風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

大学時代の汚れ

2005-04-30 | 風屋日記
高校時代は蓄積の時代だった。
1日2~3冊ペースで本を読み、音楽を聴き、
ひとり喫茶店でコーヒーを飲みながら、
夜中にこっそりウイスキーをあおりながら、
いろんなことを考え、詩を書き、文章を綴った。

大学時代は体験の時代だった。
前半は恋をし、アルバイトに精をだし、
友人達と誰かのアパートに集まっては酒を飲んだ。
一人暮らしの大学生の、ごく一般的な生活だったかも知れない。
高価な買い物もできず、それでもVAN JACKETに憧れ、
カジュアルなトラッドが、その穏やかな生活を表していた。

大学時代後半は波瀾と怒濤の時代だったかも知れない。
地に足のつかない、何となく流された毎日から
泥沼の中でのたうち、足掻く毎日へ。
某マスコミでのアルバイトをきっかけに、
田舎者がいっぱしの都会人や業界人になったつもりになり、
毎週末は六本木で朝まで遊び、
青山のバセット・ウォーカーなどで次々に服を買い込み、
青山キラー通りで買ったバセット・ウォーカーのジーンズ。大切にしていたので今も次男が履いている。
お気楽、極楽な生活を享受した大学3年の後半から4年。
アルバイト先のマスコミ企業の子会社の採用内定の取り消しから、
就職浪人のための大学5年目へ。
取りあえず潜り込んだ制作プロダクションでの過酷な労働と退職。
留年が決まって仕送りがストップされ、1日1食も食えなかった毎日。
そして交通事故。
病院に行く金もなく、部屋でひっくり返っていた数日。
免許の書き換えに行く電車賃がなく、
事故の怪我をおして、足を引きずりながら6kmを歩いて行った日。
食うために様々な仕事を転々とした日々。
AV男優からホストまで面接を受けたものの、
そういう世界の裏側を垣間見て、さらに傷ついたあの日。
結局、卒業と同時に「食うために」都落ちの気分での帰郷。

40も半ばとなって仕事も落ち着き、子ども達も成長した今、
そしてこの田舎での穏やかな、平和な生活に心から感謝している今、
ようやく冷静に当時を振り返られるようになった。
大学時代の、特に後半は、
みっともなく、恥ずかしく、辛く、頭から足の先まで汚れ切っていた。

VANのブレザーの金ボタン
大学時代に買ったVANのフランネル・ブレザーは当時の私の大切な「形見」。
あと1年で大学生になる予定の長男のクローゼットに
今でも大切に保管されている。
何ケ所かの汚れは、まるで私の大学時代の「汚れ」を象徴しているようだ。
その汚れのひとつひとつが、今となっては大切な記憶なのだが、
長男がこれを着て家を出て行く日を夢見て、
そろそろきれいに手入れをしようか。
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独り言

2005-04-29 | 風屋日記
今日は、モグと私のお気に入りの散歩道。
広い草むらの脇を通って、林の中に小道は続いている。
左側はクルミやクヌギの木の林。
椎茸のほだ木組があちこちに点在している。

モグは遠い目をして・・・
って、飛んでる小鳥を目で追い掛けているだけ(笑)
雷と大粒の雨と突風がほんの15分ほど前にあったばかりなのに、
撮影時には青空が顔を覗かせていた。
今日も暖かくなりそう。

  ◇      ◇      ◇      ◇

私は神になりたいとは思わない。
誰かの運命を、本人が知らないうちから知っている辛さ。
仕事上そういう役目・・・といえば聞こえはいいが、
あまり精神衛生上いいものではない。
今日のことを考えて、ここ数日なかなか眠れなかった。

私は神輿にのるタイプの人間ではない。
周囲にはなにかと神輿にのせたがる人達もいるが、
どちらかというとフィクサータイプというか、参謀タイプなのだろう。
でも、それも良し悪しだな・・・と感じた次第。

