風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

新聞

2023-11-30 | 社会
自宅では岩手日報を、家族は毎日新聞を
そして事務所がある実家では朝日新聞を購読している。
毎日新聞は以前じっくり読んでいたが
正直言ってかなり中身が薄くなってきたので
今では1面の見出しを確認する程度。
岩手日報と朝日新聞は隅から隅までじっくりと読む。

岩手日報はもちろん地元岩手の情報が多く
例えば金融機関や教員、役所の異動などもわかるし
各自治体の議会の動きや企業の取り組み、
そして大事な慶弔情報、社会的な事件、事象がわかる。
世界的な情報も、日本全国の情報も
共同通信の配信記事が実に詳しくて必要充分。

朝日新聞はもちろん全国紙なので
岩手や東北の情報が全国的にはどういう扱いなのか
どう認識されているのか俯瞰して見るのにとても役に立つ。
リベラルな視点での政治や社会も理解しやすい。
だから2面〜4面や、企画記事がとても興味深い。
子どもの頃から読んでいるので馴染みも深い。

でもね、最近気づいたことがある。
盛岡総局担当の「岩手版」のページには
毎日大抵大きく3つの記事が載っているのだが
岩手の記事はその中でひとつだけ。
あとのふたつは東北の他県のニュースなのだ。
全国紙はどこも販売部数大幅減に悩まされている。
盛岡総局も恐らく記者数が減っているのだろう。
毎日新聞も社員記者ではなく
契約ライターを雇っているようだったし、
朝日新聞もそうなのかもしれない。
でもさぁ、全国ニュースや情報が遜色なければ
より地元情報が厚いローカル紙選択になるよねぇ。

毎日新聞、朝日新聞を見ていてもうひとつ気づいたこと。
どうも記事の締め切る時間が早まっているのではないかと思う。
わかりやすいのは選挙結果や前夜の野球の試合結果。
以前はよほど接戦だった時を除き
ちゃんと翌朝には結果が掲載されていたと思うんだけど
最近は途中経過のみで、結果は翌日に回されがちだ。
それもまた経費節減のあおりなのだろうか。
いかに「タイムリーな情報は電波かweb」とはいいつつ
新聞もある程度の即時報性を持って欲しい。

印刷業界からコンテンツを制作する立場となり
メディアについてはそれなりに自分なりの考えを持った。
電波も紙媒体も、昔のような中央からのバラマキはもう遺物。
人々はwebで双方向の情報のやり取りや地方からの発信を知った。
電波や紙の生きる道はどこかについて
もう一度じっくり考える必要があると思うんだ。
その解のひとつが「ローカル」なんじゃないかと思っている。
雑誌も放送局も、そして新聞も
ローカル情報をいかに生活に直結させてきっちり伝えるか。
いかにそれを深掘りできるか。
大事なのは経費削減じゃなくてそこじゃないのかなぁ。
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「小さなトロールと大きな洪水」

2023-11-29 | 読書

フィンランドの作家&画家のトーベ・ヤンソンによる
ムーミンシリーズの、実は最初の物語がこれ。
1945年にたった48ページの小冊子として出版されたものの
本屋さんに置いてもらえず、新聞スタンドなどで売られたとのこと。
そういう経緯もあって2作目の「ムーミン谷の彗星」が
シリーズ1作目と思われてきたのだそうだ。
そして3作目が「たのしいムーミン一家」となる。

子どもの頃からムーミンが好きだった。
でも好きだったのはアニメの可愛らしいムーミンではない。
どこか不思議で神秘的でおどろおどろしい、
暗い森とムーミン谷の物語に魅了されたのだ。
アニメに通じる可愛い物語は
「たのしいムーミン一家」あたりからになるだろうか。
その変遷について、今回の読書と解説などを読んで
「そうだったのか」と得心した。

「小さなトロールと大きな洪水」の出版は1945年だから
書かれたのは恐らく第二次世界大戦中。
「ムーミン谷の彗星」が発表されたのは1946年だから
これもまた戦時中か、戦後だとしても直後に書かれたものだろう。
ムーミントロールとママが、行方不明のパパを探す旅の中で
たくさんの生き物が家をなくしたり、命からがら逃げたり
ムーミンたち自身も命の危険からやっとの思いで脱したりした末
ようやくパパを見つける「大きな洪水」は
まさしく一般の市民の戦時下での姿だ。
命の危機を伴う災害の物語である「彗星」もまた
突如として空からやってくる脅威の物語。
彗星はもしかしたら核兵器のメタファーなのかもしれない。
戦後処理の中で、当時の世界は東西冷戦前夜だった。

そして「たのしいムーミン一家」は1948年の発表。
もうムーミンたちを命の危機は襲わない。
明日が今日より明るいものとして描かれたりしている。
とはいえ、棲む森や谷は相変わらずおどろおどろしい雰囲気。
現代社会からは無くなってしまった「闇」がそこにある。
「闇」は見えないからこそ想像力につながる。
ムーミントロールの物語の魅力はそこにあるんだろうなぁ。

