風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

旧制高等学校

2022-02-28 | 文化
何日か前の朝日新聞の片隅に
長野県松本市にあるという旧制高校記念館のことが
コラムとして紹介されていた。
見出しは「自由な気風を育んだ学生ら」。
旧制高校といえば大学予科的な存在でいわば教養課程。
(今の大学には教養課程そのものが無くなったようだが)
学生たちは大学で専門を学ぶ前の教養と語学を身につける。
当時専門を学ぶということは、原書を読む必要があったから。
朴歯の高下駄に弊衣破帽、マントを羽織って高歌放吟、
寮生活の中で酒を飲み、タバコを燻らし、夢を語り、
哲学書を読み、議論を戦わせていたという。
自由を謳歌しつつ、高度な教養や思考を身につけていった。



この本は1978年(私が高校3年の頃)に買った宝物。
後の国のエリートたちの青春群像が描かれている。
とある、数学嫌いの学生が
「文科に数学の時間は不必要だ。
 その分をドイツ語に振り当ててもらいたい」
と校長に直談判した時、当時の校長は
「人生は長い。若い時には無駄だと思うことでもやっておき給え」
とただひと言答えたという。
その簡単な言葉こそ、旧制高校の核心をついていたと思う。

私の母校である岩手県立花巻北高はバンカラの伝統がある。
今でも応援団幹部は弊衣破帽に腰手拭い、高下駄を鳴らして歩く。
私が現役の高校生だった頃は一般生徒もそうだった。
それは「漢と書いておとこと読む」的な硬派ではなく
その頃にはもう歴史上の存在だった旧制高校への憧れからだった。
バカバカしいことも、無駄なことも、先生への直談判もやった。
それが今自分の血肉になっていると感じている。
現代の高校生たちは、旧態依然とした応援歌練習や伝統を
「無駄なこと」として捉えがちと聞いた。
人の人生は効率的では決してない。
うまくレールに乗れたとしても、様々な紆余曲折がある。
その時生きる力となるのは若い頃の「無駄なこと」ではなかろうか。

本書には旧制八高と山形高が掲載されている。
旧制八高はうちの父が浪人してまで目指した学校。
(戦況悪化のために浪人中断念)
山形高は私の伯父が盛岡中から入学した学校だ。
確か亀井勝一郎や神保光太郎と同級で仲がよかったと聞いた。
神保光太郎先生は私が入った大学で、当時教授を務められていて
伯父の紹介で一度お目にかかったことがある。
教科書にも作品が載っていた、有名な詩人に会ったことは
まだ20歳前の私にとっては僥倖だった。
当時もう60代の国会議員と著名な詩人で学者・・・
それでも2人は青春時代そのもののような付き合いのようで
私の旧制高校生たちへの憧れがさらに増した経験だった。

教育に効率は必要ない。
いかに無駄な経験をするか、いかに様々な知識や体験に触れるか。
それによって人格が形成されていく。
かつての旧制高校のようなリベラルアーツを学んだエリートは
保身のための公文書改竄や虚偽答弁などはしないだろう。
現代の諸問題は、教養を身につける時期がなくなったことで
顕著になってきている気がするのは私だけだろうか。
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上根子神楽初舞

2022-02-27 | 神楽・芸能

初披露となった湯立ては
まぁまぁうまくいったかな?
ひっそり、こっそりと言いながら
それなりのお客様をお迎えし
こじんまりとアットホームな初舞ができた。
大きな舞台もいいけれど
こんな感じのご披露も悪くないなぁ。

おいでいただいた方々
ありがとうございました😊
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昨夜見た夢

2022-02-26 | 生活の風景
以前書いた夢の話の続編を見た。


その研修所?をどうやら退所するらしい。
結構長く滞在したのか、あちこちに荷物が散らばっていて
それらをひとつひとつ拾い集めては荷に入れる。
そんな作業を続けているうちに、ここで知り合った人たちに会い
その度に作業の手を休めて挨拶したり立ち話したり。
また作業に戻るけれど、何をやっていたか思い出すのに時間がかかり
なかなか作業が終わらない。
それでもどうやら急ぐ必要はないみたい。
のんびりお茶しながら「あ、このカップも入れなきゃ」と思ったり。
ようやく荷物が出来上がり「それじゃ」と手を振りつつ
何か忘れ物をしている気がして後ろ髪を引かれている・・・
ところで目が覚めた。
あまりに何度も同じシチュエーション(しかも続き物)の夢なので
もしかしたら自分が覚醒している世界の他に
もうひとつ寝ている間の世界があるんじゃないかと思ってしまう。

ふと考えたんだけど
これってもしかしたら人生のメタファー?
生まれてから死ぬまである意味ずーっと研修中なのかも知れない。
ってことは退所が近いのか?
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いつか来た道

2022-02-25 | 世界・平和
隣国ながら同胞が多数住んでいる。
しかも祖国にとって敵対国との間を隔てる場所。
緩衝地帯としてもこの場所を守らないといけない。
ということで、
こちらが攻撃されたというエクスキューズを用いて
大規模な軍を派遣し、攻撃して傀儡国を作る。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まったが
上記のロジックは今回に始まったものではない。
大日本帝国による満州国感覚に至る経緯も
ほぼ今回と重なって見える。
いつか来た道。
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上根子神楽 初舞

