風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「ローカルメディアの仕事術」

2018-11-30 | 読書


先日開催された、花巻シティプロモーションサイト
「まきまき花巻」のオープン編集会議にゲストで来ていただいた
影山裕樹さんの著作。
1コーナーで同じくゲストだった成田希さんも執筆されている。
以前影山さんが書いた「ローカルメディアのつくりかた」が
とても面白く、様々な会社の取り組みが勉強にもなったので
本書もおおいに楽しみだった。

一気読みしての感想。
今自分が取り組んでいる
「花巻まち散歩マガジンMachicoco」の目的、スキームが
ここに書かれていた通り(と言っても考え方ね)で
自分たちの方向性が間違っていなかったとの安心感と共感だ。
もちろん東京の仕事もしているから
マスメディアのビジネスや流通などは理解しているつもりだけど
ローカルメディアの役割や進め方がそれらと違うということが
ちゃんと文章で書いてある。
今まではロジックで考えていたわけではなく
肌感覚で方向性ややり方を模索してきたのだったが
ここまできちんと説明されていると
私の考え方を代弁してもらっているようでとてもうれしい。

紙メディアのMachicocoだけじゃない。
関わっているwebサイト「まきまき花巻」も同様だろう。
かつて会社勤務時代に、
「地域限定スポーツグラフィック誌」に関わっていた。
プライベートでは青森のミニコミ誌にも。
その頃からローカルメディアの面白さというか、
可能性を感じ続けていた。
その漠然とした面白さや可能性についてきちんと説明されている。

第2章の「ローカルメディアの編集術」は
今やっていることのおさらいだが(スタッフの方々にも見せようかな)、
一番興味深かったのは第3章の「メディアの編集からまちの編集へ」。
そう。私もメディアを作ることが目的じゃない。
最終的にはメディアの力をもってまちを編集することだ。
そしてまちの編集のためには、まず「ひとの編集」が必要。
重要ポイントごとにプレーヤーが揃っているか、
そこに住む人々が自分のまちの魅力に気付けているか、
まずはそこからだ。

「Media」という言葉は「Middle」から来ていると聞いたことがある。
「中間」という意味の英語だ。
何かと何かの中間をつなぐもの・・・メディアということになる。
それがモノではなくヒトの場合はメディエーター。
自分の役割はプレーヤーではなくメディエーターなのだろうと思っていた。
(以前勤めていた会社で企業理念を検討したことがある。
 その時決めたのは「Creative Interface」まさしくメディエーターだ)
自分か仕掛けているコトをとにかく継続し
エディエーターとしてプレーヤーとプレーヤーをつなげる仕事
プレーヤーをプロデュースする仕事、
地域と地域をつなげる仕事、
そしてできることなら、過去と未来をつなげる仕事を
これからも手掛けていきたい。



その夜遅くまで飲んで語り合った影山さんと
残念ながらその日のうちにお帰りになった成田さんに感謝。
本にサインももらったよ。
サインをもらうのはもちろんのこと、
求められるのもうれしいことだと私も経験(笑)

「ローカルメディアの仕事術〜ひとと地域をつなぐ8つのメソッド〜」
                   影山裕樹ほか7名:著 学芸出版社
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賃貸住宅の選び方

2018-11-29 | 文化
「幸せボンビーガール」という番組を時々見る。
その中で、高校を卒業し地方から上京してくる女の子たちが
東京での初めての部屋探しを追跡するコーナーがあって
それがなかなか面白い。
「渋谷に歩いて行けるところで、5万円以内」とか
「池袋まで10分ぐらいのマンションで6万円ぐらい」とか
「そりゃ無理だろー」とツッコミ入れながら見たりするのだが
(初めての部屋探しで実態や相場知らないから無理はない)
その彼女たちが物件見ている姿もちょっと興味を惹く。

