風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

お知らせ

2009-05-25 | 風屋日記
私が所属する上根子神楽が、花巻市の姉妹都市である神奈川県平塚市で開催される
湘南ひらつか七夕まつり」の特設会場で公演することが決まったようです。
たぶん上のリンクのスケジュールの欄に書いてあるように
7月4日(土)の午後~5日(日)午前の2日間になると思われますが詳細はまだ不明。
ともかく関東圏では初の公演となりますので、
お近くにお住まいの方々はこの機会をお見逃しないようにおいで下さいませ。




ここまで「風屋日記」でした。
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言い訳

2009-05-18 | 風屋日記
  ふと気がついたとき、直子の話はすでに終わっていた。
  言葉のきれはしが、もぎとられたような格好で空中に浮かんでいた。
  正確に言えば彼女の話は終わったわけではなかった。
  どこかでふっと消えてしまったのだ。
  彼女は何とか話し続けようとしたが、そこにはもう何もなかった。
                (村上春樹:著「ノルウエイの森」より)

何を書いても既視感があり、
意図して新しいことを書こうとすれば平凡な日常の日記になってしまう。
的確な表現も思い浮かばず、紋切り型の文章だらけ。
社会的なこと、国際問題などについて訴えたいことを書こうとすると
以前と違ってだんだん息苦しい気持ちになってくる。

私はいつも風屋日記の記事を
多い時で1週間分、少ない時でも1~2日分書きためていた。
(もちろんその日の気分やネタで変えることもあったけれど)
モグと散歩しながら、朝の通勤電車から窓の外を眺めながら
あるいはぼんやりタバコをくゆらしながら
新しくUPする記事について考えるのは楽しかった。
駅のホームからでも、ランチ後のコーヒーを飲みながらでも
あるいは夜ふとんに入る前のほんの数分を使って
携帯から記事をUPしたり、ネタをメールで送ったりした。
(ネタはいつくか集め、時間がある時に集約して記事にUP)
そんな時間の使い方も割に楽しいものだった。

4月も半ばを過ぎた頃ぐらいからだろうか。
書きためることもできず、新たな記事を考えることが辛くなり
毎日惰性でその日その日のおざなりな記事を続けていた。
それらをUPすることにも嫌悪感が募ってくる。
GWが終わり・・・もうダメ。書けない。
風屋日記として語るべき言葉がどこかへ行ってしまった。
長らく独りよがり、自分勝手にズルズルと語り続けてきて
突然「言葉のきれはしがもぎとられて空中に浮か」び、
話は突然「どこかで消えてしまった」ようだ。

  心に浮かんだ言葉を文字にして書きつけていく。
  それは手と目と心の動きが連携した高度な仕事だ。
  そういうとき脳の中では、
  知性と感性が最高度のつながりを持って動いている。
  ぼくたちは悲しいと書くと実際に悲しくなり、
  底抜けにたのしいと書くと、どこか弾むようにたのしくなる。
  秋の終わりの空と書けば、抜けるように澄んだ高い青空を思い、
  秋の日と書けば熱のない穏やかなオレンジ色の日ざしを想像する。
  そうした喚起力のすべては、
  その人が生きてきた時間の中でたくわえられた
  無数のイメージや記憶に支えられているのだ。
  手と目と心の関係がどこかで切れてしまえば、
  言葉を文字にして書きつけ、
  それで自分を表現することは絶望的に困難になってしまう。
                 (石田衣良:著「美丘」より)

まるで魔法が解け、一時の夢から覚めて、
気づいたらかぼちゃの馬車に乗っていたみたいな感じ。
仕事の上でも大して役に立たず、家庭での役割もほぼ終わり、
いつの間にか、これといった趣味すら持っていない
しょぼい中年オヤジがポツンと鏡に映っていた。
これが、これから死ぬまで続くワタシのホントの姿です。


※もうしばらく休んでみます。
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お休み

2009-05-07 | 風屋日記
GWの連休は毎日いい天気に恵まれ、
最終日の昨日は家の周囲でのんびり過ごした。

リンゴ満開

家の向かいのリンゴ畑は花が満開となって華やか。

郁代

庭に植える草花を物色に母ちゃんとあちこちぶらぶら。
写真は真剣に選ぶ母ちゃん。

草花1

買ってきたいくつかの草花をさっそく庭に植える。
面白く、かわいいものばかり選んだな(^_^)

