カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

女で生きることの苦難   阪急電車

2021-10-11 | 映画

阪急電車/三宅喜重監督

 「片道奇跡の15分」ともある。原作に短編集小説があるらしい。映画の方も阪急電車の今頭線という短い区画に乗る乗客の群像劇になっている。
 結婚の約束をしていたが寝とられてしまい、その彼氏と彼女の結婚式にドレスを着て出席する。嫌がらせ目的だったが途中で退席し、むなしくなり電車で帰っているところを年配の子供連れの女性に声を掛けられるのだった。また、イケメンだが暴力をふるうわがままな彼氏に振り回される女や、軍事オタクと田舎出で道端野草採集女との付き合いであるとか、子供社会で仲間外れにされても頑なに強く生きようとする女の子の話などが重層的に語られていく。年上で社会人だけど女子高生の自分になかなか手を出さない話もあったな。まあ、そういう感じなんである。
 関西の路線図は最初からよくわからないが、阪急線は大きな地下鉄の路線図には載ってない枝の方に、少しの伸ばした沿線がいくつもあるようだ。ほぼ駅名は聞き覚えがないし、簡単な漢字でも読めなかったりする(小林駅と書いて、オバヤシ駅)だったりする)。東京でいえば下町風情のある場所のように考えていいのかもしれない。もっとも関西というのは、神戸方面に行ったり京都方面に行くと、ずいぶん様相が変わる。これは関東や九州の人間からすると、かなり戸惑う文化である。だから面白い訳だが。
 話の主流は現代に生きる女性にスポットを当てている感じはする。女であることの生きにくさというのが社会的にあるようで、そういうものと戦いながら、女は強くなっていく。その前に泣かされるようなことが、そもそも多すぎるんじゃないか、という疑問はあるにせよ、ある程度自分なりの生き方を通そうとすると、目の前には困難が立ちはだかっているという感じなのかもしれない。
 いい雰囲気で納得できるものもあるが、まあ、だからどうなんだろう、というのもある。気に入った話が見つかれば、それでいいんじゃないでしょうか。

※ この映画で改めて芦田愛菜ちゃんの子役の凄さを思い知った。大きくなってきた今も美人だけど、この子の小さい女の子としての成熟さは奇跡的である。
※ 普段電車には習慣的に乗るわけではないが、乗車マナーにおいて一言いいたい人、というのはたくさんいるんだろうな、とも感じた。しかしそういうことに注意できる大きな力って、結局世の中のためにならないと思うけどな。それはいずれ別の機会に、ブログテーマで書きたいと思います。
コメント
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