入試が始まり、教室には悲喜こもごも。
早くも合格を勝ち取った者は、信じられないといった表情で、
現実の感触を確かめるように飛び込んでくる。
共に苦労を分かち合った身、
しかも今年の中3は4年越しの付き合いだったりもするので、
感無量で何も言えなくなる。
惜しくも望む結果を得られなかった者は、まるで気にしてない風を装って、
無理に明るく振る舞おうとする。
だけどその眼は決して笑っていない。
ショックでないはずがないのだ。
自分が一番辛いはずなのに、
開口一番、「先生、ごめんね」と切り出す者もあり、
痛々しいまでに健気なその姿に、何も言えなくなる。
どちらにしても、言葉に詰まってしまう。
それでも、言葉を紡ぐのが俺の仕事だ。
ひとりひとり、その時もっとも欲しているであろう言葉を、
時にゆっくりと、時にあっさりと、
心を込めて贈っている。
辛いときもあるけれど、
衒いもなく、素直で直向きな彼らと、
正面から向き合えるこの時期は、嫌いじゃない。
なんとか、すべてを最後には良い形にしてあげたいと心から思う。
大したことは出来ないけれど、
俺は最後の最後まで応援しているぞ。
それにしても。
まだ帰れない我が身の上にも閉口してしまう。
明日…てか今日は朝から会議だというのに。
あまりに膨大な仕事量。
やっぱり、何も言えなくなるのであった。
早くも合格を勝ち取った者は、信じられないといった表情で、
現実の感触を確かめるように飛び込んでくる。
共に苦労を分かち合った身、
しかも今年の中3は4年越しの付き合いだったりもするので、
感無量で何も言えなくなる。
惜しくも望む結果を得られなかった者は、まるで気にしてない風を装って、
無理に明るく振る舞おうとする。
だけどその眼は決して笑っていない。
ショックでないはずがないのだ。
自分が一番辛いはずなのに、
開口一番、「先生、ごめんね」と切り出す者もあり、
痛々しいまでに健気なその姿に、何も言えなくなる。
どちらにしても、言葉に詰まってしまう。
それでも、言葉を紡ぐのが俺の仕事だ。
ひとりひとり、その時もっとも欲しているであろう言葉を、
時にゆっくりと、時にあっさりと、
心を込めて贈っている。
辛いときもあるけれど、
衒いもなく、素直で直向きな彼らと、
正面から向き合えるこの時期は、嫌いじゃない。
なんとか、すべてを最後には良い形にしてあげたいと心から思う。
大したことは出来ないけれど、
俺は最後の最後まで応援しているぞ。
それにしても。
まだ帰れない我が身の上にも閉口してしまう。
明日…てか今日は朝から会議だというのに。
あまりに膨大な仕事量。
やっぱり、何も言えなくなるのであった。