松本零士の銀河鉄道999(英語的にスリーナインという読み方はおかしいのではないか、という議論があったな。でもまあ英語の得意なタケカワユキヒデも歌っていたわけで、一般的ではないにせよ、まったく言わないという訳では無いらしい)で星野鉄郎(なんでこんな演歌くさい名前にしたんだろうと子供ながらに思っていたが、まあ宇宙だからでしょうね。)は、機械の体になりたいために旅をしていた。永遠の命が欲しいことと、耳鳴りなどがするポンコツの体よりいいと思っていたらしい。鉄郎の年齢は知らないが、僕は子供だったので、この耳鳴りのする体というのが当時よく分かってなかった。耳鳴りを知らない訳では無かったが、そんな理由に実感が無かったというか。要するに耳鳴りのつらさを知らなかったのだ。
今大人になってみると、確かに凄い耳鳴りがしている。ふだんは気にしないようにしているけど、ちょっと注意を向けてみると激しく鳴っている。注意を向けなくても激しい時はあって、うるさくて閉口する。これで夜寝られないという人も知っているし、お気の毒であるが、一体どうしてこんなに耳鳴りがするんだろう。
疲れとかストレスとかが原因だとは言われる。そんなことを言われても困るわけだが。ふだんはキーンという高い音が常時なっている訳だが、まあこの所為で他の音が聞こえづらいのかどうかまではよく分からない。耳の奥というか頭の中で鳴っているイメージであるが、外部の音の聞こえとは、なんとなくシステムが違うような気がする。今は耳鳴りのことを書いているくらいだから結構鳴っていることを意識できるが、鳴っていてもそんなに気にならない場合もある。音量が小さいというより、そういう状態であるだけのことであろうとは思われる。
問題は、僕らは機械の体を手に入れられないことだ。未来的なことに関してならまったく期待が持てない訳では無かろうが、僕の一生のことを考えると、寿命内にサイボーグ化が実現するとはとても思えない。
しかしながら鉄郎は、人は限られた時間を寿命の内に生きることこそ意味があると悟る。機械化されると言っても、漫画の中では大きな機械の部品になるに過ぎない話だった。良するに永遠の命なんて詐欺だったのだ。まあ、そうかもしれない。寿命が尽きると、耳鳴りに悩まされることも無くなるという事だな。