カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

変人の集まるところの恋の苦悩   ハチミツとクローバー

2021-10-26 | 映画

ハチミツとクローバー/高田雅博監督

 原作は漫画作品。実は以前に買って持っていた。最初のところは少し読んだようであるが忘れていた。今回映画を観た後なんとなく確認したら、なかなか面白い。しかし、映画とは微妙にいろいろ設定が違う。違うがかえってなるほどと思えることもあるようで、これは後日読書欄にて紹介するかもしれない。
 ということで映画である。ある美大の学生たちの片思いの恋愛ドラマの群像劇のようなことになっている。とにかくずば抜けて才能のある学生が二人ばかりいるのだが、それはその人たちが奇人であるのとイコールのようだ。そういう奇人が混ざった環境が美大であるようで、ふつうの学生も実はふつうに変ではある。そういう変な人々が一所懸命に青春を駆け抜けていく物語のようだ。
 なんとなくだが観る気になってクリックして観ているうちに、引き込まれるようなものがあった。今となっては少し古いのだけれど、だから出ている俳優さんたちが非常に若々しい。そういうところが、実際今でも活躍されている多くの俳優さんの過去の青春像のような感じにもさせられるのである。なんだかこそばゆいような青春の恥ずかしさのようなものが表現されていて、いきがったり滑ったりしているけれど、それがいい、ということか。
 僕は美大出身ではないので、美大生たちが本当にこんな感じなのかということは、実際には知りえないのだけれど、聞くところによると、という感じでは、そういう空気は漏れ聞いてはいる。これを観たら親は泣くかもしれないが、まあ、学生というのはそういうものだろう。何しろ若いから、危なくて、馬鹿である。しかし確かにこの頃でしかない輝きというのがあるのだろうことは、僕らの誰もが知っている。そういうことに、なんとなくだが、芸術関係の人々は、一番ピュアに正直な人が多いということはある可能性がある。何しろ、本当にちゃんと就職できるような人というのはそんなにいないはずなのに、ものすごい難関を乗り越えて、この道に入りたい人々がやってくる。でも天才型の人がいて、そういう人の上をいくようなことになる。実際には捕まってしまうようなことをしてはならないのだが、そういうことだってする人もいるだろう。芸術だから何でも許されるということは無いのだが、そういうところに踏み込まざるを得ない芸術もあるのかもしれない。良いとか悪いとかはいったん抜きにして、突き抜けてしまわないと、その先は無いのかもしれない。
 芸術と青春が混ざってしまうと、とにかく大変だな、という感じだろうか。面白いのでいいのですけれど……。
コメント
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