2022-02-24 | 神楽・芸能

本来なら円万寺系神楽3団体による合同初舞を
大々的に行う予定だったけれど
このところの状況を鑑みて、単独でひっそりと行うことに。
(「ひっそり」と言いながらここに書いちゃったけど)
26日(土)13時半ごろから熊野神社社務所内で小規模開催。
・・・ということもあり、新演目の練習を兼ねることにした。
上根子神楽としては初めての「湯立て」。
そして最近復活させた「鞍馬」も。
他には「三番叟」と「鳥舞」、「権現舞」の予定。

密を避けるためにあくまでひっそりだが😁
衣装をつけて、幕もセッティングしての神楽となると
見る人がいようが、いまいが、舞う方も真剣。
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「曠原淑女」

2022-02-23 | 世界・平和
「曠原淑女」
 
日ざしがほのかに降ってくれば
またうらぶれの風も吹く
にはとこやぶのうしろから
二人のをんながのぼって来る
けらを着 粗い縄をまとひ
萱草の花のやうにわらひながら
ゆっくりふたりがすすんでくる
その蓋のついた小さな手桶は
今日ははたけへのみ水を入れて来たのだ
今日でない日は青いつるつるの蓴菜を入れ
欠けた朱塗の椀をうかべて
朝のさわやかなうちに町へ売りに来たりもする
鍬を二梃ただしくけらにしばりつけてゐるので
曠原の淑女よ
あなたがたはウクライナの
舞手のやうに見える
 …… 風よたのしいおまへのことばを
     もっとはっきり
     この人たちにもきこえるやうに云ってくれ……
                (宮沢賢治)

この詩を初めて読んだ時にイメージし、憧れたのは
広々とした緑の丘がある、平和で美しいウクライナの景色。
これからもそんなところであって欲しい。
戦火など誰も望まない。
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春よ来い

2022-02-22 | 音楽

 春よ来い 早く来い
 あるきはじめた みいちゃんが
 赤い鼻緒の じょじょはいて
 おんもへ出たいと 待っている

 春よ来い 早く来い
 おうちのまえの 桃の木の
 蕾もみんな ふくらんで
 はよ咲きたいと 待っている
 (作詞:相馬御風、作曲:弘田龍太郎)

大正12年3月に、雑誌「金の鳥」の発表された童謡。
同年同月には私の父が生まれている。
この「みぃちゃん」、
「歩き始めた」ということは満1歳ちょっと。
親父の1学年上ぐらいだから、お元気ならもう100歳だ。

この歌詞の子が「赤い鼻緒のじょじょ」履いている笑顔が
ちょうどこれぐらいの年齢のうちの下の孫に重なって見える。
いつの時代も変わらない、子の成長を願う家族の愛情。
うちの孫が100歳になる頃、
世界は、社会はどんな風になっているだろう。
私はその時もうこの世界にはいないけれど、
笑顔で幸せに暮らしていて欲しいと願う。
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花巻温泉郷の雛まつり

2022-02-21 | 文化


こちらは大沢温泉。
なるほどなぁ、面白い(^^)
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マルカンビル大食堂 営業5周年

2022-02-20 | 社会


あの感動と感激の日から今日で5年。
熱に浮かされたような10ヶ月を経ての営業再開だった。
あの時運営の上町家守舎小友社長は
「10年営業し続ける事業計画を立てている。
 その後どうするかはその時の状況によって検討する。
 まずは10年営業を続けられるよう頑張る」
と言っていた。
もうその半分が過ぎたねぇ。

ここも例に漏れずコロナ禍で厳しい状況だと思うが、
花巻の中心市街地には欠かせないコンテンツ。
あの時のことを思い出しながら、みんなで支えたい。

写真は5年前の今日撮影したもの。
オープニングの早池峰一座が懐かしい。
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岩手県立花巻北高創立90周年記念誌 校了

2022-02-19 | 仕事

母校 岩手県立花巻北高創立90周年記念誌が校了となりました。
長期戦の仕事で、ギリギリのタイミングで間に合いました。

思えばこの10年は、学制改革や校舎新築移転の時と並び、
エポックメイキングとなる時期だったのではないかと思います。
高橋英輝くんによる、本校OB初のオリンピック出場、
マルカン食堂存続を訴えた署名活動、
アメリカアーカンソー数理芸術高(ASMSA)との姉妹校提携、
探究学習から始まった「H×ACT」の取り組み、
コロナ禍での壮行式の対応などなど。
それらをできる限り盛り込んだつもりです。

残念ながら90周年記念式典は行われたものの、
祝賀会は中止となってしまいました。
しかし式典も祝賀会も臨機応変に対応できるよう、
コロナ感染の広がり状況に応じた数パターンの開催方法を用意し
ギリギリ対応で無事式典が実施できたことなど、
実行委員会を形成する同窓会、PTA、学校の取り組みは
苦労があったながら素晴らしかったと思います。