読んでいる方には意味が分からないと思うが、
世間は休日ということで、pvも少ないと思われ、
今日はちょっと愚痴というか、独り言を書いてみた。
ごめんなさい。

再来年からの「みどりの日」は「昭和の日」になるのかなぁ。
なんかなぁ・・・。
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わかったぞ2

2005-04-28 | 風屋日記
そしてこれは、我が家の庭の水仙。
下の写真の路端にコレが咲いていると思って欲しい。
2つの写真を皆さんの頭の中で合成して見てね(笑)
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わかったぞ1

2005-04-28 | 風屋日記
写真をまともにUPする方法が分かった。
(去年の8月からブログをやっていて、やっと・・・)
ということで、さっそくいつもの朝の散歩コースの写真をUP。
犬のモグと2人だけの静かな20分間。
その日のブログネタを考えるひとときでもある。

奥の林がカッコウやウグイスやキツツキやリスや熊(笑)が住むところ。
手前の花は、路端に咲く水仙だが、
携帯カメラの準備中にモグが踏んづけてしまった(泣)
せっかく構図は完璧だったのに・・・。
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満開

2005-04-27 | 風屋日記
今朝、犬の散歩時にウグイスの初音を聞いた。
2~3週間前からキツツキの一種(よくわからないけど、アカゲラ?)
が木をノックする音も響いていた。
リスも見かけた。
林の中でも最も小さい木をスルスルと登っていった。
昨日まで咲いていなかった、草むらの中の水仙の一群が
今朝は今が盛りと顔を空に向けていた。
気がつくといつのまにか、周囲はイヌノフグリでいっぱいだ。
春が満開。

写真は、盛岡地方裁判所敷地内にある国の天然記念物「石割桜」。
ここにもようやく満開の桜がやってきた。
老木なので、昔ながらの植木屋さんが1年を通して面倒を見ているという。
かつては石を割って伸びる力強さを人々は愛でたのだろうが、
今では石に支えられている感じすらする。
大きく力強いものに支えられて、今年もまたいっぱいに花を咲かせた。
周囲はカメラを構えた観光客や、
近くの県庁などから昼休みがてら花を見にに来た人達でいっぱい。
たくさんの人達に愛されながら、毅然と花を咲かせる、
老木の精一杯の力が満開。

石割桜を見上げる人達の笑顔も満開だったが、
それにしても、観光バスが並んでいる裁判所ってのは
全国でもここだけじゃないかな!?
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2005-04-26 | 風屋日記
新聞の一面に載るような大惨事でも、
地方新聞の片隅に載っているような小さな事故でも、
あるいは、人知れずひっそりと病気で亡くなる場合も、
「死」はそのシチュエーションにかかわらず、
すべからく暴力的で、運命的で、そして絶対的なものだ。

今朝のニュースを見ながら、
4年前に、全国でも90例しかないという難病にかかり、
8歳で亡くなった姪を思い出していた。
「死」は、「おじちゃんとケッコンする」と言ってくれていた
小さくかわいい姪を暴力的に、絶対的に、突然連れて行ってしまった。
その時のことを思い出しつつ、息子を亡くした母親のインタビューを、
「なんて残酷なことを聞くのか」と思いながら見ていた。

姪は、生きていれば今年中学生。
3月に行われた同級生達の小学校の卒業式に、
姪の母親である私の妹が手紙を寄せた。
「朝起きて、夜寝て、ごはんを食べて、TVを見て、
 そんな当たり前の事ができる幸せを
 改めて、とても大切なことと感じて欲しいと思います」
4年経って、妹はまた仕事に家庭に忙しくなり、
表情や生活も以前と同じように見えるが、
あれ以来、その瞳は曇ったままだ。

姪が亡くなった年の9月11日、
ニューヨークでもたくさんの人が亡くなった。
その後アフガニスタンでも、イラクでも、スーダンでも、ソマリアでも
突然の「死」がたくさんあった。
もちろんインドネシアやタイやスリランカや新潟でも。
そして今回。
絶対的に「死」に連れ去られる人の思いはもちろん、
その周囲の瞳が曇る人達の事を考えると、また悲しい。
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blog

