風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「無伴奏」

2020-03-31 | 映画・芝居・TV

一時、小池真理子さんの作品ばかり読んでいた時期がある。
若い頃に直木賞受賞作品「恋」を読んだが
その後しばらくして、1970年前後が舞台の作品を中心に
文庫本を片端から読み漁った。
ストーリーや耽美な文体もさることながら
自分が学生時代だった頃もまだ大学や社会に残っていた
1970年頃の残滓をもう一度感じたかったからかも知れない。
無伴奏は小池さんの半自伝作品と言われるが
こんな衝撃的なことが本当にあったことなのかどうかはわからない。
それでも主人公の女子高校生が
1969年の小池さんに思えてしかたなかった。

映画化されていたことは知っていたが
劇場公開時は見逃してしまっていた。
例によって、自宅にこもる週末、Netflixで鑑賞。
せっかく背景や風景が当時を忠実に再現し、
なおかつストーリーも原作をスポイルすることなく
忠実に映像化していて面白かったのだが
少し残念だったのは中心となる3人の俳優陣がぎこちなかったこと。
若い俳優さんたちが演じていたが、彼らは当時のことを知らない。
当時の若者が持っていたアンニュイやニヒルさは
仏頂面するだけでは表現できない。
もっと深いところで彼らは悩み、虚無を抱えていたはず。
若いからこその青い悩みは、今の若者にはイメージできないかも。
それでも悪い映画ではなかった。
自分の学生時代を思い出し、胸キュンする作品だった。
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空港ピアノ・駅ピアノ

2020-03-30 | 映画・芝居・TV

以前、好きなテレビ番組として
「ドキュメント72時間」をここで挙げた。


その延長線上で「空港ピアノ・駅ピアノ」もある。
誰でも弾けるピアノを、空港や駅に置き
そこに来てピアノを弾く人たちの演奏と人生を切り取る。
人を見かけで判断するつもりはないのだが
「え?この人がこんな演奏するの?」「え?この人ピアノ弾くの?」
という人たちがたくさん出てくる。
プロのような演奏をする人も、たどたどしい人も
みんな楽しそうにピアノを弾いていて「いいなぁ」と思う。
それと同時に音楽のある公共空間っていいなぁとも。

それぞれの人たちの人生が簡潔に、
それでいて深く紹介されるのもとても興味深い。
ピアノとの関わり、今の仕事、何を思って弾いているのか。
こんな、普通の人々の生活を垣間見る番組が好きだ。
世界はこういう人たちでできている。
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「あの頃恋人と別れてひとりぼっちで聴いた曲」

2020-03-29 | 音楽

中高年の心を鷲掴みにする見出し(笑)
こういうキャッチーなコピーはとても勉強になる(笑)

私が果たして「あの頃恋人と別れてひとりぼっちで聴いた」かどうか
その辺はご想像にお任せするとして(^^;
年月が経っても自分の心の中で色あせることがないアルバム
(あるいはセピア色の思い出になっているアルバム?)
はいくつかある。

大学時代、いろいろあってユーミンはよく聴いていたし
一番思い出に残っているアルバムは「悲しいほどお天気」だが、
「ひとりで聴いた」となると「昨晩お会いしましょう」。



1981年11月の発売。
後から知ったけど、アレンジャーは杉真理さんだったんだねぇ。

そして、これは高校時代から聴いていたけど
マル・ウォルドロンの「レフトアローン」


亡きビリー・ホリディに捧げたアルバムだ。
マルの心情が心にしみてくるが・・・今聴くと暗い(^^;

最後はグローヴァー・ワシントンJrの「ワインライト」。


バックのアーティストがすごい。
今も時々聴いている名盤。
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「私は彼らを見棄てはしません」

2020-03-28 | 世界・平和
昨日の朝日新聞「折々のことば」より。
ドイツの文化メディア担当相のことばだそうだ。
「文化は時代が好調な時にだけ許される贅沢品ではない。
  それを欠く生活がいかに味気ないかを
  私たちは今、目のあたりにしている」
この苦境の時代に芸術を大切に思い、その補償を考える。
これこそが本当の為政者のスタンスだ。

国とは単なる人の集まり。
そこに国境の線引きをしているのは法的勝手に過ぎない。
国を国たらしめるのは何か。
「民族」ではなく、文化や価値観だ。
文化を大切にしない国は、国としての存在意義を失う。
今この大変な時に第一に考えなければならないのは
国を形作っている「人」であり、「文化」だろう。
決して和牛生産者や漁業関係者、観光業関係者ばかりではない。

「緊急経済対応」と言いながら
どうも政策や方針が右往左往していると感じる。
為政者が自らの支持者への対応ばかり考えるのは
単に税金で票を買っているにすぎない。
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桜餅

