高校時代は蓄積の時代だった。
1日2~3冊ペースで本を読み、音楽を聴き、
ひとり喫茶店でコーヒーを飲みながら、
夜中にこっそりウイスキーをあおりながら、
いろんなことを考え、詩を書き、文章を綴った。
大学時代は体験の時代だった。
前半は恋をし、アルバイトに精をだし、
友人達と誰かのアパートに集まっては酒を飲んだ。
一人暮らしの大学生の、ごく一般的な生活だったかも知れない。
高価な買い物もできず、それでもVAN JACKETに憧れ、
カジュアルなトラッドが、その穏やかな生活を表していた。
大学時代後半は波瀾と怒濤の時代だったかも知れない。
地に足のつかない、何となく流された毎日から
泥沼の中でのたうち、足掻く毎日へ。
某マスコミでのアルバイトをきっかけに、
田舎者がいっぱしの都会人や業界人になったつもりになり、
毎週末は六本木で朝まで遊び、
青山のバセット・ウォーカーなどで次々に服を買い込み、
お気楽、極楽な生活を享受した大学3年の後半から4年。
アルバイト先のマスコミ企業の子会社の採用内定の取り消しから、
就職浪人のための大学5年目へ。
取りあえず潜り込んだ制作プロダクションでの過酷な労働と退職。
留年が決まって仕送りがストップされ、1日1食も食えなかった毎日。
そして交通事故。
病院に行く金もなく、部屋でひっくり返っていた数日。
免許の書き換えに行く電車賃がなく、
事故の怪我をおして、足を引きずりながら6kmを歩いて行った日。
食うために様々な仕事を転々とした日々。
AV男優からホストまで面接を受けたものの、
そういう世界の裏側を垣間見て、さらに傷ついたあの日。
結局、卒業と同時に「食うために」都落ちの気分での帰郷。
40も半ばとなって仕事も落ち着き、子ども達も成長した今、
そしてこの田舎での穏やかな、平和な生活に心から感謝している今、
ようやく冷静に当時を振り返られるようになった。
大学時代の、特に後半は、
みっともなく、恥ずかしく、辛く、頭から足の先まで汚れ切っていた。
大学時代に買ったVANのフランネル・ブレザーは当時の私の大切な「形見」。
あと1年で大学生になる予定の長男のクローゼットに
今でも大切に保管されている。
何ケ所かの汚れは、まるで私の大学時代の「汚れ」を象徴しているようだ。
その汚れのひとつひとつが、今となっては大切な記憶なのだが、
長男がこれを着て家を出て行く日を夢見て、
そろそろきれいに手入れをしようか。
1日2~3冊ペースで本を読み、音楽を聴き、
ひとり喫茶店でコーヒーを飲みながら、
夜中にこっそりウイスキーをあおりながら、
いろんなことを考え、詩を書き、文章を綴った。
大学時代は体験の時代だった。
前半は恋をし、アルバイトに精をだし、
友人達と誰かのアパートに集まっては酒を飲んだ。
一人暮らしの大学生の、ごく一般的な生活だったかも知れない。
高価な買い物もできず、それでもVAN JACKETに憧れ、
カジュアルなトラッドが、その穏やかな生活を表していた。
大学時代後半は波瀾と怒濤の時代だったかも知れない。
地に足のつかない、何となく流された毎日から
泥沼の中でのたうち、足掻く毎日へ。
某マスコミでのアルバイトをきっかけに、
田舎者がいっぱしの都会人や業界人になったつもりになり、
毎週末は六本木で朝まで遊び、
青山のバセット・ウォーカーなどで次々に服を買い込み、
お気楽、極楽な生活を享受した大学3年の後半から4年。
アルバイト先のマスコミ企業の子会社の採用内定の取り消しから、
就職浪人のための大学5年目へ。
取りあえず潜り込んだ制作プロダクションでの過酷な労働と退職。
留年が決まって仕送りがストップされ、1日1食も食えなかった毎日。
そして交通事故。
病院に行く金もなく、部屋でひっくり返っていた数日。
免許の書き換えに行く電車賃がなく、
事故の怪我をおして、足を引きずりながら6kmを歩いて行った日。
食うために様々な仕事を転々とした日々。
AV男優からホストまで面接を受けたものの、
そういう世界の裏側を垣間見て、さらに傷ついたあの日。
結局、卒業と同時に「食うために」都落ちの気分での帰郷。
40も半ばとなって仕事も落ち着き、子ども達も成長した今、
そしてこの田舎での穏やかな、平和な生活に心から感謝している今、
ようやく冷静に当時を振り返られるようになった。
大学時代の、特に後半は、
みっともなく、恥ずかしく、辛く、頭から足の先まで汚れ切っていた。
大学時代に買ったVANのフランネル・ブレザーは当時の私の大切な「形見」。
あと1年で大学生になる予定の長男のクローゼットに
今でも大切に保管されている。
何ケ所かの汚れは、まるで私の大学時代の「汚れ」を象徴しているようだ。
その汚れのひとつひとつが、今となっては大切な記憶なのだが、
長男がこれを着て家を出て行く日を夢見て、
そろそろきれいに手入れをしようか。