何度か顔を出し小物を買っていた八広の茶道具屋さんから
掘出物市の案内ハガキをいただき、先日の休日ぶらりと行ってみた。
何も買うつもりは無かった。
掘出物といっても、お茶を嗜んでいたお年寄りが亡くなった家から
道具類一切を買い取って販売するものであり、
みんなそれなりの一物(金額も)が揃っている場合が多い。
歴史ある名物があったりもするので、
勉強にはなるけれど到底買えるものでもないし、買うつもりも無い。
茶碗は今使っている700円のものを徹底的に使うつもりだし(笑)
まぁ安い振出や茶巾筒でもあれば考えようかなー・・・
ぐらいの気持ちで、天気もいいし散歩がてら出掛けたのだった。
ざっと見渡して、まぁそれなりに揃ってはいたけれど、
以前見た掘出物市(というか、その時は旧家蔵出し市)の時よりは
もっと身近で一般的なものが並んでいたように思う。
ちょっと惹かれた釜があったけれど、
東京の狭いフローリングのマンションで風炉かけるわけにもいかず、
はじめから買おうという気は起きてこない。
表千家各代手作りの茶杓の写し一式が入った竹筒もあったが
茶杓ばかりたくさんあっても仕方ないし、それに9千円も出せない。
その中、もっとも気になったのは、
なぜかそれだけ値札がついていなかった銀瓶。
自分の茶道具は
以前書いた茶籠にある程度揃えた。
その後本桑の平棗、茶筅筒、香合のセットをネットで買ったので
とりあえずはこれで満足していたのだが、
薬缶から直接お湯を注ぐってことだけ唯一気になっていた。
本当は銀瓶が欲しかったのだが、
ネットで安いもの探しても最低で3万円近くする。
店先で見た叩き出しは「安いですよ」と言われても5万円はする。
南部鉄器の鉄瓶にしようかと思っていた時期もあるけれど
岩手と東京を行ったり来たり、不在時は高い湿度の部屋に置くから
錆びないようメンテナンスにも気を使うし
普段どれだけお茶を立てるのかということを考えると
7~8千円もする面倒な鉄瓶を買うメリットも感じなかった。
(小さい置炉でもあって毎日立てられるならいいけれど)
・・・というところで見つけたこの銀瓶
何度か前を行ったり来たりしながら
その度に銀瓶を手に取ってみたり、眺めたりしてみた。
思い切って「これ、いくらですか?」とご主人に尋ねた時にも
「まぁ良くて2万円。1万5千円ぐらいだったら困るなぁ」
という感じで店の奥に調べに行った背中を眺めていた。
ところが「あー、7千2百円ですね」という返事を聞き、
「あー、やっぱりそれぐらいしますよねー」
という、用意していた断りの返事を思わず飲み込んだ(笑)
やっべー、そんな金額ならつい買っちゃうじゃん(^^;
かくして銀瓶はワタシの部屋にやって来た。
銀瓶をかけるための炉代わりの小さい電熱器も買ってしまった。
こうやって道具類って増えていくんだろうなぁ(笑)