NHK BSPにて再々放送中の朝ドラ「あまちゃん」もいよいよ大詰め。
最初の放送は東京に赴任中だったけど、
勤め人なので時々飛ばし飛ばし見た感じ、完全には見ていない。
再放送時はもうフリーだったのでタイムリーで見た。
通して見るのは初めてだったので、もちろん楽しんで見られた。
今回の再々放送は通して見る2度目だったので
前回気づかなかったディテールや、
細かな意図などを拾い上げつつ見たりしている。
それにしても、本当にこれは素晴らしいドラマだと改めて思う。
さすがのクドカンさんの面目躍如。
演出も含めてうまいことできてると感心してしまう。
もちろん名の知れた実力あるキャストの方々の力もあるし
何より主演ののんさんの魅力もたっぷり。
個人的には「カムカムエブリバディ」と並んで
朝ドラ史上1〜2を争う傑作だと思う。
まもなく終わると思うと残念で仕方ないから余計真剣に見る。
美味しかったケーキの最後のひとカケラをチビチビ食べてる気分😁
ところで今回の放送を見ていて感じたことが2つある。
ひとつ目は
「地方の子が都会に憧れて上京するけど、
結果故郷に幸せがあることに気づき、帰郷する物語」
という、ある意味ステロタイプなストーリーが存在するということ。
「あまちゃん」の場合、
恐らくクドカンさんはちゃーんとそれをわきまえ、利用しつつ
それとはちょっと違う物語に仕上げているのだが
(もしかしたらパロディ的にそういうストーリーにしてる?)
特に東京製作の朝ドラはその傾向が強いと感じていた。
最近だと「ちむどんどん」や「おかえりモネ」「まれ」がそうだね。
以前、とある企画で花巻を舞台にしたストーリーを
東京の会社にお願いしたことがあったけど、やはりそんな話だった。
実はこれを、都会人の上から目線な勘違いと考えている。
「都会が羨ましいでしょ?案外そうでもないんだよ」的な・・・。
クドカンさんはあえて都会出身の主人公にして
それを逆パターンにして見せた(最後は岩手に帰るけど)。
もうひとつ感じたこと・・・というか思い出したこと。
震災直後の東京を中心とした社会や企業に対して
「何なの!」と静かに怒りを心の中に閉じ込めていたなぁと。
当時は三陸を含む地元のニーズを捉え
当時のテリトリーだった東京で、仕事を通じ、
何とか少しでも被災地の役に立ちたいと考えていた。
ところが、あの頃の(東京の)社会や企業のスタンスは
被災地のため、被災地の役に立つと分かっていながら
「売名行為と言われる」「震災で儲けたと言われたくない」と
腰が引けた対応ばかりで、結局何もできなかった。
(「復興の狼煙ポスター」のPR活動ぐらいしかできなかった)
「あまちゃん」の放送中の「太巻」の態度を見て
あの時の忸怩たる思いというか、地団駄踏みたい気持ちというか、
泣きたいほどの悔しかった気持ちが思い出された。
「イザという時に都会の企業は期待できない」
ということを学んだ気がする。
結局、半年後にはとある広告業界最大手の企業が
被災地を利用してボロ儲けしたんだけどね。