2020-03-27 | 生活の風景

ここんとこニュースや新聞は別な話題でもちきりだけど、
例年なら桜前線の進み具合がニュースになっているはず。
友人、知人のSNSを見ると、首都圏は満開だそうだ。
岩手も今年は早いよね。
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たまには手書き文字

2020-03-26 | 生活の風景

どんなに世の中が騒がしくとも
ちゃんと春は来る 花は咲く
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Machicoco便り vol.65

2020-03-25 | マチココ
先日、4月10日発行予定の19号の「光太郎レシピ」撮影を
高村山荘内で行いました。
套屋内に入ったのは初めてでした。
改めて、こんな小屋(しかも套屋無しで)に7年も暮らした
光太郎の心の中に想いを馳せることができました。
しんしんと雪が降る冬の夜、隙間風が吹き込む、
ランプだけの暗い小屋の中で、何を思いながら過ごしたのか。
獣たちの声を聞きながら、頭の中を去来するものは何だったのか。
そんな中、当時としてはハイカラな料理を自分で作る光太郎。
ぜひご覧いただき、当時を想像してみてください。
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「さよならの手口」

2020-03-24 | 読書

時々「タレントでいうとどんな女性がタイプですか?」と聞かれる。
あるいは「女性タレントで好きな人は?」とか。
そんなに真剣にドラマやバラエティーは見ないから
こういう質問はホントに返答に困ることになる。
それに次から次へと新しい役者さんやタレントが生まれてきて
元来あまり顔を覚えられないのに、名前すら満足にわからない。
若い人が覚えられないから、歳相応に鶴田真由さんや田中裕子さんなど
「好みの女性」というより演技が好きな人を挙げていた。
しかしこのところ、
役者でドラマーのシシド・カフカさんが気になりはじめた。

NHKでシシドさんが主役の「葉村晶」ドラマをやっていた。
全て見たわけではないけれど、彼女いいね。
フェミニンではなくクールでニヒル、それでいてデキる。
素の人となりはわからないけれど、
ドラマーとして見ていてもまさにそんな感じの人だ。
「葉村晶」はまさにハマり役じゃないかな。
ってことで、そのシリーズの原作1冊を買って読んでみた。
なるほど主人公とシシドさんのイメージがぴったりだ。

若竹七海さんの本は初めて読んだけど
(ってか普段ミステリーはほとんど読まない)
なかなか重層的なストーリーで意外性もある。
わざとらしい伏線もなく、あとから「そうだったのか」とわかる感じ。
ただし、主人公の推理力は常人離れしていて
こんな人と話をしたら心の中を全て読まれてしまいそう(^^;
かっこいいけどね。

それにしても、コロナウイルスのおかげで本が読めるなぁ(笑)
もうしばらくコロナ禍が続きそうなので、
面白かったからもう数冊読んでみようかな。

「さよならの手口」若竹七海:著 文春文庫
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お知らせ

2020-03-23 | 文化
4月1日付けで「有限責任事業組合 machi R&E」を設立します。
本日登記手続きを行ってきます。
「R&E」は「Reletions & Expressions」の略。
まちに「人と人との繋がり」を創り、まちを「表現」します。

地域のクリエイターをチーム化し、より強固な体制にすることにより
「人と人との繋がり」「まちを表現」するための
プロモーション企画、メディア制作、イベント運営などを担う団体として
花巻においてはフィルムコミッション的な活動も行います。

Machicocoのネットワークの構築や
昨年候補法人認定された花巻DMOとも連携できればと考えています。
「人と人をつなぐ」「まちとまちをつなぐ」担い手でありたい。
そんな思いから有限責任事業組合 machi R&E を立ち上げます。
メンバー4人への応援よろしくお願いします。
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盛岡八幡宮

2020-03-22 | 散歩

30年ほど盛岡で仕事をしていたにも関わらず
実はここには初めて行った。
すごいねー。
広さ、社殿の大きさもさることながら
鳥居から八幡町、肴町へずーと続く門前の1本道。
かつてはこの通りの向こうに盛岡城の天守閣が見えたのだとか。
盛岡の人たちにとってはごく当たり前の風景かもだけど
このストリートビューだけでもちゃんと観光コンテンツだと思う。
誇っていいと思うんだ。
ごく当たり前に風景にこそ、そのまちの魅力が詰まってる。
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「桜雲台」

