カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

古いハードボイルド作品   刑事マディガン

2020-11-19 | 映画

刑事マディガン/ドン・シーゲル監督

 マフィアを捕まえるために朝から自宅に乗り込むと、男は裸の女と寝ていた(いきなりドアを蹴破って入ったのだから、そんなこともあろう)。服を着るのを眺めていたら、マフィアの服には拳銃が隠されていた。刑事マディガンと相棒は、ともに拳銃を奪われた上に逃げられてしまう。それで上司に叱られて、72時間(要するに三日)の猶予で拳銃を取り戻すように命令される。必死になってマフィアの男の行方を追うのだが、日頃から美人の奥さんにかまっていなかったので、これまたひどく叱られて何かのパーティに連れていく約束を守るように言われる(本心として時間がないのでそれどころじゃない)。いろいろと街の情報屋とかチンピラとか、ツテを頼ってマフィアの男を追うのだったが……。
 警察の地区のお偉いさんがヘンリー・フォンダで、彼も不倫しており、さらに部下であり友人でもある部長警部が贈賄をしている情報をつかんで悩んでいる。マディガンは、奥さんをパーティに連れてはいくが、結局知り合いの男に任せてしまう。挙句の果てにはその男と奥さんはいい感じなったりする(これにはいろいろあるが)。ついには奪われた拳銃で、パトロール中の警官二人が撃たれてしまう(うち一人は確実に死んだ)。マディガンは、暴力事件に関しては、非情でやり手なのかもしれないが、いささか軌道を逸してヤクザまがいに街のあちこちの店からただ飯を頂戴(要するに賄賂みたいなもの)している。要するに、ニューヨークの街というのは、きれいな奴なんて一人もいないハードボイルドなところなのだ、ということなのだろう。
 1968年制作の古い映画で、当時はテレビ・シリーズも作られたりしたそうで、人気があったのかもしれない。今見ると、お話はなんとなくちぐはぐで、感情移入しづらい。しかしまあ、ハードボイルドなのは分かるし、そんな乱暴な捜査のやり方でいい筈は無いので(今だったらデモが起こって、警察のメンツ丸つぶれだろう)、そういう意味ではいい時代だったのだろう。
コメント
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