2005-04-25 | 風屋日記
今日は腿が筋肉痛・・・。
神楽で舞ったの久しぶりだしなー。
普段は犬の散歩以外、運動らしいことやってないしなー。
近ごろはすっかりオッサン体型になってしまい、
かつてよく聞かれた「何か運動やってらっしゃるんですか?」もとんと聞かれなくなり、
昔の代名詞「体育会系文学青年」も形なしだなぁ。
何より姿勢が悪くなったってのがよくない。
肩から背中にかけてよく凝るし、頚椎のヘルニアで手も痺れるし。
・・・とはいいながら、運動する暇もないなぁ。
せめて会社ではマメに会談の昇り降りしようかな。
今日は筋肉痛で辛いので、明日から(笑)

  ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

最近blogに関する話題をよく見る。
かなりの人達がblogを楽しみ、様々な用途に使われることも多いらしい。
人によっては上手にビジネスに繋げたり、就職活動や採用の場面でも活躍しているという。
私の知人も「HPより更新が楽だから」とblogに切り替えたりしている。
いずれにせよ、自分から気軽に情報発信できるというのはいいことだと思う。

さて、私は何のためにblogを続けているのだろうか。
1月にちょっと休んだものの、昨年8月からかれこれ8ヶ月間、
ほとんど毎日のように更新を続けている。
正直言って、毎日の更新を心掛けるのはかなりエネルギーを要する。
話題はいくらでもあるが、マンネリを避けようと気を使ったり、
自分が勝手に続けているにも関わらず、
コメントをいただいたり、アクセスIPも常に50を越えていると
読んでいただいている方々に気を使ったり・・・。
それでも、今後もできる限り毎日の更新を心掛けようと思っている。

かなり以前話題にしたが、
私がblogを始めたきっかけは、イラク戦争についての意見がきっかけだった。
知人のHPの掲示板に自分の考えを書き込んだら
「様々な考えがあるので、自分の考えのみを主張するのはいかがなものか。
 もしそれを表現したいなら自分でHPを立ち上げたら?」
と諭され、ちょうど流行り始めたblogの流れに乗ったのだった。
政治や国際情勢、経済などという難しいことは私には分からない。
そういう理論をベースに語り、仲間を集めようとも思わない。
ただそういう難しいことが分からない私が純粋に疑問に思ったり、
抵抗を感じたりしたことを挙げてみようと思っただけだ。

・色んな理由で争いとなるが、犠牲者はなぜ死ななければならないのか。
・そもそも普通に生活している人達を殺すことがなぜ「正義」なのか。
・ひとりひとりの人間同士は国籍を越えて仲良くなれるのに、
 国同士になるとどうしてその交流は「駆け引き」になってしまうのか。
・どうして「兵器も持たず、戦争をしません」という憲法をわざわざ変えるのか。
・世界中の子ども達が笑顔で暮らせる世界は、なぜいつまで経ってもできないのか。

最近で言えば、
・じっくり考える力をつけることが目的だった「ゆとり教育」から
 なぜまた「知識暗記型教育」にもどさなければならないのか。
 (じっくり考える人間が育っては困る?)
・現中山文科相は「競争原理の中で、頑張れば自分が幸せになれる制度に戻す」と言うが、
 その「幸せ」って何なのだろうか。
などなど・・・。

自己満足で、マスターベーションのようなblogだが、
文章修行も兼ねて、これからも単純に思ったことを書いて続けていこうと思う。
ちょっとでも「そうだよなぁ」と思ってくれる人達が増えることを願って。
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神楽奉納

2005-04-24 | 風屋日記
中根子地蔵堂での奉納終了。
結局式六番と天王舞、権現舞だけで、鐘巻はなし。
だいたい鐘巻まで舞う力が残っていなかった。
久しぶりの舞いで疲労困憊。
つくづく体力の衰えを感じた。
腿と膝がもたないんだもの・・・(悲
おまけに、約1年振りで忘れたところがあって
ちょこちょこ間違えたし。

終了後はみんな直会へ行ったけど、疲れた私はすぐ帰宅。
夕食後、今までガンガン寝てしまった_| ̄|○
ということで、明日は早いし、また寝ます。
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2005-04-23 | 風屋日記
今朝あちこち走り回った時には見つけられなかった。
昼過ぎになってようやくチョボチョボ咲いているのを発見。
恐らく今日開いたんだね。
明日は暖かくなるらしいから、多少増えるかな!?

明日の昼は英会話教室の花見。
午後3時からは桜の下での神楽。
どちらも桜の花は欠かせないけど、ぎりぎりセーフかな。
どっちにしても風がなくて暖かければOK。
休日の方が忙しいなぁ・・・(笑)

町の花「こぶし」も街路樹がきれいに咲いている花巻より。
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野球小僧たち

2005-04-22 | 風屋日記
うちの息子達は床屋いらず。
なにしろ野球部なのでボウズ頭、買ってある電動バリカンで事足りる。
私もバリカンでのボウズ頭づくりのウデが上がった(笑)

昨夜帰宅したら、2人でお互い頭を刈り合っており、
先に5厘になった兄貴が弟の頭を刈っている。
刈り上がった頭を撫でながら次男の一言「やっぱスキンにすっかなぁ」
それから2人で洗面所へ行き、長男がシェービングクリームと剃刀を持ち出した。
居間で聞いていると
「ちょっと待ったぁ!!」「ウルセー、動くな!!」とけたたましい(笑)
なーんだ、図体はデカく、ゴツくなったとはいいながら、
まだ小さくてからまって遊んでいた頃と何も変わってないじゃないか(笑)
「父さん、どう?」「おー、似合うじゃん。ダイヤのピアスつければ清原だ」
などとおバカな会話を交わす親子であった。

まだ1年坊主の次男は当然朝が早い。
先輩達より先に行き、グランド整備とライン引きがあるからだ。
それでも憧れの高校球児になったということで、嬉々として出掛けていく。
志望校へ入れたことも併せ、毎日楽しくて楽しくて仕方がない様子。
先日の練習試合時も、当然ベンチにも入れず得点係だったが、
それでも何だか楽しそう。
絶えずニコニコしながら、ピンチになると私の顔を見て、
口の動きだけで「(ヤバイね)」とまたニコニコ。
見ているこっちまでなんだか楽しくなってくる。

長男はレギュラーを狙う3年生なので朝が早い。
同じ内野で同じクラスのヤツと自主朝練をしているのだとか。
「朝マックじゃなくて、朝ノックなんだよ」とかなんとか言いながら
「I'm lovin' it.」とつぶやきながら出掛けていく。
思わずニガ笑い。
野球部仲間には、走り方がトカゲの様だと「ガラパゴス」と名付けられたヤツや、
塁に出るだけでアトラクションになってしまうヤツ(走塁がドタバタなので)に
「ヘイ!! ディズニー、ディズニー!!」と声をかけたり、
話を聞いているだけでこっちまで腹をかかえることが多い。
ひとつひとつのエピソードはくだらないけど、楽しそうでうらやましい。

人間は効率だけで生きているのではない。
時間を有効に使って勉強時間に回せば、それなりの結果も出せるのだろうが、
特にこの若い時には無駄な時間も必要だ。
バカバカしいことを大真面目に取り組むことで、人間的に巾ができる。
なーんて小難しいことより、「毎日楽しい」ってことが1番だよね。

  ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

今朝、向いの庭の桜の木に1輪咲いた花を見つけた。
盛岡の石割桜がほころんだ記事も朝刊に載っていた。
いよいよ開花。
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今日の朝日朝刊より

