政治の話はネット上ではいいか、とは思うものの、テレビを見なくても目に入る頻度が高くなるのは、やはり関心度の高さということはあるのかもしれない。もちろん僕も、と言いたいところだが、実はこの盛り上がり方はよく分からないということの方が本音だ。盛り上がりたい世論と個人の軋轢のようなものである。が、実際にはそんなものは微塵もないが。
自民党総裁といえば、一昔前は事実上総理大臣とイコールであったのだが、今回はどうか。もちろん現在は野党だから当然イコールではない。谷垣さんと河野さんの二人はその例外的な存在だったという歴史が刻まれた訳だが、そうすると普通は安倍さんもその仲間になるのかというと、たぶん今回は違うだろうということだ。だから前提は近いうちに選挙があると自民党が大勝する、ということなのだが、それは前提というより希望である。もちろん今選挙になるとそのような可能性が高そうに見えるというか、民主党は相当負けるだろうということが予想されている訳だ。負ける選挙をしないのは与党の特権で、政権には任期があるのだから、普通は今の状態であれば任期まで選挙はしないのが普通である。もちろんそれは自民党政権の頃からそうであって、解散は首相の伝家の宝刀なのだから、その他の人が決めることはできない。しかしやはりそれには前提があって、どうも密約というか近いうちの選挙というのは政党間で合意がなされているらしいという話がある。それをみんなが知っているのはどういう訳なのかが疑問だが、しかしそれを裏切ってまで選挙をしないのは野田首相らしい。しかし首相の側は、合意の前提である国会運営である程度の協力の方を、問責決議などをされて裏切られたというのが先にあるらしい。なんだか歴史問題のようにややこしくなってくるのだが、任期までの解散時期のやり取りは今後も本当に解散をするまでは続く。
そうではあるが、安倍総裁になれば解散の時期が早まるという期待がやはりあるらしく、早ければ1月頃になるのだという。解散説は6月や8月や9月や11月というのを順に聞いてきたので、やはりこれでも先になったんだな、と思った。そうしてやはり阿部さんというのは保守的なイメージがあるらしく、今の外交上の懸念を国内向けに考えて溜飲を下げる人が一定数居るようだ。強い日本とか美しい日本とか。共に形容なんで、具体的にはどういうことかということは分からないので、安倍さんのお腹の調子が戻ると、それも何とかなるらしいということは期待されているのだろう。
それで今度は安倍さんがカツカレーを食べたということになって、腸の病気がそれほどまで回復されているのだ、ということと、その食べたカツカレーが3,500円(以上するらしい)ということで、庶民感覚が無いという批判が一緒に出てきた訳である。なんだか結果的にそれが一番盛り上がっているようで、日本は平和だというオチなのではないが、しかしこの選挙の象徴的な出来事としてカツカレーとは秀逸だという気はするのだった。
本当にまじめにこの結果を考えると、今選挙があるとなどの多くの前提がクリアされなければその期待のほんの少しでさえも実現が不可能である状態の自民党総裁が決まったという現実があるわけで、誰がなっても本当に厳しい立場に居ることに変わりが無いということだろうと思う。もちろんそんなことは誰でも分かっているので、何か気持ちの行き場が無くて、人々の気持ち自体が迷走してしまったようにも見える。そういう気持ちの受け止め場所の無い世界が日本の政治世界で、これほど国際的にも窮地に立ちながら、ガラパゴス的に平和を保てる国内世論というのは、他国にはどのように映るものなのだろうか、などと考えたりするのである。
考えてみると、日本の国のリーダーというのはそれほど軽い存在で、影響が少ないからこそ人々はこんなことをいってられるのである。リーダーが変わるとその国の運命まで変わりかねない立場である国民の人々よりも、そういう意味ではしあわせなのではないかという論調もあって、そのことが何より説得力を持っているのが、今回の結論であるようだった。