ところで、本書を改めて読んで気づいたけど
トロールたちってイメージよりはるかに小さかったんだね😅
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日常

2023-11-28 | 生活の風景
昔、「日常」という詩を書いた。
新聞に掲載されたりしたと思ったな。
そこそこの年齢になって自覚し始めたことを
川の流れをメタファーに書いたものだった。
あれから20年以上は経ったろうか。
川底に沈みゆくものはどんどん増えている。
それらひとつひとつに知らん顔して通り過ぎるには
少し歳をとり過ぎたようだ。
とはいえ、覗き込むことしかできない
自分の無力さをますます強く感じるこの頃。



「日常」

透き通った川が 静かに流れている

流れに乗るのはうまかったはずだ
若い頃は 足下をよく確かめもせず
流れを縫って泳いでいた

近ごろは
時おり底の方へ沈んでいく
何やら重そうなものが やたら気になり
水をかき分け
ひとつひとつ覗き込んでみるけれど
何かが見つかったためしはない

そんな私を残して
川は変わらず 静かに流れ続けている
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社会的メッセージ

2023-11-27 | 世界・平和

サザンオールスターズの桑田佳祐さんと
松任谷由実さんのコラボシングル発売が発表された。
反戦や人と人との対話を訴える曲とのこと。

世界では芸能人やミュージシャンが
ごく普通に社会的メッセージを発信している。
しかし日本においては
そういうことに対する批判が多く
残念ながら口にする人たちが少なく感じる。
発信力も、影響力も、共感力も持っている彼らが
社会に対してそれぞれの考えを口にするって
とても大事なことだと思うんだ。
政治家でも、利害関係のある実業家でもない彼らは
ある意味一般市民の代弁者とも言える。
もちろんいろんな意見があって然るべきだから
もっとたくさんの人たちの声を聴きたい。
それができて初めて
健全な社会と言えるのではなかろうか。
でないと、言論統制されるどこかの国と同じだ。

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2023-11-26 | 生活の風景

冬が来た
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2023-11-25 | 神楽・芸能

一昨日の新穀感謝祭(新嘗祭)は
神社社殿、拝殿修復のために社務所にて神事。
いつもならボチボチ寒さに震えながらの神楽拍子も
社務所の中は暖かくてよかった。
例年通り、神田で収穫した餅米で作った餅をいただく。
田植え祭や稲刈り祭で活躍した子どもたちも
今年からは直会に参加して餅を頬張った。
神田の餅、元旦祭後の餅まきにも使われることになる。
今年中の神社、神楽の予定は12月12日の山の神講。
今年1年収穫を司った山の神を山へと見送る神事となる。
その後、舞納めを経て大晦日の年越し。
あっという間に今年も終わる。
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「遠野物語」

2023-11-24 | 音楽
私が高校1年だったのは1976年。
その当時の、岩手県の高校生たちにとっては
最も心の思い出の扉を開ける曲なのではなかろうか。
それともウチの高校だけかな。
あんべさんのサビを歌う切ない声が
まだ青かった我々に青春の苦味を教えてくれた気がする。
世間的にはマイナーな曲かもだけど、名曲だよね。

あれから50年経って、高校時代を過ごしたあのまちは
今はどこにも残ってはいない。

 ♪あのまちに帰りたい あの頃をやり直したい♪

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勤労感謝の日

2023-11-23 | 神楽・芸能
今日は毎年恒例
熊野神社での新穀感謝祭。
この日が来ると、もう今年も残り少ない。
ちょっと焦る。
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「滴る音をかぞえて」

2023-11-22 | 読書

詩人と知り合ったのは2005年。
ネットを通じてだった。
繊細な言葉を選んでブログを書いている人に興味を持った。
東京出張時や、その後の単身赴任時に何度か会っては
当時の彼女が抱えた複雑な境遇の話を聞き、
思想や思考、詩などの文芸作品について共感し合った。
とはいえ、その頃の彼女は不安定な立ち位置にあり、
どこか保護者のような気持ちもあった。
その後彼女は仕事を得、よき伴侶とともにいる。
最後に会ったのは東京にいた頃だったから10年以上前かな。

その彼女が詩集「あらゆる日も夜も」を出したのは2018年。
どうやら私のことも思い出してくれたらしく
思いがけず1冊送ってもらったのだが、
その詩集で第29回日本詩人クラブ新人賞を受賞した由。
すでに母となっていたが、以前と変わらない敏感な感受性。
繊細で、どこか危うさすら内包する言葉たち。

そして今回2冊目の詩集を出したとのことで、
また送ってもらった。
今度は新たな命を生み出した輝きでいっぱいだった。
そして育っていく子への慈愛の目。
いい人生を送れているな。
良かった😊

「滴る音をかぞえて」川井麻希:著 土曜美術社出版販売

 
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VLG.STRP.

