風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「無垢の領域」

2016-05-31 | 読書

深く内在されているテーマは嫉妬。
人の心は複雑で、すべてが一言で説明できるわけはない。
そんな多層に重なり合う心の内の奥底を
少しずつ少しずつあぶり出す作品を書くのが本書の著者。
本作はひとりひとりの登場人物が内面に抱える嫉妬を
無垢な魂が媒介となってあからさまにしていく物語。

この著者の他の作品同様
舞台は北海道の片隅の辺境であり
(当地に住まわれる方々には申し訳ないが、
著者はあえてそう描いているので)
その町に漂う霧同様、全体の空気も暗く冷えて淀んでいる。
それでも読み手までどんよりして来ないのは
(これまたこの著者の作品に共通していることだが)
作品の底に流れる艶や色気ではないかと感じている。
そしてもうひとつ、
すべてを諦めているようなすべての登場人物たちの
実は内に秘めた生への執着と寂しさを紛らす甘えという
とても人間臭い感情。
それがこの著者の作品に共通する魅力でもあると思うのだ。
人は哀しい存在。
それは伶子でも、林原でも、里奈でも、秋津の母でも、
まして純香でもなく、私は秋津に感じた。
そして「母」という存在の怖さも。

「母の手はいつも、
息子を思う方へと導き、破滅させる。
母の愛情に名を借りた傲慢な思いは
栄養であって毒、
毒であってやはり愛情なのだろう」

それにしても、どうやら本作は直木賞受賞後第1作とのこと。
気負いも、期待に応えようという迷いや苦渋も、
少なくとも行間からはまったく感じない。
安定して自らのスタイルを貫くこの作家から目が離せない。

「無垢の領域」桜木紫乃:著 新潮文庫
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日本古来の伝統的美学と価値観

2016-05-30 | 世界・平和
日本のトップに君臨される方々や、それを支える官僚の方々が
最も大切にしているであろう「美しい日本の伝統・慣習」の中で
その理念、哲学の根底をなすであろう考え方を
以下に、ごく簡単に列記してみました。


⬛虎の威を借り、自らの失敗をごまかすことは「姑息」と言われ
 昔から最も恥ずべきこととされています

 ex)例えば自分の経済政策失敗を隠し、G7のコメントを後ろ盾にして
   以前公約に掲げた消費税増税を延期したりすること。
   または被災者のことは放っておきながら
   憲法改正などと自分の都合いいように災害を利用すること。


⬛空気を読み、場に合わせて、コロコロと変える
 その場しのぎの口からでまかせを言うことは「お調子者」と言われ
 昔から誰からも信用されないこととされています

 ex)例えば米大統領の広島でのスピーチに合わせて
   あたかも平和主義者のようなコメントをしたり顔で述べる一方、
   科学者への軍事研究を奨励し、研究費用を大幅増額するなど
   言うこととやることが一致していないこと。


⬛自分のことは棚に上げ、重箱の隅をつつきながら
 他人のことばかり追求することは「揚げ足取り」と言われ
 器が小さい、取るに足りない人物の象徴と言われています

 ex)例えば野党の野次には敏感に反応するくせに
   自らは聞くに堪えない、およそ1国のトップとは思えないような
   ケンカ腰や命令口調の野次を飛ばしたり、
   都合が悪くなると前政権の悪口にすり替えたりすること。
   米大統領には広島訪問を働きかけておきながら
   自らは南京にも真珠湾にも行かない日本のトップのようなこと。


⬛私的なことに自分の懐を痛ませることはせずに公的な金を使ったり、
 公的イベントに便乗して私腹を肥やすことは「吝嗇」とされ
 昔から人の上に立つべからざる者として軽蔑の対象とされています。

 ex)普通の感覚や通常の会社などでは認められないような
   出張への膨大な経費支出を追求されて逆ギレしたり
   オリンピックに便乗してこそこそ不正な金を手にしたりすること。
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書店でのイベント終了