2005-04-21 | 風屋日記
社会面にしばらく連載が続いていた
「若年性アルツハイマー」にまつわる2組の夫婦のルポが今朝終わった。
連れ合いがそういう病と判明した後の、
残された側の驚愕と絶望とあせりと忍耐と孤独な日々。
読む者の想像を遥かに超える辛い生活が、いつ果てるともなく続くのだろう。
・・・が、他人として読む気楽さからだろうか。
ひとつ考え方の壁を越えた後の、この2組の夫婦を微笑ましく感じるのは。
特に今日の最終回は(無責任ながら)これからの未来すら感じた。
桜の木の下で微笑み、となりのグループと言葉を交わす夫婦、
電車の中で、結婚前と同じようにそっと寄り添いあう夫婦。
不覚にも鼻の奥がツンとした。

  ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

週刊誌というのは売れてナンボの世界だということはよく知っている。
売れれば売れる程、販売収入と広告収入のダブル効果があることも。
だからといって、最近の刺激的な見出しを並べた広告はどうか・・・と思う。
今朝でいえば週刊新潮の「中国の反日デモを扇動したのは朝日新聞」という見出し。
日本の何倍も大きく、何倍もの人口の中国国内世論が
隣国とはいいながら他国の1メディアの報道で動くものだろうか。
朝日新聞を取っている者という立場を離れ、客観的に感じたこととして、
(以前の「北朝鮮を支援している朝日新聞」という見出しも含めて)
どこからどう見ても、単なるいわれもない「朝日新聞バッシング」にしか見えない。
マスコミ各社は、口では「報道の自由」を言い立てるが、お互いにその「自由」を攻撃し、
挙げ句刺激的な見出しで衆目を集めることにより、却って自分達の首を絞めている。

今朝の週刊新潮の広告見出しで一番頭に来たのは「皇太子后自殺を危惧」みたいなヤツ。
皇族の人権をなんだと思っているのか。
仮の話として、もしも本当にそういう心配があるとしてもそっとしておくべきだろう。
自分の身内についてそう書かれたらどんな気持ちになるだろうか。
自分がされたくないことを他人にするな・・・と言いたい。
あの見出しそのものに、生理的な嫌悪感すら感じる。

  ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

時折ここでも取り上げている、評論家加藤周一の「夕陽妄語」。
今日の話は例え話の皮肉だが、読んでいて目からウロコ。なるほどねぇ・・・。

日本は東アジアの隣国達に背を向け、孤高を保つアメリカに盲従することで、
アジアの中でも、世界的にも孤立化の道を歩んでいる。
大変心配されつつある状況だが、加藤氏は別の見方があると教えてくれている。
受動的に、状況的に、ネガティヴに表現すれば「孤立」になるが、
主観的に、積極的に、ポジティヴに表現すると「鎖国」である。
日本とアメリカはともに「グローバリズム」という鎖国政策をとろうとしている。
突出した兵力を持つアメリカと一緒なら武力で攻めてくる国も無かろう。
守ってくれる国内米軍には金も出している。
基地の騒音が問題ならば沖縄に押し付けちゃえばいい。
アメリカに協力するために憲法改正を押し付けられているが、
国内世論には「現憲法も押し付けだったし」と説明すれば分かった積もりになるだろう。

加藤氏は、そう考えれば自民党や小泉首相の施策が「理解できる」と皮肉る。
もちろんこの場合の「理解できる」は「I agree with their opinions」ではなく
「I think that I was able to understand the meaning that they say」でしょ。
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花の春

2005-04-20 | 風屋日記
昨日のメインテーマは「花巻のJAZZ」だったのだが、
前フリのつもりだった「岩手山」に対するコメントをたくさんいただいた(笑)
もちろん昨日の岩手山の写真はどうしても撮ってUPしたかったし、
私自身岩手山に対する思い入れも強いので、もちろんOK。
こんなことならメインテーマも岩手山1本にすればよかった(悔)

さて今朝の犬の散歩時、近所の家の紅梅が咲いているのを発見。
水仙もあちらこちらで咲いているのを見かけるし、
りんご畑の花のつぼみもかわいいピンク色になってきたし、
当地にもようやく花の春が来た。