コツラ

これはコツラ・ヒスピダ(別名 姫朝霧草、雲のじゅうたん)。
別種の1年草コツラ・バルバータはよく店頭で見かけるそうだけど
多年草のヒスピダは珍しいのだとか。
玉子ボーロのような黄色い花がポヨンポヨン風に揺れて
まるで宇宙人の触覚みたいで可愛い(笑)
ふわふわのシルバーリーフも触ると気持ちがいいので気に入った。
絶対増やしてみせると、母ちゃんはさっそく腕まくり(^^;

春の風はどこまでも透き通り、
あたりはウグイスとキジとヒバリの声で賑やか。
芝桜が鮮やかに彩る田んぼでは田植えが始まっている。
生まれでたばかりのかわいい新緑にも囲まれて、
5月は気持ちいいなぁ。
サツキちゃんとメイちゃんは同じ名前なんだね。

    ◇      ◇      ◇

風屋日記をしばらくお休みします。
私や私の家族、仕事などで
何かあったわけではありませんのでご心配なく。
お休みが数日となるのか、数ヶ月となるのかわかりませんが、
いつかまたお目にかかるつもりでおりますので、
その時まで皆様お元気で。

とりあえず、4年と8ヶ月の間お世話になりました。
ありがとうございました。
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蕎麦は「ふじかめ」

2009-05-06 | 風屋日記
合併後花巻市になった旧大迫町。
早池峰山とエーデルワイン里であり、
国の無形文化財&ユネスコ世界無形遺産申請中の
早池峰神楽の地元として有名なこの町に
蕎麦屋「ふじかめ」はある。
高級な店、気取った店が苦手な私も
気軽に暖簾を潜れるこの店は
じいちゃんばあちゃんが経営している
とても人情味溢れる場所だ。

ここの蕎麦が私的には知る中でNo.1。
蕎麦よし、つゆよし、副菜よし。
この日の注文は天ざるとおにぎり。
蕎麦の美味しさはもちろんだが、
ご飯も粒が立ってて歯ごたえもよく、塩加減も絶妙。
天ぷらはエビとコゴミとシメジ。
コゴミは春の香りがいっぱい。
車で30分かけ
新緑の中をドライブがてら出かけて正解。
大満足(^-^)
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番外編

2009-05-05 | 風屋日記
昨日の続き。

弘法桜の後、もう遅くなったこともあって
盛岡で晩メシを食べて帰ることに。
次男も誘おうとメールしつつ
彼向けにアパートそばの台湾料理店へ。
ところが、
店に入った途端に「もう食った」と返事が来た(^^;
量が多いと評判の店に中年夫婦は場違い?(笑)

ご覧の量でひとり600円也!
母ちゃんは自分のご飯の量に目をパチクリ(@o@)
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行き当たりばったり

2009-05-04 | 風屋日記
今日の予定は盛岡へのドライブ。
午前中は県立博物館へ行き、
午後は県営球場で岩手大野球部の応援へ。
朝9時過ぎには母ちゃんと家を出た。

ポプラ

博物館の周囲は新緑がいっぱい。
薄曇の春の空にポプラが伸びている。
目的の企画展
「いわての女性展 結婚 子育て 山里のくらし」
山で働く人々の文集を作っていた三上信夫氏は
山びこ学校の無着成恭氏に通じるものを持つ。
もうひとり取り上げられていた森口多里氏は
岩手の神楽のサンプリングでも有名な民俗学者。
彼らがスポットを当てた「昭和のかあちゃん」たちは
岩手の文化や生活を見えないところで支えてきた。
民俗学は女性の歴史とも言えるかもしれない。

三浦

岩手大はここまで3連勝と絶好調。
今日もエースの三浦君が力投し、1失点完投。

挨拶

青森大 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
岩手大 0 0 2 0 0 0 0 0 X 2

これで4連勝、首位をキープして
来週は強豪八戸大と対戦、前半の山場となる。

    ◇      ◇      ◇

さて当初の予定はここまでだったが、
まだ明るい中、行き当たりばったり夫婦のドライブが
これだけで終わるわけがない(笑)
県営球場から松園~四十四田ダム湖北側を通り、
新緑を眺めながら県立大学前を通り過ぎたところで
目的地は小岩井と決まった(笑)

ガスタンク

途中にはこんな風景も。デカいスイカだねぇ(^^;