2016-05-29 | 読書




作家盛田隆二さん著作「父よ、ロンググッドバイ」出版記念の
同じく作家中島京子さんとの対談イベントが
昨日下北沢の書店B&Bさんにて盛況の中行われた。
そんなに広くはないスペースとはいえ、会場はほぼ満杯。
お父様の介護体験をノンフィクションで書かれた盛田さんと
同じく認知症だったお父様の様子を元に短編集を書かれた中島さん。
テーマがテーマだけに重い雰囲気で・・・と思いきや
両先生の軽妙なやり取りに終始和やかな会だった。
質問コーナーでは来場者の方々から自らの介護状況など語られたが
それでも明るい空気の中、
もう「介護」は特別な事じゃないと感じられた。

とてもフレンドリーで良い会だった。
その後の打ち上げも、
お店から「もう少し静かに」と注意されるほど(^_^;)
大いに盛り上がったのだった。
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書店イベント

2016-05-28 | 読書

下北沢 本屋B&Bさんにて
盛田隆二さんと中島京子さんとの対談
「作家の介護体験」は
本日15時からです。
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あれ?

2016-05-27 | 生活の風景


うしゃぎしゃんとあしょんでまーしゅ。
かわいいねっ。



あれ?いなくなった(´・_・`)
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山菜

2016-05-26 | 食べ物・お店


新鮮なワラビとウルイ。
他にもシドケ、ミズ、タラボ、ウド、フキ、
コゴミ、ゼンマイ等などナド・・・
春は山に旬の味覚がたくさん。
みんな大好物(^^)
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発刊記念イベントのご案内

2016-05-25 | 読書
下北沢の書店B&Bさんにて
盛田隆二さんの「父よ、ロンググッドバイ」発売記念
中島京子さんとの対談イベントが開催されます。

出演 _ 盛田隆二さん(作家)中島京子さん(作家)
時間 _ 15:00~17:00 (14:30開場)
場所 _ 本屋B&B
世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
入場料 _ 1500yen + 1 drink order

まだお席には若干余裕があるようです。
著者と直接会えるこの機会をお見逃しなく!!

詳細はB&Bさん→webサイト

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マルカン写真&エピソード大募集

2016-05-24 | 文化
昨日朝のFM-one(花巻コミュニティFM)でご案内しましたが、
マルカン思い出写真集」では皆様からの思い出エピソードと写真を募集しています!
(その中から写真集に何点か掲載させていただく予定ですので、
 掲載可能なものをご応募ください。)
今年の6月7日に老朽化により閉店となりますが、
1973年創業以来、43年という歴史の中で
全国各地から多くの人々が訪れたことと思います。
昔から今に至るまでのマルカン百貨店や
昔の上町周辺にまつわる写真・エピソードをお待ちしております。
お一人様何点でも構いませんのでどんどんお寄せください。
おじいちゃんおばあちゃんから聞いたお話を
代わりに応募していただくことももちろんOKです!
なお掲載のご案内は致しませんので、発刊後ご確認ください。

[募集期間]2016年6月19日まで
[募集内容・方法]
 ①エピソード(60文字以内 / お住い・年齢・性別)
 応募フォーム
 http://goo.gl/forms/5CRv00CXyQZfEeoA2

 ②写真(氏名・年齢・住所)
 Email : marukanimages@gmail.com
    (コピペの場合は@を半角小文字にしてください)

[エピソード例]
●兄貴のランドセルを買いに行ったのは、
 北銀の跡地にあった頃の昔のマルカンでした。(秋田県50代女性)
●私の青春。
 花東時代の学校帰りは、女子はあんみつを食べに、
 男子はインベーダーゲームに夢中になってたなぁ。(花巻市50代男性)
●小学校の頃流行っていたミニ四駆の大会に参加したが、
 決勝に行けなく悔し涙を流したのを憶えています(盛岡市30代男性)
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三ノ輪散歩

2016-05-23 | 散歩


いわば江戸前のもりそば。
三ノ輪の砂場本店にて。



壁際にはなぜかこんな本が。
実はこの本、ワタシもいまだに持っている(^^)



都電の駅である三ノ輪橋周辺はバラが満開。



こんな小さなお社にも趣がある。



こんな下町をぶらつく合間には
こんなお茶請けでコーヒーを。
都電パンケーキ(笑)
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お知らせ

2016-05-22 | 文化


明日23日(月)のFM-one(花巻市コミュニティFM)
朝7時からの「まんず787」で、
マルカン思い出写真集
写真およびエピソード募集についてお知らせします。
聴き逃すなっ!!
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ようこそ

