべてが事実であることに驚きました。

明治時代のうちに、将来、石油が世界経済で大きな意味を持つことを予見します。
1911(明治44)年6月20日、出光商会として北九州の門司で石油販売業をスタートさせました。
一斗缶に石油を入れて、大八車を引きながら、あるいは海の上の小舟で販売しながら、
少しずつ会社は大きくなります。
でも、95年間の生涯は想像できないような困難の連続でした。
すべてを失った第二次世界大戦をはさんで、激動の時代を凄絶に生き抜きます。
『永遠の0』の「あの方」がちらっと出てきました♪

出光佐三氏のモットーは「人間尊重」、社員は家族として大切にします。
戦後の会社倒産の危機でも、タイムカードなし、出勤簿なし、馘首なし、定年なしで乗り切ります。
社員は皆、この人となら頑張れる!と全力以上の力を振り絞ります。
現代の日本人が忘れかけている「勇気」「誇り」「闘志」そして「義」の心を持った男たちの姿。
こんな経営者の元で働きたいと思いました!
繰り返し見舞われる困難とそれに立ち向かう雄々しい姿に涙があふれます。

百田さんは、何度も泣きながらこの作品を書いたそうです。
そしてあまりに集中しすぎたために、3回救急車で運ばれたそうです。
すべての経営者に、そしてなるべく多くの方にこの作品を読んでもらいたいです。

この出光佐三のコレクションを集めた「出光美術館」が丸の内にあります。
帝国劇場へ行くたびに入口前を通り、「入ってみたい。」と思いつつまだ行ったがことありません。
出光コレクション第1号となった日本画家、仙厓の「指月布袋画賛」を是非見てみたいです。
そして日曜朝の「題名のない音楽会」は出光興産による一社提供で、もう50年近く続いているのですね。
出光佐三氏は明治に生まれ、昭和の時代まで95年間を生き抜きました。
この作品によって、こんなすごい人がいたのだ!と知って良かったです。