カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

分からないではないがすべっている   Destiny鎌倉ものがたり

2019-12-29 | 映画

Destiny鎌倉ものがたり/山崎貴監督

 
 鎌倉が、妖怪や幽霊と人間が共存する街として描かれている。そこに住む作家の家に嫁いできた新婦の目から、驚きの毎日をつづっていく。ということで、変な街を面白おかしく紹介するもののけ映画なのかと思っていたら、思わぬ事態に夫婦がまきこまれていくのだった。そういうことで、後半はスペクタクル活劇になる。
 原作マンガは西岸良平。この監督は「三丁目の夕日」も大ヒットさせているし、作家として西岸作品に思い入れのある人なのかもしれない。この原作作品の漫画の方は読んでいないが、他の作品を読んだことはあって、その印象から推察するに、モチーフとしては啓発されてはいるものの、かなり実写映画として手入れをしやすいと考えてのことではないか。それくらい、例えば三丁目などは、漫画と映画との印象が違うように僕は思う。
 さて、この映画においての正直な感想を言うと、よくできた映画ではあるんだけど、あまり成功していないという感じだった。ぬるい面白さがあるというのは分かるが、ちょっと滑っている感じがするのである。俳優たちの個性も生かされていて、さらにちょっとした意外性もありながら、それがなんとなくズレているということだろうか。面白くなりそうだけど、予定調和しすぎているというか。もう少し緊張感があって、もっとこれは困るな、というくらいになると、うまくいったのではなかろうか。困る状況になっても、なんとなく安心感が流れていて、子供向けの舞台の演劇を観ているような気分になるのだった。
 いわゆる特撮映画としては、おそらくものすごく工夫がなされている作品なんだろうと思うけれど、最近のスペクタクルものの出来栄えを考えると、やはりこういうのはハリウッド物が頭一つ抜けている印象を受ける。だから日本がやらなくていいということではないが、何か別の打開策を用いないと、なかなか厳しいのではないかという気もした。いろいろと状況は、難しいのかもしれませんけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする