風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「おいハンサム!!」

2024-07-13 | 映画・芝居・TV

netflixで鑑賞。
こんなドラマがあったとは知らなかった。
面白い😆
吉田鋼太郎さんのお父さんが同じおっさんとして共感。
一方で娘たちの残念な日常もよくわかる。
共感したり、笑ったりする合間に、結構深いセリフもある。
娘たちを巡る男たちの描写も薄っぺらいわけじゃなく
それぞれの問題がちゃんと描かれている。
なかなか秀逸なドラマだった。
これは深夜枠じゃなく、GTに放送すべきだったんじゃない?

それにしても木南晴夏さん。
「20世紀少年」で初めて知って注目し、
ドラマ「9ボーダー」でも注目してたんだけど、
好きだわぁ。
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「首」

2024-07-09 | 映画・芝居・TV

まぁ北野監督やりたい放題😆
織田信長の人物描写の極端さは
狂気を描くというよりどこかコントみたいだし
荒木村重と明智光秀が恋人同士で
そんな光秀に信長が横恋慕しているという
ぶっ飛んだシチュエーションも北野監督ならでは。
光秀の心情がよくわからなかったし
村重の最期もイマイチ理解できなかったけれど
「もしかしたらホントにこうだったんじゃないか」
と思わせるようなリアリティはある。

カンヌでは大喝采だったらしい。
信長役の加瀬亮さんも助演男優賞を取ったらしい。
確かにこれは海外ではウケるだろうなぁ。
国内では今まで描きまくられてきた史実が元なので
「そのひとつの解釈」としては評価できなくもないかな。
そういう意味では難しい題材だよね。
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「街の上で」

2024-06-20 | 映画・芝居・TV

Netflixで見た映画。
現代劇なのに、どこか懐かしい感じがするのはどうしてだろう。
40年前、自分が学生時代だった頃の匂いを感じる世界。
もしかしてそれは、登場人物の髪型やファッション、生活などが
あの頃を思い起こさせるからなのかも知れない。
映画の自主制作をする学生たちのノリや男女関係とかも。
意識を高められる未来をまだ見つけることができず
淡々と送る日常と本。
まるであの頃の自分を見ているようで。

大ヒットするような作品でも、
心が震えるような感動を味わう作品でもないけれど、
心のどこかに引っかかってくる作品。
こんな映画、割と好きだなぁ。
関西弁の彼女がちょっと気になった。
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ビリー・ホリデイ

2024-05-25 | 映画・芝居・TV

先日のNHK「映像の世紀 バタフライエフェクト」は
「奇妙な果実 怒りと悲しみのバトン」と題し
伝説のジャズシンガーとして知られるビリー・ホリディを中心に
アメリカにおける人種差別との戦いを描いた番組だった。

高校時代ジャズに目覚めた。
とはいえ難解なモダンジャズやフリージャズではなく
ピアノソロやトリオのようなシンプルなものやフュージョンのほか
なぜか女性ボーカルものがお気に入りだった。
アレサ・フランクリン、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、
そしてロバータ・フラック・・・
そんな中、私が生まれる前に亡くなったという
ビリー・ホリデイの存在を知った。

知ってすぐに走ったレコード店にビリーのレコードは
「Lady in Satin」のアルバムしかなかった。
1曲目の「I'm A Fool To Want You」に針を落とした時
麻薬とアルコールで潰れたその声に驚愕したことを覚えている。
のちにレコーディングディレクターが
「歌いながら涙を流していた」と言った曲だ。
そしてその他にレコードを見つけることができなかった私は
ビリーが亡くなった後に伴奏者だったマル・ウォルドロンが出した
「Left Alone」を買い、また戦慄することになる。
この2枚のLPレコードは大学時代を通して
私が最も聴いたアルバムとなった。

実は、この番組でも取り上げられ、彼女の代表作とされる
「Strange Fruit」の存在を知ったのはその数年後だった。
音楽として聴く前に、その歌詞に愕然とした。
そしてそれを歌った彼女の覚悟も。
その物語を丹念に追いかけたのがこの番組。
日本人の想像を遥かに超えるアメリカの人種差別の過激さ。
この番組を見て、刮目せざるを得なかった。

血気盛んな20代前半の学生時代ならば
これらの曲を受け止めるエネルギーが私にもあった。
しかし昨年来メンタルも落ち気味となっている年寄りには
彼女の歌は少々ハードすぎる。
その世界にズルズル引き込まれてしまいそうだ。
晩年の彼女のように。
ただ、録画したこの番組を消去することはできない。
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役者さんについて思うこと

2024-04-24 | 映画・芝居・TV
大学1年の頃はほんの少しだけ演劇部にいた。
大学4年の頃はテレビ朝日でADをやった。
コロナ前に1度だけ公開された
短編映画「マルカン大食堂の贈り物」撮影時は
4日間の撮影にほぼ全日程立ち会った。

・・・で、思うことなんだけど
役者さんというのは本当に大変な仕事だと思う。
舞台は舞台で、やり直しが効かない大変さがあるけれど
テレビや映画の世界はまったく違う大変さがある。
台本をバラして撮影予定を組むのだけれど
それはセットやロケの都合上ストーリー順にはなっていない。
つまりその瞬間、頭の中でストーリーを組み立て
表現し演技する。
悲しい場面と嬉しい場面を一度に撮ることもあろう。
その前後をイメージして役作りすることになる。
しかも数秒から数分の1カット1カットを
カメラや音声やメイクや演出が準備し、
テストしてからの撮影なので、とにかく待ちの仕事だ。
そして何と、同じ場面を別角度から撮るために
何度か同じシーンを演じ、撮影することもよくある。
そのたびに役作りを得る形なので、緊張を強いられる。
とても根気がいる仕事だ。
かつて演劇部時代に役者の世界に誘われたこともあるが
とても私には無理😅

ミュージシャンや芸人さんたちもそうだが
ほぼ皆さん事務所に所属していて、
そこがその人をプロデュースし、仕事をコントロールする。
言い方が悪いが、ある意味「商品」だ。
当然自分の思う通りにならないこともあろう。
アイドルや新人歌手などの場合は
その人となりすら作り上げられてしまうことすらある。
本人とは全く別の人格を表に出すこととなる。
それもまたつらいことだ。

どんな仕事も楽ではないし、
それなりの努力も必要となろうが、
ワタシ自身は自ら演じ、表現するよりも
作る側にいたいと思うのだ。
元来事務局タイプだし。
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「忍びの家」

2024-02-28 | 映画・芝居・TV

地上波の番組がつまらない。
ドラマでは安定の朝ドラや大河は面白く見ているし
BSのドラマは社会派的でじっくり考えさせられるけれども
民放のバラエティは全く見る気も起きないし
あの内容で視聴率云々言われてもなーという感じ。
ドラマも刑事ものか医療ものばかりで二番煎じ、三番煎じ。
それもこれも、コンプライアンス社会で、スポンサーに忖度しつつ、
非難されないような最大公約数での作りにならざるを得ない。
たぶん報道もそうなんだろうね。
そんな社会を皮肉る「不適切にもほどがある」が面白いという
なんともやりきれない状況😅

そんな中、Netflixオリジナルドラマが面白い。
スポンサーに忖度することもなく、
多少羽目を外しても地上波ほどは気を使わなくていい。
(見たい人だけ見ればいいというスタンス)
「全裸監督」なんて、ヘタな映画より過激だもんねぇ。
で、このドラマ。
映画のような作りで連続ドラマという重厚さ。
面白くないわけがない。
主演の賀来賢人さんの魅力もたっぷりだし、
ワタシの推しの役者さんである木村多江さんの演技もさすが。
大御所である宮本信子さんも
78歳という年齢を感じさせないアクション!
実はNetflixを一度解約しようかと思ったこともあったけど
もうしばらく楽しむことにしようか。
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ドラマ「woman」

2024-02-07 | 映画・芝居・TV

Netflixでこれにハマってしまった。
「東京ラブストーリー」はもちろんのこと
ここ5〜6年でいうと
「カルテット」や「anone」などを見ていて
元々すごい人だとは思ってたけど
このドラマはまたすごいなぁと感嘆する。
山田太一や倉本聰と肩を並べる社会派脚本家だね。
とにかくひとつひとつのセリフが心に刺さる。
セリフとセリフの間の空気感も。
田中裕子さんの表情も。

おかげで持ち帰り仕事も読書も進まない😅
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「ドライブ・マイ・カー」

2024-01-18 | 映画・芝居・TV

その先にあるもの???
そういう内容?
この映画の先に何かあるのか?
ちょっと違うかなと思って観たんだけど。
でも確かに最後がよくわからなかった。

以前から話題にもなり、興味あった映画を
ようやくNetflixで視聴。
なにせ普通の映画の2倍近い3時間の映画なので
そうそう気軽に観始められない。
たまたま終日何も予定がなかった日曜日に
(仕事はあるんだけど😅現実逃避)
意を決して観ることにしたのだった。

話題になった時から「3時間???」と思っていた。
「広島???」とも思っていた。
原作の短編にそんな場面あったっけ?
もう一度原作を読み返してみようと思うけど
かなり饒舌な内容の映画にしちゃった感があるんだなぁ。
饒舌な割に説明的じゃないから
そこから先のストーリーのベクトルがわからなくなる。
西島さんはじめ、俳優陣は悪くない。
特に韓国人夫婦と三浦透子さんはとても良かった。
三浦さんはこれまでの出演作も存在感が際立っていたけれど
これからちょっと注目してみようかな。
岡田将生がちょっと残念。
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「いちばんすきな花」

2023-12-05 | 映画・芝居・TV

たまたま目にして気になり
途中から観始めたフジテレビの連続ドラマ。
4人の主役の人物造形やセリフ、
そしてドラマ全体の雰囲気が気に入って
FODで初回から遡って見た。

真面目なお人好し、お調子者、
頭(だけ)いい人、顔(だけ)いい人。
子どもの頃からそんな風に他人から思われ続け
傷つき、トラウマになって他人とうまく付き合えない。
誰かと2人だけになるのが苦手だから4人。
誰しもこの4人の誰かに自分を重ねるんじゃないかな。
周りの人たちに嫌われないよう調子を合わせ、
相手の気持ちを推しはかり過ぎて
疲れてしまっている人たち。

これまではできるだけ自分の気持ちを口にするよう
10代のころから意識してきたんだけど、
それって結構力技であるわけで、
やっぱり時々、
フッと相手に合わせてしまっている自分に気づき、
頭を抱えてしまったりする。
60代になっても。
たぶんこんなだからクリエイターとしても
なかなかコレという仕事ができないのかも知れない。

このドラマを観たあとは
どこか寂しい気持ちになるね。
それでもひとりになりたくなるのが不思議。
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「あまちゃん」随想

2023-09-07 | 映画・芝居・TV

NHK BSPにて再々放送中の朝ドラ「あまちゃん」もいよいよ大詰め。
最初の放送は東京に赴任中だったけど、
勤め人なので時々飛ばし飛ばし見た感じ、完全には見ていない。
再放送時はもうフリーだったのでタイムリーで見た。
通して見るのは初めてだったので、もちろん楽しんで見られた。
今回の再々放送は通して見る2度目だったので
前回気づかなかったディテールや、
細かな意図などを拾い上げつつ見たりしている。

それにしても、本当にこれは素晴らしいドラマだと改めて思う。
さすがのクドカンさんの面目躍如。
演出も含めてうまいことできてると感心してしまう。
もちろん名の知れた実力あるキャストの方々の力もあるし
何より主演ののんさんの魅力もたっぷり。
個人的には「カムカムエブリバディ」と並んで
朝ドラ史上1〜2を争う傑作だと思う。
まもなく終わると思うと残念で仕方ないから余計真剣に見る。
美味しかったケーキの最後のひとカケラをチビチビ食べてる気分😁

ところで今回の放送を見ていて感じたことが2つある。
ひとつ目は
「地方の子が都会に憧れて上京するけど、
 結果故郷に幸せがあることに気づき、帰郷する物語」
という、ある意味ステロタイプなストーリーが存在するということ。
「あまちゃん」の場合、
恐らくクドカンさんはちゃーんとそれをわきまえ、利用しつつ
それとはちょっと違う物語に仕上げているのだが
(もしかしたらパロディ的にそういうストーリーにしてる?)
特に東京製作の朝ドラはその傾向が強いと感じていた。
最近だと「ちむどんどん」や「おかえりモネ」「まれ」がそうだね。
以前、とある企画で花巻を舞台にしたストーリーを
東京の会社にお願いしたことがあったけど、やはりそんな話だった。
実はこれを、都会人の上から目線な勘違いと考えている。
「都会が羨ましいでしょ?案外そうでもないんだよ」的な・・・。
クドカンさんはあえて都会出身の主人公にして
それを逆パターンにして見せた(最後は岩手に帰るけど)。