桜はあとちょっとのところで足踏み。
開花直前には木全体が赤みがかって見えるものだが、
今朝通勤時に桜の木のそばを通ってみたら、もう少しかかりそう。
日曜の花見までに間に合うのだろうか。
今日は肌寒く、午後から冷たい雨なのだが・・・。
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音楽は文化

2005-04-19 | 風屋日記
今朝犬の散歩時に、田起こしをしているトラクターをみかけた。
桜は50kmほど南の水沢市まで来ている。
今朝の岩手山は青空を背景に浮き出た輪郭を現し、
巌鷲山という別名の元となった山頂近くの雪形の鷲がくっきりと翼を拡げている。

  ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

私の住む町は、実はJAZZが盛んなところ。
かつては「岩手にベイシーを呼ぶ会」の中心メンバーたちもいたし、
「花巻リズムヤンガー」というアマチュアビッグバンドも県内最長の歴史を刻む。
以前話題にしたJAZZ喫茶「エル・グレコ」のような店が、
こんな小さな町にあったというのもそういう風土がなせる技だし、
昨日の読売新聞の地域版に載った
 「花巻市で小中学生対象のジャズバンド「花巻ジュニア・スウィング・
  オーケストラ(HJSO)」(浅野昌吾代表)が設立された。」
というニュースのHJSO代表もこれまた以前話題にした喫茶「ぐがーん」のマスターだ。
浅野さんはイーハトーブアートステーション(IAS)代表として
宮沢賢治記念館そばの昔の蔵を改造した場所で活動しており、
ここで時折プロのライブやアートイベントを行っている。

昔、日本のフュージョンの旗手と言われていたネイティブ・サンが来花したのも、
ピアノの本田竹廣が岩手県は宮古市の出身ということもあるのだろうが、
やはりこういう土地だからこそだと思う。
何しろまだあまり名前が知られていなかったネイティブ・サンなのに
文化会館が結構満席になる程チケットが売れたのだから。
若かった私も当然聴きに行った。
サックスの峰康介がなかなかカッコよかった記憶が残っている。

しかし最近は浅野さんの尽力も力及ばず、
文化的ランドマークたる喫茶店やLIVEハウスもなく、
5月にやってくる綾戸智絵さんも北上止まりで花巻まではやって来ない。
私が高校時代に、この町全体に漂っていた文化の香りとサブ・カルチャーの風は
今では町のあちらこちらで、せいぜい草木を揺らす程度にしか吹いていない。
それでもアマチュアながらJAZZピアニストとして県内では有名な歯科医の0さんや
ボランティアで市内の学校を回り、
子ども達にJAZZ体験をさせている花巻リズム・ヤンガーの面々、
その他にもFolk musicやBluesなどのアマチュアミュージシャン、バンドなど、
仕事を持ちながらもそれぞれ努力しながら活動を続けている。
浅野さんのHJSOも「よくぞ、立ち上げていただいた」という気分。
みんな頑張っているなぁ。
できればもっとたくさんの人達に、こういう活動を知って欲しいと思うけど。

当地でも昔ながらの商店街の空洞化が問題になっている。
半年に1度くらいのペースでいいから、
いくつかの空き店鋪を使って、
「アマチュア・ライブ・フェスティバル」みたいなものを企画すれば、
それなりに人も集まると思うんだけどなぁ・・・。
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握手

2005-04-18 | 風屋日記
インドのシン首相と、パキスタンのムシャラフ大統領が歴史的な握手をした。
両国はカシミール地方の領有権を巡って、印パ戦争をはじめとして長いこと争ってきた。
数年前には核開発競争も世界的な問題となり、
もしかしたら世界初の核戦争はインド・パキスタン間か? とまで言われた。
お互いに、政府首脳を含む多数の犠牲者も出しており、
その主張とは全く関係ないところでも、怨念が暴力の循環を招いていた。