2016-05-21 | 生活の風景

初めまして(^^)
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マルカンTシャツ

2016-05-20 | 文化


買った(^^)
元はと言えば、母校の後輩である高校生たちが始めた
マルカンデパート存続を訴える署名活動。
それに応えてOBのひとりが始めたTシャツプロジェクトだ。
オフィシャルなグッズではないものの、良い目的だし、
マルカンソフトのデザインもなかなか秀逸。
手にとってみるとしっかりした素材で着心地も良さそう。



思いがけなかったのは、この絵はがきがオマケだったこと。
ここにはソフトクリームばかりじゃなく
オムハヤシ(花巻市民にはナポリカツよりデフォルト)や
テーブルの上の箸入れ、熱いお茶が入ったポット、
そしていかにも昭和なスタイルのウエイトレスさんも
しっかりイラストで入っている。
嬉しいなぁ(^^) これはお宝でしょ。



マルカンTシャツプロジェクトはまだ続くらしい。
欲しい人は急げっ‼
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まちの形

2016-05-19 | 文化

地図を見るのが得意だ。
初めて訪れる知らない街であっても
ほんの1分ほど地図を眺めれば市街地はだいたい掴める。
あとは地図無しでもひとりでほいほい歩く。
正規ルートじゃない道も、
ショートカットだと感じて歩けばだいたい合ってる。
地下鉄の駅から出る時も「◯◯方面」と書いてあれば
だいたいどのあたりに出るかも見当がつく。
これはもう特技といってもいいかもしれない。

初めて訪れる地方都市は
ざっと地図を見れば街の成り立ちもわかる。
「ははぁ港を中心に発展した街だからこの辺が中心街ね」
とか「昔の宿場町だからここがメインストリートなんだ」
とか、地図に道路しか書いていなくても全体像がほぼわかる。
(わかる人間にとって、なぜわからないのか理解できない 笑)

ただ、とてもわかりやすい街と
理解するのに少々時間がかかる街がある。
その違いの理由が最近わかった。
城下町は必ず城が中心なのでとてもわかりやすい。
逆に城下町じゃなかった街は「街のヘソ」がわからない。
「ヘソ」のない街は理解するのに少々時間がかかる。

例えば今住んでいる花巻市の隣町である北上市。
月に何度か行っているのに、まだよく道がわかっていない。
「ヘソ」がどこなのか理解していないせいだ。
どうしてもよく行く「さくら野デパート」周辺に偏ってしまう。
繁華街や飲屋街などは
「この辺りだったかな・・・」といつもぐるぐる。

たぶん車でしか行かないからだと思うんだけどね。
自分の足で歩いて回れば恐らくすぐに覚えると思うんだけど
なにせ公共交通機関は不便だし、歩いて行ける距離でもないから
つい車を使い、いまだに理解できない状況。
さまざまな街の形にはとても興味があるけれど
それを知るには車に乗っていてはダメなのだろうね。
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Marble Cafeさんでランチ

2016-05-18 | 食べ物・お店
またまたランチのご紹介(笑)



花巻駅前小友ビル2FのMarble Cafeにて
ランチ営業が始まったとの情報に
さっそく行ってみた。
残念ながら男2人の色気無しランチ(笑)
お客様は女性比率がとても高いけどね。

玄米ご飯にてんぷらだけど
新鮮な野菜がとても美味しい。
これはオススメ(^_-)
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ゴーシュさんでランチ

2016-05-17 | 食べ物・お店
土曜日は好天。





気持ちいい風が吹く丘にあるパン屋さん
「粉挽きのゴーシュ」さんでランチをいただいた。



どこか外国に来たような雰囲気。











店内はとてもかわいいインテリア。
壁にかかる絵はこちらのご主人の筆による。
パン作りだけじゃない、多彩な方だ。



この日のランチはホットドッグ。
皮がパリパリで中はもっちりのパンに
新鮮な野菜がとても美味しい。



窓辺のカウンターで、こんなセット。



食後にはコーヒーとドルチェも。

爽やかな天気、
気持ちのいい空間で美味しいランチ。
なんか胸がいっぱいになるほど、
とても幸せな気持ちになる時間を過ごせた。
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