蓑ひとつだになき

2009-04-13 | 【樹木】ETC
 ヤマブキ(山吹)の花には、一重五弁のものと八重咲きのものがある。
 八重の山吹は、実をつけることがない。八重というのは、雄蕊や雌蕊が、花びらに変化していることが多い。山吹においても、雄蕊は花びらとなり、雌蕊は退化してしまっているのである。
以下、有名な話である。
 降り出した雨にこまり、蓑を所望した太田道灌に、村娘が差し出したのは、八重の花がついた山吹の枝であった。道灌は、その意を解さぬまま、蓑を手に入れることなく、その場を離れた。
 後になって、道灌は、次の和歌を知り、不明を悔いる。
  七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき(兼明親王)

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