2020-03-21 | 文化

岩手県立花巻北高同窓会報の編集長になってかれこれ15年。
中学校のPTA会長を終えたばかりのころ、
当時母校の教員だった同級生から「同窓会報の編集手伝え」の連絡。
「PTA会長も、市PTA連合会副会長も終わったからいいよ」
と簡単に考えて安請け合いしたら「○日の同窓会役員会に来い」と。
「お、さっそく取材しろってか?」とおっとり刀で出かけた。
議事が進むのを、その同級生のとなりで見ていたら、突然議長から
「それでは新たに同窓会報編集長をお願いする方を紹介します」
とこちらに視線が飛んできた。
「え?」と戸惑う私に「いいから挨拶してこい」という同級生。
まだ状況をつかめずに、同級生の顔と議長の顔を交互に見ながら
ノロノロ立ち上がろうとすると、そこに議長の追い討ちが。
「なお、編集長は規定により同窓会副会長を兼務していただきます」
「は???どーゆーこと?」
と隣の同級生に小声で聞いたら、帰ってきた返事が
「世の中そういうもんだ。いいから早く行って挨拶してこい」
何を話したのか全く覚えていないのだが
いずれにせよ、それから15年間続けてきた。

始めたばかりの頃はまだ会社勤務だったから
まぁ同窓会に対するボランティアで良かったのだが、
今はまさに編集を生業とするフリーランス。
「本職だから、もうボランティアってわけにはいかないんだけどなぁ」
とブツブツ呟きながらも毎年1度の発行を続けている。
(もちろん請け負っている印刷会社の後輩のサポートあってのこと)
いろんな先輩たちや後輩たちの活躍が見られるし
すごい人たちにも取材で会ったりもできるし
それなりには楽しませてもらっている。
昔からのやり方を少しずつ変えてきたりしたしね。

さて、今年の五輪にも、
後輩である高橋英輝くんが20km競歩の日本代表に決まった。
彼には岩手大学時代に取材に行ったことがある。
雪の中、黙々と歩く姿を写真に撮り、いろいろ話も聞いた。
そんな彼が五輪に出るってのがとても嬉しい。
(彼はリオに続き、2度目の代表だけど)
できれば札幌まで行って応援したいけど、
果たしてこの状況下、開催できるのかなー(^^;
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春分の日

2020-03-20 | 生活の風景

クロッカスが咲いた。
今年は暖冬で早くから暖かかったけど、
カレンダー上ももう春だね。
いつのまにか白鳥の声も聞かなくなったし。
今年に関してはもうタイヤ交換してもいいかな。
下の写真はちょっと前の、霜が降った日のバッケ(ふきのとう)。


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私的2020年阪神タイガースオーダー

2020-03-19 | スポーツ
反論必至、異論噴出の独断提案。
糸井を4番で使ってみない?
相手の立場に立ってみて考えると
こんなオーダーは嫌だろうなぁと思うのだ。

1 北条 SS
2 近本 CF
3 大山 1B
4 糸井 RF
5 マルテ 3B
6 糸原 4B
7 サンズ(中谷) LF
8 梅野 C

(代打陣)
陽川・上本・中谷・江越
福留・高山・木浪・島田・熊谷
植田

(先発投手)
西勇・ガンケル・藤浪・青柳・高橋・岩貞・(中田)・(秋山)

(中継ぎ投手)
守屋・浜地・藤川・桑原・才木・(馬場)・(小野)・(望月)
島本・岩崎・能見・(ガルシ)・(スアレス)・(岩田)

(抑え)
エドワーズ

若手では井上・遠藤・西純・藤谷に期待。
中谷にもひと皮剥けて欲しい。
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古民家カフェ「kobiru」

2020-03-18 | 食べ物・お店


北上の夏油温泉へ向かう道すがら
こんなカフェを見つけた。
周囲の里山風景に溶け込んでいて、なんかいい感じ。




手作り感満載の店内も好感が持てる。
置いてある雑誌はソーシャル系のものばかり。
なかなか手に取ることがないものもあり、
オーダーが来るまで手当たり次第ページをめくってみた。
勉強になるなぁ。


スパイシーチキンカレーと


ドリンクはホットのリンゴジュース。


観光案内所も兼ねているらしい。



隣にあった、かなり古そうな小さいお社にも興味あり。
神仏混淆の神社だねぇ。
江戸時代の年号が刻まれた墓石も並んでいて
歴史を感じる場所だった。
考えてみればこのあたりは岩崎城下、
和賀氏が勢力を保っていたところだもんね。
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春の花

2020-03-17 | 生活の風景

卒業式縮小開催(または中止)で
全国の花屋さんも今大変な状況のようだ。
少しでもそれをカバーしようと
「ホワイトデーに花を」というキャンペーンが
先週呼びかけられていた。
まぁホワイトデーって歳ではないけれど
そしてこの程度じゃ何の足しにもならないと思うけど
少しでもその意図に沿ってみようかと、春の花。
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