PTAとか、町内会とか、同窓会とか、社員会とか
営利や損得を目的としない社会的コミュニティがいくつかある。
無きゃ無くてもすぐに困ることがないせいか
最近は「時間がとられて面倒」と敬遠する傾向があると聞く。
でもそれは、それらの目的がわかっていないからだろう。
PTAは家庭と学校が協調するためにある。
子どもたちを伸び伸びと育てたいが、外には危険がたくさんある。
保護者と先生が手を繋ぎ、子供達を守りながら
その輪の中で自由に過ごさせるためにPTAはあると考える。
輪が大きければ大きいほど子どもたちは伸び伸び過ごすことができる。
子どもは家庭だけで、あるいは学校だけで育つものではない。
家庭と学校と地域の三位一体が必要。
それでこそ社会性も身につくというものだ。
PTAは決して行事を行うためにあるわけではないので
参加しやすい活動にしていく努力も必要。
町内会は同じ地域の共通課題を共に解決するためにあるのだが、
地域住民同士の親睦もまた大事な役割だ。
お互いの生活をカバーしあったり、災害時には助けあったり。
実際、東日本大震災時は地域の備蓄力が力を発揮した。
個々人で備蓄しようとするから買い占めや物資不足になる。
ひとりでは対応が大変な状況下で、地域は大事なバッファとなる。
同窓会はひとつの価値観の元で学んだ者たちのコミュニティ。
単なるノスタルジーだけではなく、
母校で学ぶ後代たちへのサポートも大事な役割だ。
自分が学んでいる時には気づかないが
実はその時から影に日向に先輩たちのサポートがある。
卒業してからも、先輩たちの存在はとてもありがたいものだ。
社員会は同じ目的を共有する者たちの集まり。
同窓会同様、目に見えない形で先達からのサポートがある。
そして町内会同様、何か問題が起きた時にカバーし合えるよう
親睦を深めておくことも大切だ。
生産性を上げる作戦とか、コスパ、タイパを考えるより
チームワークの強化の方がよほど業績に結びつく。
会社は売上や利益だけじゃない。
社会に役立つものをチームで生み出せるかどうか。
哲学があって初めて売上や利益につながるものだと思う。
学生時代に友達とダベるとか、仕事の合間に一服するとか、
目的地に行く途中寄り道するとか、仕事と関係ない人と付き合うとか、
「ムダなこと」と切り捨てられる傾向があるけれど、
一見ムダに見えることこそ実は大事なのではなかろうか。
人を機械のように縛り付けることで
現代社会が抱える問題の多くが発生している気がする。