もうひとつ感じたこと・・・というか思い出したこと。
震災直後の東京を中心とした社会や企業に対して
「何なの!」と静かに怒りを心の中に閉じ込めていたなぁと。
当時は三陸を含む地元のニーズを捉え
当時のテリトリーだった東京で、仕事を通じ、
何とか少しでも被災地の役に立ちたいと考えていた。
ところが、あの頃の(東京の)社会や企業のスタンスは
被災地のため、被災地の役に立つと分かっていながら
「売名行為と言われる」「震災で儲けたと言われたくない」と
腰が引けた対応ばかりで、結局何もできなかった。
(「復興の狼煙ポスター」のPR活動ぐらいしかできなかった)
「あまちゃん」の放送中の「太巻」の態度を見て
あの時の忸怩たる思いというか、地団駄踏みたい気持ちというか、
泣きたいほどの悔しかった気持ちが思い出された。
「イザという時に都会の企業は期待できない」
ということを学んだ気がする。
結局、半年後にはとある広告業界最大手の企業が
被災地を利用してボロ儲けしたんだけどね。
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「怪物」

2023-07-06 | 映画・芝居・TV

この作品のタイトルはどうして「怪物」なのだろうか。
坂元さんも、是枝さんも
わかりやすい回答を示してくれるわけじゃない。
ただこの作品を鑑賞した人たちが
肌感覚で「社会の陰に潜む闇」を感じるしかない。
最近のNHKのドキュメンタリーのタイトルにも使われた
「バタフライエフェクト」という言葉を思い出す。
ストーリー全体を俯瞰すると大掛かりだが
そこに至るひとつひとつはごく普通の日常の出来事だ。
少しずつのズレがだんだん大きくなっていく。
そのリアルさに震えた。

「怪物」とは社会そのもの?
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2023-07-03 | 映画・芝居・TV


「いつか大切なものを守るために
 命をかける時が来る」
by 大河ドラマ「どうする家康」瀬名の言葉。
いやいや、あなたの命以上に大切なものは無い。
「命以上に国が大切」という言葉に騙されて、
あの戦争ではたくさんの人たちが命を落とした。
もうそんな言葉に騙されてはいけない。
命よりも大切なものは命しかない。
「私が徳川を守った」by 徳川信康
もちろん家も命をかけて守るものではない。

かつて同じ大河ドラマの
「女城主直虎」での主人公の言葉。
「城とは人を守るためにある。
 城を守るために人が犠牲になるのは本末転倒」
「城」を「国」に置き換えて考えてみるといい。
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「銀河鉄道の父」

2023-05-14 | 映画・芝居・TV

かなり混むだろうと予想して、
1週間ほど様子見をしてみたのだが、
周囲の人たちがもう結構観に行っていると知り、
大丈夫かなと、昨日の朝イチの上映に行ってみた。
混んではいたが、座れないほどじゃない。
騒いでいるのは花巻近辺の人たちだけなのだろうか。

かなり事実と違う内容。
そして賢治さんの人生も結構端折ってある。
明治の父は(内心はどうあれ)
あんなに自分の気持ちを露わにはしないだろう。
それでも、原作者や脚本家、監督が伝えようとしたことは
ちゃーんと伝わってくるから不思議だ。
これは賢治さんを描く映画じゃなく、
政次郎さんと賢治さん、政次郎さんとトシさん、
そして喜助さんと政次郎さんなど、親と子の物語。

菅田将暉さんと森七菜さんには拍手。
本当に賢治さんとトシさんに見えてきたし、
確かにこういう人たちだったんだろうなぁと感じた。
役所広司さんは、前述したように
明治男にしては内面を露わにし過ぎているが、
この作品で言わんとすることを伝えるにはこれが正解か。
ただ、賢治さんの最期のシーンは泣けて泣けて・・・。
ラストシーンも、余韻が良かったな。
総じてオススメできる作品。