まず彼女たちが注目するのが建物や部屋の中の色。
男の目から見ると、そんなのは二の次三の次なのだが、
そういうところに注目するところが女の子なのだろうな。
そして玄関先に靴箱があるかどうか、洗濯機置き場があるかどうか。
それはね、女の子は気になるところだろうという想像は働く。
部屋の広さや日差しなどもね。
(私が単身赴任した時は、どうせ暗くなってからしか帰らないからと
 北向きでほとんど日が差さない部屋にしたけど
 若いうちは友達も来るだろうし、そうはいかないよね)

で、個人的に一番不思議に思ったのは
(安い部屋は大抵ユニットバスでトイレが一緒になっているのだが)
必ずバスタブに入り、座ってみて確認するところ。
ある子は、先に見た「シャワー室とトイレが別」という物件を
「やっぱりお風呂は欲しいから」と
バストイレ一緒の部屋の方を選び、やっぱりバスタブを確認していた。
そうかなー。
バスとトイレが一緒だと電源の関係でシャワートイレが使えないし
湯気が充満すると、
ヘタすりゃトイレットペーパーがウェットティッシュに変わる。
そうでなくとも湿気ムンムンの中で用を足すことにもなる。
バスタブあったって、バスタブの外で体洗えないから
結局シャワーだけになっちゃう気がするんだ。

バスタブなしのシャワーだけだったとしても
どうせ夜遅くの帰宅だったり、朝入るとすれば充分。
風呂に浸かりたかったら、たまに銭湯に行けばいいと思う。
バストイレ一緒のバスタブ付き物件と
シャワーだけながらトイレと別な物件との選択なら
私は後者を選ぶけどなぁ。

・・・というのは男だからなのだろうか?
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アルバイト

2018-11-28 | 風屋日記
実は中学生のころ、どうしてもエレキギターが欲しくて
親に黙って新聞配達のアルバイトをしたことがある。
当時野球部だったので「ランニングする」と親には言い、
朝暗いうちから新聞店で束を受け取って配達して回った。
もちろんランニングも合わせて一石二鳥だと思ったのだったが、
2日目にはすぐに見つかり、計画は1日で潰えた。
ちゃんと1日分のアルバイト代はもらったが、
今考えれば新聞店にとっちゃいい迷惑だったよなー(^^;

大学時代、大学そばの商店街のコーヒーショップでアルバイトした。
コーヒーショップを何店舗か経営している方がオーナーで
慣れてくるとその店を全面的に任せてもらい
後輩のアルバイトを2人ばかり使って仕切っていた。
アルバイトくんたちも学生が多かったが
当時流行っていたショットのボマージャンパー着て
カウボーイブーツを履いたりしていた。
それに影響され、私もローンでトニーラマを買ったりしたものだった。
一応コーヒー専門店だったので淹れ方や味にはうるさく、
おかげで今もコーヒー淹れるのだけは得意だ。

そのころから、友人がやっていたビルメンのアルバイトも
誘われるままに時々手伝ってやっていた。
新宿住友ビルの高層階にあった日本IBMの事業所が休みの日曜日
その事務所2フロアにワックスをかける仕事だった。
1チーム4人体制。
モップで洗剤使って水拭きし(時々剥離剤使って隅の方も)
アルバイトを雇う側だったチームトップの人がポリシャーをかける。
その後No.2の人が「かっぱき」と呼ばれるワイパーで
床の洗剤を寄せつつ職人技でちりとりに取っていく。
あとはモップの乾拭きで床を乾かし、今度はワックスをかけていくのだ。
我々アルバイトはもっぱらモップ係。
「おまえモップ使う時の手首の返しが上手いな。天性だな」と
妙な褒められ方をし、「社員にならないか?」と誘われたりした。
濡れ手のモップは手に豆を作ったが、
肉体労働を終えたあとの体の疲れが心地いい。
それを学んだこのアルバイトは、結局卒業するまで不定期で続いた。

大学3年の時、以前アルバイトしていた珈琲店側のカレー屋で
主に皿洗いのアルバイトをした。
賄いつきというのが魅力で、皿洗いだけなら嫌じゃなかったけれど
マスターがせっかちな人で、
混んでくると盛り付けやウエイターもやらされたりした。
盛り付けのやり方やお客様の前への皿の置き方に
慌てふためきながら文句を言われ
数ヶ月でやめてしまったが、カレーは美味しかった。
しかも賄いなのに好きなだけ食べてよく、
若かった私にはそれは魅力だった。

大学3年の冬、大学の同級生に誘われて
新宿の大手デパートのお歳暮梱包&発想のアルバイトをやった。
男は大概防寒服を着せられて、伝票に従って
冷凍室からスモークサーモンやハムなどを出してくる。
包装紙で包む仕事もやったおかげで、これまた今も包装は得意だ。
(ただしプレゼント用の飾りをつけたりするのは苦手)
時々アルバイト集めての飲み会などもやり
某大学の空手部の1年生たちの無謀なアトラクション見たりしたが
結局(当時の私のメンタルが最悪だったこともあり)
担当社員と喧嘩して、途中で辞めてしまった。
今考えてみれば、その社員も
ことあるごとに上から責められてしんどかったんだろうなぁ。

大学4年時には、縁あってテレビ局でADをやった。
アルバイトというより、1年更新の契約社員のような扱いだった。
早朝番組だったので、毎回2人づつ何人かでの交代制だったのだが
早起きが苦じゃない私は途中から志願して毎日入るようになった。
番組に穴を開けないように毎朝車が迎えに来て
時々はその曜日担当の近くに住む女性アナウンサーも同乗。
特に若手はほぼ同年代だったので、会話も楽しかった。
放送後、社食で朝ごはんを食べられることも魅力のひとつで
食費が浮くだけじゃなく、ロケ帰りのディレクターのお土産も嬉しかった。
割とディレクター陣に可愛がってもらった方だと思う。
担当番組ADの通常業務であるスタジオでの生放送のみならず
編集室でのV編集に付き合ったり、たまにロケ同行したりもした。
何を伝えるか、それをどう演出し進行するか、
そんなことを学んだ原体験だったかな。

何を言いたいかというと
どんな仕事でも学べることがあるし、学ぶ人間は重宝されるということ。
そして、どんなことでも無駄なことは何ひとつない、
必ず人生のどこかで役に立つのだということも。
その後ついた仕事からも言えることだけど
寄り道や遠回りの人生は、必ずその分だけ身につくことがある。
学ぶ姿勢さえあれば、人生に無駄なことは何ひとつない。
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もう一度見たいテレビドラマ

2018-11-27 | 映画・芝居・TV
黄色い涙

タイムトラベラー

國語元年

俺たちの旅

プロハンター

ふぞろいの林檎たち

青が散る

しあわせ戦争

東京ラブストーリー

さとうきび畑の唄

新撰組!

真田丸
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「メディアの本分〜雑な器のためのコンセプトノート」

2018-11-26 | 読書


先月参加したトークライブ
本書の発売を記念して行われたものだった。
23日にUPした「ゆるい時代、窮屈な時代」にも通じるけど
本来メディアが持っていた、雑味やゆるさと同時に感じた重さが
現代はすっかり漂白され、綺麗で軽いものとなっている。
メディアだけじゃない、社会全体の風潮とも言えるけれど、
そのことに危機感を持った編者が本書を企画、
作詞家やライター、カメラマン、記者、編集者、デザイナーなどが
それぞれがこれまで向き合ってきたメディアに関し
書き寄せたのが本書。

確かに23日に書いたように危機感は持っているし、
窮屈で、きれい過ぎていてなんとも居心地も悪い社会を感じるけど、
それでも本書を読んでいて
「あ、自分だけじゃないんだ」
「なんだ、みんな自分とそんなに違わないじゃないか」
という妙な(笑)安心感を持ったことも正直に白状しよう。
私もここに登場する方々と同じ世界にいるけれど、
地方に住んでいるせいか、
あるいは5年前まで組織に守られていて、
ひとりで社会に漕ぎだしてからそれほど時間が経っていないからか、
生身で直接自ら感じる現代の風潮の「痛さ」は、
百戦錬磨のこの方々に比べると希薄なのかもしれない。
でもね、ここに至るまでの道や思いは
そんなに違わないんだなぁという読後感を持った。

仲間(と言ってはおこがましいかもしれないけど)がこれだけいる。
そんな安心感かな。
寄らば大樹とか、みんなで渡れば怖くないじゃないよ。
戦うのはひとりひとりなのだから。
でも、「頑張ってるな、自分も頑張ろう」という気にはなる。

そんなこと、本書の趣旨じゃないと思うけどね(笑)
でも地方にいると余計に孤独を感じたりするから
目に見える形でそれぞれの方々の思いを知ると勇気づけられる。
よっしゃ。頑張ろう。

「メディアの本分〜雑な器のためのコンセプトノート」増田幸弘:編 彩流社
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花巻市青少年郷土芸能フェスティバル2018

2018-11-25 | 神楽・芸能




毎年恒例のイベントは今日開催。
今年上根子神楽では小学生達の三番叟ご披露予定だ。

・・・が、今回の一番の目玉は
今年の全国高文連で最優秀賞をとった花巻農業高校の鹿踊りと
かつて同優秀賞を取った北上翔南高校の鬼剣舞。
これらは前にも見たことあるけど、ホントにすごい!
圧倒的な運動量と表現力。
高校生の力はこんなにもすごいのかと驚愕して見た覚えがある。
しかもそれら両方見られるイベントなんてそうは無いだろう。
郷土芸能に興味ない人たちにもぜひ見て欲しいと思うほど
見逃せないイベントだ。
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人と人との繋がりは出会いから

2018-11-24 | 文化
ゲストハウスmeinnは面白い。
夜ふらりと行ってカウンターで福田くんと話していると
あるいは当日宿泊のゲストと話していると
次から次へと宿泊客が混じって話が盛り上がる。
昨夜は「ローカルメディアのつくり方」著者で編集者の
影山裕樹さんと昼間の花巻市のイベントから一緒で
影山さんと宿泊先のmeinnで待ち合わせていた。
先にカウンターで知り合ったのは仙台から来た23歳の女性。
この春就職したばかりで、ぶらりひとり旅とのこと。
その後イベント運営の担当者やその友人、
滋賀県からひとり「奥の細道」をたどる旅途中という
中学校の国語の先生や、お隣紫波町のおじさんが
出たり入ったり話の輪の中に入ってきておおいに盛り上がる。

極め付けは学祭休みを利用して
東京からひとり旅で来たという学生さん。
なんと昨日の昼過ぎに「旅に出よう」と思い立ち
そのまま気が向くまま岩手にやって来たのだという。
花巻のことや仕事のこと、学生生活のことなど話していて
お互いの価値観や考え方、体験などが融合していく。
人と人とが繋がるきっかけの出会いの場
ゲストハウスmeinnの重要な役割だ。
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ゆるい時代、窮屈な時代

2018-11-23 | 世界・平和
私が中学生、高校生だった1970年代ごろ。
高校生はもとより、
普通の中学生もたまには大人の目を盗んで酒を飲んだり
タバコを加えたりしてみていた。
高校生ぐらいになると、さすがにタバコには厳しかったが
先生の家に遊びに行くと「ここだけだぞ」とビールを出された。
学校の帰り道、途中のりんご畑で、
りんごを1個無断で頂戴したところを畑の主に見つかった時には
「しょうがねぇ学生だな」ともう1個くれたりした。
街で多少羽目外し騒いだ時も「他人の迷惑にはなるなよ」と
大人たちは苦笑いで見過ごしてくれた。
文化祭となると準備のために無断で学校に泊まり込み
「帰れ!!」と怒鳴り込んできた先生と
なぜ泊まり込みが必要なのか、なぜ帰らなければならないのか
膝詰めで討論し、結局認めてもらったりもした。
自分の好きな勉強は真剣に取り組んだが
興味が持てないことは宿題すら平気でパスしていた。
受験に失敗してもどこ吹く風で
「オレの実力が発揮されるのはこれからだ」とばかり
無頼な浪人生活を送る者もたくさんいた。
道のどこかでつまづいても、すぐに立ち上がれたし
どこかで道を外れても、また違った道があった。
そんな中でみんなさまざまな経験を積み、生きる力をつけ、
あちこち寄り道しながらも、自分の足で歩んでこの歳になった。

いまの言葉で言えば、ゆるい時代だったのだろう。
「しょうもない時代」だったのかも知れない。
いまと比べると、タバコの吸殻はあちこちに落ちていたし
繁華街には人だけでなくゴミもたくさん散乱していた。
路地は暗く汚かったし、野良犬はいたし、
夜行列車では通路に新聞紙を敷いて寝てる人もいた。
雑多で、テキトーで、ボロくて、ダサくて、
でも人と人との距離が近かった時代。

現代はどうだろうか。
どこもかしこもきれいに整備され、ゴミも落ちていない。
人々はみんな小綺麗な格好で歩いている。
酔っ払いは敬遠され、タバコの煙が少しでも漂っただけで
露骨に嫌な顔をし、避けて通る。
ちょっと人とは違う言動しただけで叩かれ、非難され
息の根が止まるまで徹底的に攻撃される。
みんな鵜の目鷹の目で人と違うことをする人間を識別し
ちょっとでもそこから足を踏み外すと奈落に転落して
元の道に戻ることもできない。
決まった道を歩まない者は敬遠され、蔑まれる。
ほんの少しでもつまづくと、そのまま取り残されていく。
ひとりひとりの人生は生まれた時からレールが決められて
そこから外れないように親たちが慎重に前を歩き
邪魔なものは本人の目に入る前に排除される。
レールを外れた人間のことは誰からも一瞥すらされない。
お互い、レールを外れないように、周りの人間ばかり見ている。

あの頃と比べて、ひとは幸せになったのだろうか。
相互監視による窮屈さ、ひとの揚げ足をとったり腐したり。
全てがシステマチックになった代わりに例外は通らなくなった。
「効率」が美徳の基準にとなって
無駄と思われることはすべて悪と判断される。
他人の目と、歩かなければいけないと強要されるレールとに
息すらできないほどがんじがらめで窮屈な時代。
空気を読んだり忖度できない人間は切り捨てられる。
いま若い人たちに「昭和」が魅力的に写っているのは
もしかしたらあの頃の「ゆるさ」の魅力なのではなかろうか。

先日、TVで山田洋次監督の特集を見た。
「男はつらいよ」シリーズ50作目を作っているという。
その番組での彼の言葉が耳に残っている。
「いま日本人に問われていること。
 僕たちは幸せなのだろうか。
 どう幸せなのか。
 自分の力で他の人たちを幸せにできているのか?」
寅さんはテキトーで、だらしなくて、ゆるくて、
いかにも昭和な人間の典型だけれど
でもその存在が他人に幸せをもたらしている。
だからこそおいちゃんも、おばちゃんも、さくらも
散々迷惑かけられても、振り回されても
毎回寅さんを温かく迎えるのだ。
これぞ無駄の極致。そこに効率なんざありはしない。
山田洋次さんは続ける。
「60年代後半から70年代前半にかけてが
 日本人が一番元気だった時代」
他人に目をかけ、許し、思い合っていた時代。
厳しい他人の目じゃなくて、お天道様の目を気にしていた時代。
それが昭和という時代だったと思うのだ。

今日は全国的に勤労感謝の日だけれど
本来は豊饒の神様に今年の収穫を感謝する日。
宮中では新嘗祭が執り行われるが
上根子熊野神社でも新穀感謝祭が行われる。
自然神に心から感謝を捧げるという考え方もまた
「効率生産」とは真逆の考え方。
こういう謙虚な心こそ、今大切だと思う。
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2018-11-22 | 生活の風景


そろそろ秋というより冬の風情の北国。
10月終わりぐらいから夜はエアコンの暖房つけていたけど
今月に入ってから本格的な暖房(メインはFF石油ファンヒーター)を
日中でも普通につける火が続いていた。
とはいえ、まだここ数日ようやく最低気温が氷点下になったぐらい。
日中も氷点下となるホントの冬になればどうなる?

一番暖かいのは火。
暖炉でも良いけれど、鋳物でできた薪ストーブの暖かさは
鉄を通し、遠赤外線の優しい暖かさだ。
加えてさらなる魅力、火というものは見ていて飽きないのだ。
黙って薪が燃えているところを見ていると
(焚き火もだけど)言葉も何もいらない気がする。
薪ストーブ持ってなくても、キャンプに行った人ならわかると思うが、
火箸持ったまま、つい黙って火を眺めてしまう。

どうしてなんだろうね。
人類にしか使えない火は、ある意味言葉とともに文明の基本。
そんな原始の祖先の意識が働くのだろうか。
眺めている日がだんだん消えていくと寂しい気持ちになるのも
なぜなのか不思議ではある。

薪ストーブを持つのはずーっと前から憧れだけど
細かい部屋割をしている平屋の我が家じゃあまり意味はない。
広いリビングに置いて、2回まで暖気が上がってく造りの家じゃないと
薪ストーブの意味がないんじゃないかなーと思うのだ。
というか、我が家に薪ストーブを置いたら
いつまでも火を見つめていて、どこにも出かけられなくなりそう(^^;

写真はカフェレストラン無ら里さん。
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言語地理学

2018-11-21 | 文化
大学時代、国語学概論で柳田國男の「蝸牛考」を学び
その流れで方言調査のフィールドワークまでやった言語地理学。
方言という学術分野を私に新しく教えてくれたのが
言語地理学という学問であり、手法だった。
かつて日本の中心だった京都から生まれた新しい言葉が
(当時の情報伝達は口から口へ)
全国に徐々に伝播していく過程で
また新しい言葉が京都から生まれていく
各地に残った言葉が方言になっていったという
方言周圏論にめちゃめちゃ面白さを感じたものだった。

しかし、まさかその言語地理学の知識と手法を使って
こんな本が出ていたとは!!





こいつぁ目からウロコ。
自分の仕事の立場から言うと「やられた〜」って感じ(^^;
あまりに見事なやられ方で
悔しさ通り越してもう笑うしかないな。
ネットの注文したから読むのはこれからだけど
この発想、この切り口だけで降参。

高校時代にヒマに任せて
「当地方における罵倒語の一考察」なる論文もどきを書いたことあって
「バカ、アホ、おまえのか〜ちゃんデベソ」について
フィールドワークも参考文献もなく推論を長々とノートに綴ったけど
(「相手の母親がデベソかどうか未確定のまま言い放っているが
  もし仮にデベソではなかった場合、罵倒語として分類して良いのか
  はなはだ疑問ではある」みたいな、ほぼお遊び 笑)
当時は言語学の知識をなにも持ち合わせていなかったから
しょーもない落書きで終わってしまっていた。
そっかー、大学で言語地理学学んだ後でそれを思い出せばよかった(笑)

かほど言語地理学とは面白い学問なのだ。
久しぶりにこの分野の本、読むのが楽しみだ(^^)
おそらく誰も切り込んだことのない分野だからね。
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アルバイト

2018-11-20 | 生活の風景


昨日から、ゲストハウスmeinnのアルバイトで
朝6時から10時までフロントにいまーす。
朝食やコーヒー提供担当してまーす。
朝早いけど、早起きはそんなに苦じゃないし、
なにげに楽しい(^^)

とりあえず今回は22日まで。
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温泉で神楽

2018-11-19 | 神楽・芸能
昨日は小春日和の中
湯口!温泉と郷土芸能フェスタ2018にて神楽ご披露。
小瀬川神楽の鳥舞から始まり
ウチの上根子神楽が三番叟と八幡舞。
そして円万寺神楽の狂言狐とりを挟んで
小瀬川の三韓と、最後は円万寺による権現舞。