姥屋敷

ここは盛岡から小岩井への近道である
滝沢の山道をこえたところにある姥屋敷集落。
牧草地の向こうに岩手山の大きな姿。

一本桜

ここが彼の有名な「小岩井の一本桜」。
昨日の新聞に満開の記事が載ったばかりだから
周囲の道路は桜を見たい人たちでもう大渋滞。
でもこの風景を見たら来て良かったと思うよ。

アイス

一本桜まで来たら、
噂のおいしいアイスクリームを食べたくなる(笑)
雫石に住むウチの会社の人間に電話で場所を聞き、
約10分山のほうへ向かって見つけた
「手作りアイス 松ぼっくり」
母ちゃんは黒ゴマ、私は黒糖・・・うまかった(^-^)

行き当たりばったりはまだ止まらない。
松ぼっくりで見たポスターに心惹かれて更に山へ。
10分ほど走ると玄武温泉がある。
そう、温泉に入っていこうかという考え(笑)
フロントでタオルを借りて、濁り湯にざぶり。
気持ち良かったよ。

更にその温泉で見たパンフレットに書いてあった
雫石町内のもう一つの名物桜「弘法桜」へ向かう。

弘法桜

もう暗くなっていた弘法桜はライトアップ中。
弘法大師に縁がある桜で、樹齢800年との事。
老いた大木の存在感に圧倒された。

シルエット

弘法桜の枝越しに岩手山のシルエット。
ようやく長い一日が終わった。
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リンゴの花

2009-05-03 | 風屋日記
驚いた。
もうリンゴの花が咲いた。
例年ゆっくりピンクの蕾を膨ませ、
GW明けに徐々に花を開いていくんだけど、
数日前までまだ小さかった蕾が
まるでハイスピード動画を見ているように
ぐんぐん膨み、あっという間に咲いた。
まるで忌野清志郎さんへのお供えに
急いで間に合わせるように。
すごい人だった。
合掌。

水を張った田んぼからはカエルの合唱。
上手に啼けるようになってきた
ウグイスの声も聞こえる。
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後悔

2009-05-02 | 風屋日記
小学校の頃にモーリス・ルブラン原作、南洋一郎訳の
ポプラ社のルパン全集にハマったのがきっかけ。
大学でフランス語を専攻した親父の影響から
親父の蔵書であるフランス紀行本を絵本代わりとし、
買ったばかりの4chステレオで散々シャンソンを聴かされ、
「望郷」や「舞踏会の手帳」「ミモザ館」「パリの空の下」などの
古いフランス映画ばかり見せられて育った私は、
中学時代にはすでに将来の専攻は仏文科と定めていた。

高校で哲学に興味を持ち、
フランスの学園紛争の思想的バックボーンとなったサルトルを通じて
運命的な出会いをしたのがアルベール・カミュ。
ほぼ同時期にボードレールやヴェルレーヌとともに
これまた衝撃的な出会いをしたアルチュール・ランボー。
小説の世界ではアルフォンス・ドーデの
穏やかな自然描写の中にも熱い情熱を感じさせる作品が好きだった。
「風車小屋だより」「月曜物語」「サッフォー」・・・
中でも短編「最後の授業」や戯曲「アルルの女」が有名。
ってことで、将来の方向性はますます仏文科(笑)
詩や小説創作への憧れを抱いたのもこの人たちの影響だった。

その後、自らの将来について「もの書き」への道にも興味を抱き、
仏文科とともに文芸科への道も探り始めたりしていたが、
さて、いよいよ進学先の方向性を定める高校3年時。
それまで私の絵空事をニコニコしながら聴いていた親父が突然
「小学校教員になるのが良かろう。教育学部へ行け」と言い出した。
おいおい、ちょっと待て。
しかもその道のメリットを挙げて説得するならまだしも
「高校教員(親父)も、中学教員(お袋)も大変だから、小学校教員」
と言われて納得する子どもがどこにいようか。
確かに「じゃあ仏文出て何になる?」と聞かれると
社会を知らない高校生としては答えに窮する。
正直言って自分でもその後何をしたいかよくわかっていなかった。
ってことで仕方ない、仏文科は諦めよう。
でも「もの書き」になりたい気持ちは通したいから文芸科は譲れない。

