「イラクの人たちの1日も早い平和を願っています」
のひと言に泣けた。
首を落とされた自分の息子のことだけで心の中は精一杯のはずなのに、
なぜ他の国の人達のことを思いやれるんだろう。
犠牲になった彼を非難し続けた人達は、このひと言をどう聞いたのだろう。
「暗いニュースがあいつぐのに、世の中どこかおかしいという声は一向に聞こえてこない。
そんな話よりオリンピックで金メダルをとった記事を読みたがる。
おそらく人は、自分の暮しに不満があり、将来への不安を抱えていると、
いやな話など聞きたくないのだ」
今は大学の講議も行っている赤川次郎は、大衆の薄ら寒い楽観さの裏を洞察している。
ポジティブなのではなく、現実から逃げているのだ。
そして、逃げない人達に対して、群集の後ろから石を投げることになる。
「自分勝手なことをして、オレたちを巻き込むな」と。
「新渡戸稲造はじめ、明治になって唱えられた武士道はみなニセモノだと言う。
本物の武士道は、負け戦で大将が死ねば、額から縦に切りつけ、
小便をかけ踏みつけて顔の皮を剥ぐといった、血みどろの作法だった。
敵に首実検をさせないためだ。
こんな武士道がどう変形して、国民道徳としての明治武士道が成立したのか」
社会学者の橋爪大三郎さんが、講談社現代新書の「武士道の逆襲」を書評に取り上げていた。
死を美学化することは、死という存在の絶対性によって透明に美しく感じる。
・・・が、しかし想像してみてほしい。
「死」とは「生命」が「物」と化すことだ。
ドラマや映画のような美しい死などあり得ない。
自らの命に手をかけようとする人達や、
自分の命を盾に、国を守ることに美意識をもつ人達に言いたい。
死は美しいものではない。
そして命は何ものにも代えられない、最も美しいものなのだ。
のひと言に泣けた。
首を落とされた自分の息子のことだけで心の中は精一杯のはずなのに、
なぜ他の国の人達のことを思いやれるんだろう。
犠牲になった彼を非難し続けた人達は、このひと言をどう聞いたのだろう。
「暗いニュースがあいつぐのに、世の中どこかおかしいという声は一向に聞こえてこない。
そんな話よりオリンピックで金メダルをとった記事を読みたがる。
おそらく人は、自分の暮しに不満があり、将来への不安を抱えていると、
いやな話など聞きたくないのだ」
今は大学の講議も行っている赤川次郎は、大衆の薄ら寒い楽観さの裏を洞察している。
ポジティブなのではなく、現実から逃げているのだ。
そして、逃げない人達に対して、群集の後ろから石を投げることになる。
「自分勝手なことをして、オレたちを巻き込むな」と。
「新渡戸稲造はじめ、明治になって唱えられた武士道はみなニセモノだと言う。
本物の武士道は、負け戦で大将が死ねば、額から縦に切りつけ、
小便をかけ踏みつけて顔の皮を剥ぐといった、血みどろの作法だった。
敵に首実検をさせないためだ。
こんな武士道がどう変形して、国民道徳としての明治武士道が成立したのか」
社会学者の橋爪大三郎さんが、講談社現代新書の「武士道の逆襲」を書評に取り上げていた。
死を美学化することは、死という存在の絶対性によって透明に美しく感じる。
・・・が、しかし想像してみてほしい。
「死」とは「生命」が「物」と化すことだ。
ドラマや映画のような美しい死などあり得ない。
自らの命に手をかけようとする人達や、
自分の命を盾に、国を守ることに美意識をもつ人達に言いたい。
死は美しいものではない。
そして命は何ものにも代えられない、最も美しいものなのだ。