90周年記念誌は、大冊だった80周年記念誌や
大きな節目の記念誌になるであろう100周年とは違い、
基本的には80周年からの10年を記録する簡単なものですが、
かといって単なる10年小史にはしたくなく、
来たる100周年に向け、伝統を振り返る記事を掲載しました。
これまでは先輩からの流れだけで受け継いできた伝統、
過去一度もその定義が明文化されたことはないと思います。
今回、数人のOBの応援団幹部経験者に話をうかがい、
「受け継ぐべき伝統とな何か」についてまとめてみました。
現役生、そしてこれから花巻北高に入学する人たちはもちろんのこと
同校OBの方々にはぜひお読みいただきたいと思います。

90周年記念誌は3月1日発行。
ご注文は同窓会事務局(花巻北高内)まで。
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こんなご時世ですが 2

2022-02-18 | 生活の風景


友人夫婦数組とこっそり。
やっぱり会って話すのは楽しいね。
短い時間だったけど
今度は暖かくなったら外でBBQでも。
友人宅は家も庭も広いから
そんなに密になることはない。
田舎ならではの楽しみ。
手作りアヒージョ美味しかった(^^)
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名字

2022-02-17 | 社会

若い頃、全国的な名字の分布を面白く感じたのは
プロ野球選手の名前からだった。
自分が住む地域にあまりない名字の選手が結構いて
逆に当地では当たり前の名字の選手がいない。
当時野球の強豪といえば関西や中国、四国などの西日本。
南海ホークスには山内という投手が3人もいたのに
当時地元で山内さんという人に会ったことがなかった。
そんなことから、名字には分布があることを知ったのだった。

逆に、当地では当たり前の名字でも
全国的に見ると珍しいものがあることも
東京の大学に入り、全国から集まった友人たちと話して知った。
いろいろ調べて見ると、歴史的な経緯があるようだ。
一昨年から、花巻市湯口地区の郷土史の仕事をしている。
その資料の中に、湯口地区の名字分布図があった。
湯口の歴史を踏まえてそれを見ると
分布に必然性を見出すことができると知ったのだ。
面白い。

例えば、花巻地方は安土桃山時代まで稗貫氏の領地で
もちろん稗貫さんも結構いるのだが
その1番の家人で湯口地区を納めていたのが根子氏。
根子さんはたくさんいる。
どうやら根子さんの3兄弟に領地を分けたらしく
それが今も地名として上根子、中根子、下根子として残る。
根子氏の1番の家臣が平賀氏。
上根子地域の熊堂〜才の神あたりは平賀さんだらけだ。
根子氏からの派生と思われる猫塚さんも普通にいる。
領地内に分家が増えていったんだねぇ。

ということで、花巻地方では
名字を聞くとだいたいどの辺りの出自かわかるのだ。
全国的に珍しいと思われる名字と分布を挙げてみよう。
花巻温泉周辺の湯本地区には富手(とみて)さんがいる。
そこから東へ行くと、宮野目地区には似内(にたない)さん。
北上川を渡り、南に降った矢沢地区(東十二丁目辺り)は
ほとんどが古川さんだ。
湯口では照井さんや久保田さんが結構いる。
豊沢川を渡った南側の太田地区には戸来(へらい)さんが何軒か。
さらに南の笹間地区には本舘さん、古舘さん、猫塚さん。
ちょっと範囲を広げると
石鳥谷には三又さん(ジョーダンズの三又さんも花巻出身)、
花巻の中心市街地には、賢治さんの一族である宮沢さんが多い。
ちなみに、それほど珍しくない名字の分布では
東和地区は菊池さんと小原さんが結構多いし、
(もう少し東の遠野は菊池さんだらけ)
市街地からちょっと西にある石神は阿部さん、
南万丁目は田中さんで、北万丁目は菅原さんが多い。

こういう分布を、県単位、全国単位で見ると
もっと面白いんだろうねぇ。
それに歴史も絡めると、ひとつの学問になりそうだ。
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こんなご時世ですが

2022-02-16 | 生活の風景


サーセン😅
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微かな春の兆し

2022-02-15 | 生活の風景

春は木の根元からやってくる。
こんなささやかな風景に春を探してみたり。
まだまだ最低気温は氷点下2桁の日もあるけれど
心なしか、日差しも変わってきたように思う。

ところで、真っ先に雪や氷が融けるのは
木の根元ばかりじゃない。
下水の暖かさでマンホール周辺がすぐに融ける。
周りの道路が10cmから15cmほどの圧雪になっているので
マンホールのところが穴のようになっていて
車で走っている時に寄せ損ねると
ガッコンと相当なショックになってくる。



これ、なんとかならんかな。
というより、下水の暖かさを道路の融雪に使えないかな。
圧雪はまだいいけれど、
それがアイスバーンになってしまうと厄介だ。
せめて凍る前に融ける技術を望みたい。
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St Valentine's Day

2022-02-14 | 世界・平和

世界中の人たちが
愛と幸福を感じられる日でありますよう。

写真は釜石の恋人の聖地。
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