木々に咲く黄色い花々

　雨の午前、傘をさして散歩をする。
　黄色い花々を見ながら歩いた。
　いずれも、木々の花である。
　ここ数年の木々への関心が、その名をあげられるようになった。
　ミモザ（フサアカシア）の黄色い毬、マンサクの黄色いリボン。
　ヒイラギナンテン、トサミズキの小さな黄色い花を見おろす。
　レンギョウのひらきはじめた黄色い花びらを、しぼみはじめた男が見る。
　少年の日々は遠くなったなあと思う。
　そして、思いなおす。すぐそこにある、わがうちにあると。
　歳月が過ぎただけだと。