カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

前半我慢する価値はあるかも   魔女the witch

2021-10-14 | 映画

魔女the witch/パク・フンジョン監督

 何か国家的な人体実験をやっているらしく、そこで養成された子供たちは、恐るべき能力を備えた殺人兵器になっているらしい。そこから逃れてきて、ある酪農の夫婦に育てられてきた少女がいる。彼女はテレビのスター誕生のような番組に出て、有名になりつつあった。ところがこれがきっかけで組織の目に留まってしまい、誘拐されてしまうのだった……。
 まあ最初の方は、だるいホームドラマという感じである。しかしながら何か殺人の匂いがずっとしていて、不穏である。組織の力は強大で、さらにその組織内でも訳の分からない内紛のようなものがありそうだ。謎の子供たちは力が強く、残忍に大人たちを殺していく。そういう恐怖の手が記憶をなくした女子高生に迫ってくる、というのが前半の大きな筋だ。そうして後半は一気にアクションの連続と、どんでん返しの物語に変貌する。
 韓国特有のオーバーアクトが気持ち悪いが、それが後半一気に効いてくる。凄い人々が、その凄いをさらに体現していくのだ。なるほど、そう来たか。という感じだろうか。きわめて漫画的な設定ながら、その漫画的なものを怖がらずに映画化しているともいえる。いくら何でも大人の鑑賞にはどうなのか、という疑問があまりない。そういう意味ではハリウッド的でもあって、韓国映画が日本とは違うところだろう。
 最初は主人公の女の子があまりに普通めいた雰囲気なので、まさか主役ではないのではないかと思ってもいたのだが、そのまま主役なので驚いた。それもたぶん演出の一つで、敵役の男の子や感じ悪い女の子の方が、主役っぽいキャラの魅力を備えている。そういうのを乗り越えて凄い、というのがまた魅力なのだろう。
 ただし、やはり漫画は漫画である。物語は、いい収束を見せてはいない。これだけの頭脳と能力の持ち主が、最終解決を人にゆだねるようなことをしていいのだろうか。もうひとひねりあると、そこらあたりも満足できそうだ。もっともこの映画、続編もにおわせてあり、これはこれで伏線なのかもしれないが……(※実際パート2が作られるらしい。続編を見るかどうか、今のところ予定はありません)。
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