今回の握手はお互いに自分達の痛みを乗り越え、
自分達のことだけではなく、相手や周囲、世界のことを考えた結果として、
ようやく、しかし輝かしく握手が実現したものだ。
かつての故ラビン・イスラエル前首相と故アラファト・PLO前議長の握手の時と同じくらい、
とても感動的で、歴史的な瞬間だ。
これからの話し合いもタフなものになるだろうが、
決して焦らず、どんなに時間をかけてもいい。
握手の後の話し合いなら大丈夫。未来は明るい。

国と国も、人と人も、お互いのコミュニケーションにおいて最も大切なのは、
自分の痛みばかりを主張するのではなく、
相手の痛みを考え、相手の立場を慮ることによって歩み寄ることだ。
ブッシュやシャロン、プーチンのような力によるコミュニケーションなどあり得ない。
どれだけ相手を信頼でき、感情を共有できるかが肝要だから。
自らを反省しつつ相手の痛みを推し量り、感情を共有し、信頼してはじめて
お互いの主張について意見を戦わすことができるんじゃないか?
国と国との関係を人と人に置き換えてみると、駆け引きは真のコミュニケーションじゃない。

さて、中国における反日デモ。
群集心理による暴力行為を、黙って見過ごす中国の公安当局のやり方は間違っている。
あの事態をニュース映像で見る限り、法治国家における秩序ある社会とはいえない。
しかし原因が日本政府にあるのもまた確かなこと。
自らを反省することなく、相手だけに謝罪と賠償を求める言動は
ますます中国国民感情を逆なでするだけだ。

小泉首相の発言から
「靖国参拝も新しい教科書記載の自虐的ではない日本の歴史的も、
 基本的には日本古来の独自の文化と歴史だ」
それでは朝鮮半島において、朝鮮古来の独自の文化と歴史を
戦時中に変えさせようとしたのは誰なのか?
「過去よりも未来思考でものを考えて欲しい」
自分達だけ過去の「日本古来の独自の文化と歴史」にしがみつき、
相手にだけ「未来思考」を押し付ける考え方で中国の人達は納得するだろうか。
先の戦争で犠牲者を出したのは日本だけではない。
それどころか、相手の文化を取り上げたり、氏姓を否定したり、
あるいは健康体で生きている人を生きたまま人体実験に使ったり、
更に悲惨な大勢の犠牲者の歴史が彼の国々にはあるのだ。
それでも彼の国々は、現代の日本の文化を受け入れてくれ、
日本の資本や経済を受け入れてくれている。

今こそ「お互いに」歩み寄るべき時だ。
中国との関係も、韓国との関係も、そして北朝鮮との関係も。
シンとムシャラフのように。
ラビンとアラファトのように。
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ライブ

2005-04-17 | 風屋日記
昨夜は知人のバンドのライブへ。
ギター、ベース、パーカッションの3人編成に
ピアノのサポートメンバーが入っている。
Folk blues系を中心にオリジナルも含め、
色んなジャンルの曲が楽しめる。
・・・が、私の好みなのかもしれないが、
ちょっとBluesっぽいというか、ソウルフルなバラードが一番似合う気がする。
昨夜は(昨夜も?)「Georgia on my mind」が秀逸。
自らもJazzライブを行っているピアノと
ビッグバンドでも活躍中のベースのアドリブがよく効いていて、
ソウルフルなボーカルが映える。
もちろんパーカッション&女性ボーカルの癒し系の声もいい。

彼らの演奏を聴いていると
「やっぱ女性コーラス(or 女性ボーカルに男性コーラス)いいよなぁ」
と思ってしまう。
かつてのクラプトンバンドのイヴォンヌ・エリマンやマーシー・レヴィが理想。
ばっちり決まると、とてもソウルフルだよね。

それとベース&パーカッション。
リズムセクションがあるとなしとでは曲の雰囲気が全く違う。
私らはギター2本とピアノの3名。
うーむ、そのうち考えてみようか・・・。
やたら人が増えそうだけど(笑)
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