早池峰神楽の里、宿場のひな祭り、
そして日本百名山のひとつで信仰の山として、
独特の高山植物が有名な早池峰山で知られる花巻市大迫町は
藩政時代から明治にかけて周辺の中で最も繁栄したまち。
藩都不来方(こずかた=盛岡)と支藩遠野との、
そして海の幸をもたらすと同時に近代製鉄のまちだった釜石との
街道沿いの宿場町として賑やかなまちだった。
産業的にも、全国に知られたたばこ南部葉の産地として
養蚕からの製糸業が盛んなまちとして
近江や伊勢などから移住した商人たちがいたまち。
実はそれだけではないのだが、
それはまた改めて調べた上で書こう。
歴史的な謎を秘めたまちでもある。
ちなみにアバクチ、風穴洞穴遺跡などの弥生時代や
他にも縄文時代の遺跡などもあり
古代から人の営みがあったところだったようだ。
その大迫を、盛岡高等農林時代の宮沢賢治は
地質・土性調査のために訪れて以来
早池峰山登山のためなどで何度も訪れている。
「風の又三郎」や「どんぐりと山猫」「注文の多い料理店」など
賢治作品の舞台とも言われる場所があるのはそのため。
当時の大迫小学校長だった、ドルトンプラン教育の菅原龍太郎とも
わざわざ学校を訪問して会っていたそうだ。
宮沢賢治学会イーハトーブセンターの定期大会・研究大会と
併催のエクスカーションが今年も明日行われるが、
今年はそんな大迫を散策する計画を立てた。
おりしもマチココ40号の特集が「大迫のまち探訪」で
賢治ゆかりの場所も紹介しているのでグッドタイミング。
なかなか面白く、魅力ある大迫は歩くたびに新しい発見がある。
賢治ファンのみならず、ぜひ一度散策を勧めたい。