高校時代の花巻は喫茶店だらけだった。
大げさじゃなく市街地30mに1件ぐらいはあったと思う。
さすがにその全ての店に入ったことはないが
一度きりも含めて8割ぐらいの店には行っていたから
そのメニューや値段など、今もよく覚えている。
当時コーヒーの花巻での相場は1杯220円。
たまに250円以上の店があると高い店という印象を持ったものだ。
逆に花巻デパート1階のカフェは120円だったから
小遣いが限られた高校生にとってはありがたい存在だった。
高3の時に流行り始めたスペースインベーダーが置いてあった
喫茶レブロンはコーヒー200円だった気がする。
しかも1面クリアすると1枚コーヒー券がもらえた。
私は当時から(今も)ゲームはしないので
もっぱらゲームするやつに付き合って、コーヒー券をもらう役。
でもレブロンはゲーム目的の客ばかりだったから
あまり行かなかったけどね。
食事メニューの定番はピザトーストとナポリタン。
高校生たちが放課後集まっていた本屋誠山房2階にあった
喫茶サントスのナポリタンにはスープとして味噌汁がついてきた。
ピラフやオムライスなんて洒落たメニューはあったのだろうか。
あまり記憶がない。
店によってはカレーライスがあったかも。
マチココの「サワジンのあったった」にも以前書かれていたが
ピザトーストはあってもピザはどこにも無かった気がする。
飲み物の定番はコーヒーと紅茶の、それぞれホットとアイス。
当時コーヒーは「ホット」という呼び名が一般的だったが
なんかおっさんくさい言い方のような気がして(笑)
ワタシはちゃんと「ホットコーヒー」という言い方をしていた。
年配の女性のお客さんはまだ「お砂糖おいくつ?」と言っていた時代(笑)
ミルクティーを「ミティ」、レモンティーを「レティ」、
アイスレモンティーを「アイミティー」なーんて言い方が
なんか場慣れしている感じがしてカッコいいなと思っていた(^^;
やぶ屋と市役所の間にあった「喫茶とも」は
ココアが美味しかった思い出がある。
他には、忘れちゃならないレモンスカッシュ。
これも略して「レスカ」と言ってたよね。
だからといってオレンジスカッシュを「オスカ」とは言わなかった(笑)
クリームソーダも定番。「クリソ」だったな。
あとはバナナジュース。「バナジュー」と言っていた。
オレンジジュースやレモンジュースなどもよくメニューにはあったけど
カフェラテはもちろん(これはスタバが流行らせた)、
カフェオレやエスプレッソ、カプチーノなんて洒落たものも無かった。
たまにコーヒー専門店を標榜している店には
ウィンナコーヒーという甘いメニューがあったのだが、
知らない人はコーヒーにウィンナソーセージがついてくるものかと(笑)
進学で花巻を離れてからシナモンコーヒーを知ったが
同級生たちに話を聞くと、ついてくるシナモンスティックの使い方がわからず
「食ってみたけど、木みたいだった」という笑い話がいくつか。
高校生の分際ながら、みんなそれぞれ行きつけの店があって
そこに顔を出すと友人たちに会ったものだった。
先輩たちがいる店はちょっと敬遠しつつ、
まだ将来への不安と期待にゆれていた私たちは、
大人であるマスターやママさんといろんな話をしながら
行きつけの店に自分の居場所を見つけていたのかもしれない。