実は狐とりを初めて見た。





完璧な訛りと軽妙なアドリブ、間。
それにアクロバティックな動きが入る。
円万寺神楽はベテラン揃いだから、
訛りや間は得意なのだろうけど
それに逆立ちを交えたあの動きはすごい。
どちらかならウチでもできる人間はいそうだけど
両方できる人はそうそういない。
さすが。

ウチは体育会系の若手が体力に物を言わせ(笑)
キレのある大きな動きとスピード感でたくさん拍手をもらった。
歌舞伎のように声をかけてもらうと嬉しいねぇ。





三番叟の後半はバテバテだったけど(笑)
顔の向きの使い方、肩の入れ方、跳ぶ高さなど
なかなかの出来。
八幡舞は、この2人ならではの動きのキレや見せ方。
なかなか良いなぁ。
自画自賛(笑)

優香苑はトロトロのとても良いお湯で温まった。
手足がツルツル(^^)



正面玄関のそばのタヌキくんも良い味出してる。



綺麗な夕焼けを見ながら帰り、
神社の社務所で、前代表を偲ぶ会を兼ねた直会へ。
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太郎狂言

2018-11-18 | 神楽・芸能


我々の神楽(たぶん花巻周辺の神楽全般)の演目には
太鼓、手平鉦、横笛の胴前による神楽お囃子に乗った神舞の他に
道化が入るお楽しみ舞演目と、芝居仕立ての狂言もある。
狂言にも数幕ある中で、ここ20年ほどの間に披露したのは太郎狂言。
ところがこの太郎狂言をできる人たちがほぼ引退状態になり、
そのうちのひとりだった前代表が亡くなってしまった。
演目存亡の危機。

ということで、新メンバーで復活させようと
このたび台本を手に入れた。
素養としてまずは何しろ純粋なズーズー弁が必要だ。
イマドキ岩手っ子でも花巻っ子でもなかなか使うことがない。
練習すればできる舞とは違う、基本的素養が問われる。
しかもほぼセリフ主体なので覚える必要もある。
まるで英語劇(笑)
いや、意味はわかるけれども、
普段話していない言葉は発音や微妙なニュアンスが難しい。
その上でとぼけた味を出さなくてはいけない。
たかが狂言とバカにすることなかれ。
神楽演目の中でも、もしかしたら最難関かもしれない。

20〜30代の若手には、まず言葉が難しかろうと
まもなく還暦2人で挑もうかと思っている。
それでも相当な練習が必要だろうけれど。

第一、見る人たちがわかるのか?
年寄りたちはわかるだろうが、同時通訳の字幕が必要?笑

「すったなごど無がべ。
 いっつもは使わね言葉だべども
 見で、聴いでればやんべにわがるべじゃ。
 岩手以外のス達にぁほでねがも知れねどもな」

今日は円万寺神楽の狂言「狐とり」が演じられる予定。
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湯口!温泉と郷土芸能フェスタ2018

2018-11-17 | 神楽・芸能




明日の予定はコレ。
花巻には神楽をはじめとする郷土芸能が豊富だから
ついなにげなく見過ごしがちになると思うが
実はとても貴重な機会なのだ。

花巻周辺の神楽団体は
大迫〜東和〜花巻東側の矢沢地域を中心に
ユネスコ無形文化遺産&国の重要無形民俗文化財であり
かつて南部藩庇護の早池峰神楽岳流、大償流の神楽団体がたくさんあり、
北上和賀と接する笹間地域には大乗神楽団体があるが
江戸時代の花巻城に庇護されていたという円万寺系神楽団体は
円万寺神楽、小瀬川神楽、我々上根子神楽の3団体しかない。
しかもその3団体共演という機会はこれまでほとんどなかったのだ。
昨年の小瀬川神楽100周年式典が最近では初めてと言っていい。
その3団体が揃い踏みの今回の会は
そういう意味で大変貴重な機会となる。
湯口コミュニティ主宰だが、
湯口地域の方ばかりじゃなく一般参加も大丈夫。
この機会にぜひ円万寺系神楽の魅力を堪能して欲しい。

優香苑の風呂もとてもいい。
花巻市内には10数件の温泉があるけれど
その中でも肌ツルツル効果はダントツでバツグン。
上がった後の手のひらで実感できる。
こちらもオススメ。