ところで、政次郎さんのことを調べてみて驚いた。
ワタシの父方の祖父と同じ明治7年生まれ。
昭和20年8月10日の空襲まではすぐ近所に住んでいて
ウチの祖母とイチさんも茶飲み友達だった由。
家族ぐるみの付き合いだったそうだが、歳まで一緒とは。
タイムマシンがあるなら
祖父と政次郎さんの会話を聞いてみたい。
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BSで朝ドラ

2023-03-16 | 映画・芝居・TV
毎朝、NHK-BSPにて朝ドラを観ている。
7:15からは昔の朝ドラ.7:30からは今の朝ドラだ。
毎朝観るようになったのは(観られるようになったのは)
会社を辞めて、朝早く出勤する必要が無くなってからだから、
「おしん」や「あぐり」「芋たこなんきん」などは
アーカイブで初めてシリーズを通して観ることができた。
これがまぁ、現シリーズよりも面白いかったり。
(現シリーズは現代的すぎてイマイチついていけなかったり😅)

特に今放送中の「本日も晴天なり」は
「舞いあがれ!」よりも見逃すことができないほどハマっている。
昭和元年生まれの主人公は、我々世代にとっては親世代。
舞台は戦前から戦中、戦後のテレビ放送開始時代、
そして東京オリンピックを経て、今は1969年が舞台だ。
インターネットも携帯電話もFAXも無い時代の
出版社の雑誌編集部がとても興味深いし、
昔ながらの江戸っ子が代々営む人形町の染め屋という実家も
べらんめぇの人々の言葉に親近感を持つ。
高度経済成長に取り残されつつある古き良き時代の風俗。
なんか良いんだよなぁ。

主人公の大学生の息子はベトナム反戦デモに行ったり同棲したり。
そのアパートも昔懐かしい木造風呂トイレ無し(と思う)だ。
この息子の世代は私よりも10歳ほど上の設定だが
(デモはともかく)成田闘争は我々の世代でもあったし
アパートの描き方に至ってはまさにドンピシャ。
考えてみれば、このドラマが放送されたのは1981年。
私もまさにこんなアパートに住んでいた頃だ。
放送当時から見れば、ほんの12年ほど前の場面だろうから
よりリアルな描き方になっている。

そして役者さんたち。
かつてはお馴染みの方々ながら、もう鬼籍に入っている人も多数。
その人たちがまた味のある演技なんだなぁ。
特に(もうドラマ内でも亡くなってしまったけど)
主人公のお父さん役の津川雅彦さんが、実に昭和な江戸っ子だった。
小心者なのに見栄ばかり張って口も悪い。
でも心根は優しくてどこかシャイ。
懐かしさ溢れるこのドラマもまもなく終わると思うと寂しいな。

そして、この次は「あまちゃん」❗️今から楽しみ😊
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「流浪の月」

2023-02-02 | 映画・芝居・TV

小説が原作の映画は、賛否評論となることが多い。
私も本屋大賞を取ったこの原作小説は昨年読んでいて
かなり深く心に沁み込んでいたので
ほぼ同じタイミング公開になった映画を見ることは躊躇していた。
今回改めてレンタルでDVDを借りてきて鑑賞。
ほぼ原作を踏襲した内容と演出、光をうまく使った撮影、
そして何よりも松坂桃李さん、広瀬すずさん、横浜流星さんなど
演技派出演者たちによって
期待以上の作品になっていると感じた。

人は誰でもこどもの頃に負った心の傷があり
大人になっても心の奥底に潜んでいて
他の誰にも見られたくはないコンプレックスという形で
外向けに纏ったベールに下に意図的に隠されている。
もちろん私にもあるから
こういう作品で第三者的に見せられると
まるで自分のことのように痛みを感じてしまったりする。
昨今ネットなどで顕著な、他人を腐し、攻撃する風潮などは
自分のそんな弱みを隠すためでもあるだろう。
他人の弱みを見つけた途端にそれは一気に牙を剥く。
この作品で描かれたことばかりじゃない。
国籍も、出自も、宗教も、性も、そして性格も
その攻撃の対象になりがちだ。

欠損した心を原作の凪良ゆうさんや監督の李相日さんは
丁寧に、そして残酷に描いている。
孤独で傷ついた心をかばい合い、補い合い、通わせながら
この2人はこれからどこへ向かうのだろうか。

amazonから原作書籍購入は下記より。

 
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