当時「文芸」と名のつく学科を持つ大学は、志望先として2つ。
どちらも実績があり、OBの活躍やカリキュラムに強く惹かれていた。
親父と毎日激しくやり合った。
勤務する高校で進路指導をしている親父の話は正論。
社会の中ではヒヨっ子の私の話は感情的な理想論。
基本的に太刀打ちできるわけもなく、
結局「国語の教免取得を条件に国文科へ」という妥協案になった。
文芸科の2大学を受験すらできずに国文科だけを受験して入学。
結果・・・大学で教職課程の単位を落としたのはほとんど確信犯(^^;
私なりの親父へのレジスタンスだったな(笑)

さて、そんな学歴を経て今に至るわけだが、
ある程度社会を知った今だからこそ言えることがある。
「大学の専攻がその後の仕事に生きることが(文系の場合)少ない」
現に今だって「国文科出身者がこんなこと担当していいの?」
ってことを毎日やっている(笑)
そう考えると、その後が今と全く同じ人生だったとしても
当時仏文科や文芸科を諦めたことに後悔することがあるのだ。
若いうちは、特に勉強は好きなことをするのが一番。
将来なんて、やる気さえあれば後からついてくる。
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話題の箸休め

2009-05-01 | 風屋日記
仕事や普段の生活の中で
壁にぶち当たったり、煮詰まったりした時に
私は目の前のものや頭の中のものを一旦整理してしまい込み、
タバコをくわえてぶらりと外へ出たり、
周囲の人たちに下らないオヤジギャグを飛ばしたり(いい迷惑?)
あるいは気になるサイトを開いてみたりする。
それは2~3分のこともあるし、30分ぐらいのこともある。
本当に煮詰まると1時間おきぐらいにそれが繰り返されることもある。
そしてまた元の状況に戻り、
改めて俯瞰からもう一度落とし込んで見ていくと
突然解決方法が見つかったり、見落としていた点に気がついたり
案外あっさり局面が打開するということが多い。

100年に一度の経済不況や、泣きっ面に蜂の地域経済の落ち込み、
エゴのぶつかり合いの中東情勢や中央アジア情勢、
いまだに続くミャンマーのサイクロン被害をはじめとする自然災害、
ソマリアなどの貧困から来る略奪とそれに対抗する軍事行動、
先進国の人々は心を病み、人を信じず、
途上国では相変わらずの貧富格差から来る政情不安、
二酸化炭素やフロンや放射能や汚泥を、空に海に垂れ流し
森林を伐採し、山を焼き、動物達は必要以上に殺されている。
そこに持ってきて新型インフルエンザの世界的流行の不安。
書きたいこと、訴えたいことは山ほどあるが
その山のあまりの高さ、大きさに暗澹たる気持ちになる。
こんな時こそ一服つけたい。

要はここんとこ続いてるお気楽話題の言い訳(笑)
でもね、こんな時だからこそ
眉間に皺を寄せて迷宮の思索の中にハマり込んで出口を失うより
まずは箸休めが必要だと思うんだ。
一度リセットしてから改めて全体像を把握し直さないと
本質を見失い、方向性がわからなくなってくる。
・・・ってことで、今日もまたどーでもいい話題(笑)

    ◇      ◇      ◇

昭和横町

盛岡市内某所に、こんな怪し気ところがある。
赤い電球で囲われた「盛岡昭和横町」の看板からして怪し気(^^;
横にある「たばこ」の看板が
かつての古き良き時代にあった任侠映画専門館のような雰囲気を漂わせる。
ちなみにここはランチもあるが、よるは居酒屋。

豚丼

昨日はこの怪しさに惹かれるように入ってみた。
昭和の下町によくぶらついていた、
ちょっと斜に構えたあんちゃんのような店員さんがダルそうに対応。
その雰囲気の崩れぶりがまた昭和だ(笑)
注文したのは豚丼だが、ごはんにチャーシューを並べて目玉焼きを載せた
ラッキー本店にある「チャーシュー卵メシ」のミニチュアみたいなヤツ。
ちなみに店内は小さな舞台もある座敷で、大衆芸能酒場という風情。

メニュー

夜のメニューを見たら、
なんと片側ページ缶詰メニュー、もう片方はずらりと並んだワンカップ。
うーむ、このチープさが堪らない(笑)
ってか、ワンカップってこんなに種類があったとは知らなかった(^^;
今度は夜来て、サバ缶を肴にワンカップで一杯やってみるか。
この店の向かいにあった古式ゆかしい中華料理屋も併せ、
ちょっとハマりそう(笑)
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