なお、上根子神楽は来年150周年記念事業が予定されている。
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まきまき花巻オープン編集会議

2018-11-16 | 世界・平和


花巻市の、市民ライターによるシティプロモーションサイト
まきまき花巻」の新規ライター講座が
既存ライターたちも含めたオープン編集会議として開催される。
観光案内やパンフなどには載っていない
市民目線ならではのコアな情報もたくさんUPされていて
市外からのアクセス数もかなり増えてきているサイト。
よりたくさんの方々に花巻を紹介していただくべく
年3階ほどのペースで新規ライター講座を開催してきたが、
今回は新たな取り組みとして、これまで1度だけ開催された
既存ライターの編集会議も同時開催。
「ローカルメディアの作り方」(学芸出版社)の著者である
影山裕樹さんにもゲストとして来花してもらうので
なんか面白いことになりそうでワクワク。
詳細はまきまき花巻facebookページに記載されている
下記情報より。
まだまだ受付中。

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岩手県花巻市は、2017年3月に花巻の魅力や情報を発信するローカルメディア「まきまき花巻」を立ち上げました。「まきまき花巻」最大の特徴は、花巻市民や花巻市を好きな方々(=市民ライター)によって、記事が執筆され、花巻の魅力が発信されていく点です。単なる観光情報ではない、人の想いとともに発信された花巻の魅力を感じることができます。

これまでに、市民ライターの育成講座や地元の高校生が花巻の魅力を発信する講座などを行い、現在ではライターも約25名ほどになりました。

今回は、まきまき花巻をより活用するための編集会議を行います!ローカルメディアに精通する豪華ゲストから、取材の仕方や表現方法を学べるほか、既存の市民ライターさんとも交流して、まきまき花巻で楽しく活動する方法について話し合うことができます。これから市民ライターになってみたい方のご参加をお待ちしております。

◆これまでの花巻市の取り組み→こちら

イベント概要
日 時:11月23日(金)13:00~17:00
   ※14:00~17:00の予定から変更となりました。
   ※終了後、懇親会予定
場 所:co-ba hanamaki(岩手県花巻市大通り1丁目4−14 小友ビル4F)
受講料:無料
定 員:15名程度
主 催:花巻市
運 営:株式会社ココロマチ(ココロココ編集部)

イベント内容
講座①「ライティング&取材のポイントレクチャー」
・取材ネタの探し方について
・ゲストによる取材の方法レクチャー
・文章の書き方、タイトルのつけ方について

講座②「ローカルメディアの事例紹介と、継続する編集部について」
・ローカルメディアとは何か
・市民ライターになるには?求められるスキルや、地域の魅力を見つける方法
・ローカルメディアの成立事例と、継続して記事をアップするポイント

ローカルメディア WS~まきまきをより良くするには?~
・先輩市民ライター×新規市民ライター交流会
・まきまきをより良くするアイデア ワークショップ

など

講師

・影山 裕樹さん(千十一編集室:代表)
雑誌編集部、出版社勤務後フリーに。著書に『大人が作る秘密基地』(DU BOOKS)、『ローカルメディアのつくりかた』(学芸出版社)。各地の地域プロジェクトにディレクターとして関わる。青山学院女子短期大学非常勤講師、路上観察グループ「新しい骨董」などの活動も。2017年、本づくりからプロジェクトづくりまで幅広く行う千十一編集室をスタート。

・成田希さん(星羊社 )
横浜のふたり出版社、星羊社編集長、兼イラストレーター。出版社勤務、フリーライターを経たのち、2013年、星山健太郎とともに星羊社を立ち上げる。酒場文化や街の歴史、大衆文化を取材した横浜地域本『はま太郎』、『横濱市民酒場グルリと』、出身地である青森の地域本『めご太郎』などを刊行。

申し込み方法
下記リンクから必要事項をご記入ください。
申し込みサイト

お問い合わせ
ココロココ編集部(株式会社ココロマチ内)
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