ポール・チェンバースのリーダー・アルバム「ゴー...」のCD盤を入手した。
このアルバムについては、かつて、ガイド・ブックで、その存在を知って、中古のLP盤を見つけて購入した。
それは、盤に「8月25日発売・見本品」と表示されたものである。
1977年、日本でテイチク・レコードが発売したものだ。
CD盤の方は、1987年リリースの東芝EMIからのものである。
レーベルは、VEE-JAYで、1959年録音であるが、収録曲が異なっている。
CD盤の収録曲は、以下の7つ。
1.オーフル・ミーン
2.ジャスト・フレンド
3.ジュリー・アン
4.ゼアー・イズ・ノー・グレイター・ラヴ
5.イーズ・イット
6.アイ・ガット・リズム
7.アイ・ハード・ザット
LP盤には、Fブルースがあり、「アイ・ハード・ザット」がなく、かわりに「ディア・マン」がある。
演奏は、ハードバップの面々。
キャノンボール・アダレイ
ウィントン・ケリー
フィリー・ジョー・ジョーンズ
フレディ・ハバード
ジミー・コブ
ポール・チェンバース
プレイヤーたちが、好きなハードバップをいきいきとのびのびと愉しくやっているという感じである。
それぞれの持ち味も生きている。
キャノンボール・アダレイの屈託ないプレイが気持ちいい。
ポール・チェンバースについては、ハードバップ好きには、いたるところでお馴染みだ。
だけど、リーダー・アルバムとなると数はそんなに多くない。
そうではあるが、「ベース・オン・トップ」や「ゴー...」は、とても記憶に残る名盤。
凄くいい確率なのだ。
「リリー・マルレーン」について
・第一次世界大戦当時:兵士ハンス・ライプが作詞
・1938年(作詞から20数年後):ノルバート・シュルツェが曲をつける
・オランダのラレ・アンデルソンが歌ってレコード化(700枚くらい売れる)
・1942年(第二次世界大戦が始まって3年目):ドイツ軍が、アフリカ戦線のドイツ将兵向けの放送で流す。評判となりミリオンセラーに。
・1943年:イギリスBBCドイツ語放送、ルーツィエ・マンハイムの替え歌
・英語版、トミー・コナー訳詞
・ヨーロッパ戦線慰問のマリーネ・ディートリッヒが歌う
・イタリアの歌手ミルバも、コンサートのテーマ曲(定番)にして歌う
ミルバが歌う「リリー・マルレーン」を聞きたい。
イアニス・クセナキスのパーカッション・ソロの“プサッファ”を聞いたついでに、CDに続いて収録されている“ドマーテン:Dmaathen”と言う曲を聞いた。
オーボエが使われていて、パーカッションだけよりは彩りがある。
だけど、この種の曲は、人の心にうったえかけるには、足りないものがある。
オーボエとパーカッションの曲で、以下の二人のプレイ。
Jacqueline Leclair(ob)
Steven Schick(per)
違和感なく聞きはしたが、おもしろくないと言えば、おもしろくない。
プサップファと言うのは、サッポーのレスボスにおける呼び名。
サッポーは、紀元前7世紀の詩人で、女神のひとりにも列せられた。
小アジアのレスボス島のエレソスというところに生まれた。
澁澤龍彦著の「女のエピソード」(桃源社 昭和47年)では、
“レスビアン詩人 サッフォー”として紹介されている。
サッポーは、生涯の最後に男に恋をしたと言う。
それが紺碧のイオニア海に身を投げることにつながったそうだ。
「ギリシア抒情詩選/呉茂一訳/岩波文庫」より
サッポオの詩をひとつ
山颪が
樫の木並に
ふきくだつやう
戀よこの
むらぎもの
心とよもす
イアニス・クセナキスに“プサッファ”と言う曲がある。
“プサッファ”と訳されているが、Psapphaでサッポーのこと。
パーカッション・ソロの1975年の作品である。
手元に、スティーブン・シックとゲルト・モルテンセンの演奏した2枚がある。