“ブエノスアイレスのマリア”、タイトルそのものが興味をそそる。
アストル・ピアソラのタンゴ・オペリータである。
前に、ギドン・クレーメル盤で聞いたことがある。
今、聞いているのは、何と呼んだらいいだろうか。
CDの表には、オペラ、タンゴ の文字。
“milan”の表示。ミラノ盤と言うことにしようか。
1枚のCDに、22シーンが収まっているようだ。
2.Act 1 Scene 2:マリアのテーマ
6. Scene 7:フーガと神秘
10.Act 2 Scene16:ザ・サーカス・オブ・アナリスツ(精神分析医たちのマリア)
CDに付いているこの小オペラの解説にあるActとScene(場)の番号と実際のトラックの番号があっていない。
CD盤には、14トラックのようにプリントされているが、実際には、15トラックまである。
歌われている言葉の意味を聞き取れるわけでもない。
なんとなく接してしまった。
新宿のディスクユニオンで、ミルバのアルバムを見つけた。
セブン・シーズ・レコードの“ベスト・スター・ベスト・アルバム”と言う企画の中の一枚「ミルバ」で、キング・レコードから発売されたLP盤だ。
原盤は、チェトラ(イタリア)と記されていた。
ミルバの歌唱は、アストル・ピアソラの曲を聞く中で接した。
ギドン・クレーメルの「エル・タンゴ~ピアソラへのオマージュ2」で。
「ミルバ&アストル・ピアソラ ライブ・イン・トウキョウ 1988」で。
それで、何でもいいから、ピアソラやタンゴでないものを聞きたいと思っていた。
ベスト・スター・ベスト・アルバム”には、14曲収録されていた。
日本語で歌っている「ウナ・セラ・ディ東京」をはじめ、「リコルダ」「傷だらけの心」 「ひきだしの中の海」「悲恋」「タンゴ・イタリアーノ 」「スペインの瞳」「ミロール」等。
「傷だらけの心」は、大迫力。
さすが、ミルバという感じだ。
ミルバは、コンサートなどで、「リリー・マルレーン」をよく歌ったそうだ。
チャールズ・ミンガスの「ミンガス・イン・ヨーロッパ VOL.2」。
1964年、ミンガスご一行のヨーロッパ巡演時、ドイツでの演奏の記録である。
enjaからのもので、ミンガスのアルバムは結構持っているに、なかった一枚だ。
この一行には、エリック・ドルフィーもいる。
この巡演を終えて、ドルフィーは、単身でツアーを続け、ヨーロッパの地で亡くなる。
このライブは、なかなか熱がこもっている。
先日聞いた、同じ頃、パリでのライブ記録である「メディテーション」(1964 WOTRE MUSIC)とは、選曲は似ているのに、印象は、まるで異なる。
ミンガス、ドルフィーの他は、以下の顔ぶれ。
クリフォード・ジョーダン(ts)
ジャッキー・バイアード(p)
ダニー・リッチモンド(ds)
以下の5つのトラック。
1.オレンジ色のドレス
メンバーそれぞれのソロ。
ドルフィーのバス・クラリネットはいつも通り素晴らしい。
2.ソフィスティケイテッド・レディ
ミンガスのベース・ソロが聞ける。
3.AT-FW・ユー
4.ペギーズ・ブルー・スカイ・ライト
5.ソー・ロング・エリック
「SO LONG ERIC」は、ミンガスの作曲。大作である。
ミンガスは、ドルフィーが好きだった。
その才を素晴らしいと思っていた。
ドルフィーは、ここでも素晴らしいが、彼の魅力はリーダー・アルバムでの方が発揮されているように感じる。