風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

ゆっくり、ゆっくり

2007-10-15 | 風屋日記
阪神タイガースの今シーズンが終わった。
エース井川の大リーグ行きにより先発投手が足りず、
前半戦は2桁の借金を抱えるほど苦労していたが、
夏場頃から調子を取り戻し、
9月には破竹の連勝、連勝でとうとう首位に。
この時点で虎キチは奇跡の逆転優勝を信じて疑わなかったのだが。

実は敗因は連勝にあった。
夏場からルーキー上園の台頭はあったものの、
急に先発投手が増えたわけではない。
来る日も来る日も投げるJFKの連投に支えられての連勝だった。
連勝を続けるということは彼らにも無理がかかる。
勝率の急上昇はいかなJFKという
日本を代表するセットアッパー&抑え投手でも無理があった。
どんなことでも急激な上昇はどこかに必ず歪みが生まれる。

世界中で使われる中国製品。
低廉な人件費から生み出される廉価な製品は
コスト低減を目指す世界各国の企業に重宝されて
中国経済は急激な右肩上がりの成長を見せた。
その結果・・・・
工業地帯である沿岸部と農村地帯である山間部との間には
日本など比べ物にならないほどの経済地域格差が生まれている。
そして息をもつかせぬ大量生産による
品質劣化や環境汚染なども深刻な問題となっている。
まるで高度経済成長期の日本をリプレイで見ているようだ。
ここにも急激な上昇による歪みが生まれている。

ベトナムからラオス、カンボジアを経てタイへ至る高速道路が
日本政府からのODAや日本の運輸会社の協力により
大きな期待を背負って整備されつつある。
成熟しつつあるタイ資本とアジア進出を目論む日本の資本が
物流インフラの整備によって更に強固に結びつき、
途中のラオス、カンボジアの経済発展にも寄与すると言われる。
しかしタイもまた急激な経済成長により
経済地域格差が拡大し、都市スラム形成の原因になっているし、
また怒濤のようなカンボジアへのタイ資本の流入によって
カンボジア国内のタイに対する国民感情も悪化していると聞く。

長く続いた内戦と同じ国民同士による虐殺の歴史によって
いまだ心のキズを癒し切れないカンボジア。
これまた内戦の歴史を持ち、その後は世界最貧国といわれながらも
穏やかに自民族の文化を持ち続けているラオス。
せめてこの2国においては
あまり急激な経済成長によって国土と心の荒廃を招くことなく
自民族、自国の文化を持ち続けながら
緩やかに成長を遂げて欲しいと思うのだ。

クメールの歴史と文化はカンボジアの人達の誇りだという。
その象徴であるアンコール・ワットは素晴らしい遺跡。
いつか行ってみたいとは思うけれど、
世界中から押し寄せる観光客で
シエムリアプも観光都市になっちゃったみたいだねぇ。
一昨日いろいろと話をしたルーアさんからは
メコン川を臨むビエンチャンの街で
ゆったりと楽しむビールは格別という話を聞いたよ。
そんなラオスにもぜひ1度行ってみたいものだ。
コメント
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