2023-11-21 | 食べ物・お店

前から気になっていた店に勇気を振り絞って😅入店。
初めての店に入るのに、いつもは楽しみの方が強いワタシが
なぜかここだけはちょっとドキドキした。
以前1度店の前まで行ったんだけど、
やはり入りにくくて、別の店に行ったことがある。
店構えはそんなに悪くないし、ランチメニューも書いてあるのに
何が違うんだろうね。



入ってみれば、店内は普通のカフェって感じ。
3人ほどのスタッフがいた。


壁は自由帳的な落書きモード。
実はこのちょっと前にテレビのローカル番組で
この店をルポしたアナウンサーがこの壁のことも話していて
それでもう1度入店チャレンジしてみようと思ったんだよねー。


で、ランチは煮込みハンバーグを。
普通に美味しい。
副菜を1品減らしてもいいから
ハンバーグがもう少し大きく柔らかければ言うことない。

でもね、いつもなら店の人と言葉を交わすんだけど、
なんかとても話しかけにくい雰囲気。
というか、この日はひとりで行ったんだけど
誰かと一緒だったとしても、会話するのが憚られる雰囲気。
自分以外にカップル客がいたけど
やっぱり会話は途切れ途切れでコソコソって感じだった。
なんだろうね、これは。
何がそうさせるんだろうね。
不思議だ。
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訃報

2023-11-20 | 音楽
高橋幸宏さん
燕真由美さん(はワタシと同い歳)
鮎川誠さん
坂本龍一さん
谷村新司さん
もんたよしのりさん
大橋純子さん
ロビー・ロバートソン
トニー・ベネット
アストラッド・ジルベルト
ボビー・コールドウェル
バート・バカラック
ジェフ・ベック

今年は忘れられない年になったなぁ。
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「言語の本質〜ことばはどう生まれ、進化したか」

2023-11-19 | 読書

コレ、意外に面白かったわけですよ。
もっと堅苦しくて学問的なのかなーと思っていたら
あまりこれまで触れられてこなかったアプローチで腑に落ちる。
主にオノマトペを切り口に、様々な実験も。
例えば割と前半の導入的に書かれていた実験結果。


このふたつの絵に「マルマ」と「タケテ」という名前の
どちらがイメージに合うかの実験だったが
丸い形と尖った形を音の印象に置き換えてみると
どんな言語を話している人たちでも似た傾向を示すとか
すごく面白い。
こういう切り口からだんだんその論旨が進む。
「へぇー」という言葉ががちょくちょく口から出てくる。

ところで、本文中に例として取り上げられる言語が
パスタサ・ケチュア語(南米)とかバスク語(スペイン)とか
カンベラ語(インドネシア)、バヤ語(中央アフリカ)、
ルバ語(コンゴ)、ニュルニュル語(西オーストラリア)とか
とてもマニアックなものが取り上げられていて萌える😁
言語名もまるでオノマトペみたい。

ということで、実はまだ読んでいる最中。
ちょっと仕事が混んでいて、なかなか進まないんだけどね😅

「言語の本質〜ことばはどう生まれ、進化したか」
今井むつみ・秋田喜美:著 中公新書


 
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学生支援 エールシステム

2023-11-18 | 社会





いま花巻では
大学生、高校生たちがそれぞれコミュニティや団体を作り
自分たちが過ごしやすいまち、賑やかなまち、楽しいまちを作るべく
自ら考え、自ら仕組みを作り、自ら行動する活動を行っている。
そのひとつである「エールシステム」が
以前の試験実施を経、よりブラッシュアップされて本格スタートした。
(支援する大人向けの)内容は上記を見てもらえればと思う。
現在エールシステムに協力しているのは
①Lit work place
②花巻食堂
③ふるるBASE (ゲストハウスmeinn) の3か所。

上記「大人向け」の他に、利用する側の学生向け説明書や
現段階で利用できる店の紹介も自分たちのインスタグラムで紹介中。
新図書館建設場所に関する市への提言や
花巻のまちを知る活動、未来の花巻に向けた活動など
やらされているのではなく、自らアクティブに活動するZ世代を
心から応援したい。
10年先、30年先の花巻を作っていくのは彼らだから。

主宰する高校生中心の団体「はなふーぷ」のインスタグラムは下記。

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爽やか

2023-11-17 | 生活の風景


昨日は小春日和。
早池峰山のてっぺんもちょいと白い。
空が高く、空気が澄んで山々が近く見えるね。


盛岡市内では岩手山もくっきり。
並ぶ雫石スキー場や秋田駒ヶ岳もよく見えた。
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Pastel & Pallete

2023-11-16 | 音楽

実は密かにバンド始めてました。
女性ボーカル&コーラス2人組をバンド5人が支えます。
初お目見えは今夏のイーハトーブ音楽祭。
そして今週末は北上さくらホール20周年イベント
「なんでもパフォーマンス」へ。
とはいえ、実は今週末は7人のメンバー中3人が都合つかず。
仕方なくギターとベースは助っ人に入ってもらい、
鍵盤は女性ボーカル2人組のうちのひとりに弾き語りを強要😆
なんとか格好をつけられそうです。
助っ人2人は皆さんよくご存知のアノ方々。
よろしければ応援においでください。

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