いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

痛くない歯医者

2003-05-08 03:32:11 | いぶたろう日記クラシック
嵐のような2ヶ月だった。
3月中旬のツアーから始まって、signalの急ピッチ制作とレコーディング、
すぐにまた大きなイベントライブ、終わるとまたレコーディング。
気がつけばスギ花粉の時期も過ぎ、はやGWも終わってしまった。
よーやくここに来てひと息つけている。

生まれて初めての歯医者なんかも行ってみたりして。
俺は恥ずかしながらこの年まで歯医者に行ったことがないのだ。
小さい頃から不思議と虫歯が無く、そのせいで歯が痛くなってもこれが虫歯だとは思わず、
これはきっとちくびかびん…じゃない、「ちかくかびん」だと決めつけて、
日々うららかな陽射しの下でダンシングエブリデイだったわけだ。
が、その間にも病魔は俺の口の中を侵していった訳ですなこれ。
幼い頃より脳裏に焼き付けられた虫歯の絵、すなわち矢印の形した角としっぽの生えてる、
ダイゴみたいな顔した黒~い奴が、フォークみたいの持って、
俺のキュートなさくらんぼみたいな口の中で暴れ回ったかと思うと恐ろしくてご飯もノドをごっくんだ。
てか、よく噛まないと羊飼いのペーターに叱られますよ。
教えておじいさん。クララが立ったあ!!

生まれて初めての虫歯の激痛、
これはもう頭の中で湾岸戦争が始まったかのごとき地獄だった。
歯だけじゃなくて目玉から首からぜーんぶうずくうずく。
寝るに寝られないし、歯磨いても何してもおさまんないし、
このまま頭がくす玉になって割れてしまえばいいのにとすら。

んでどーにも泣きそうなので、さすがの俺も歯医者に行く決意をした。
とはいえ、飛び込みで行くのはためらわれる。
初めての歯医者で辛い思い出作ると後が続かなくなっちゃうからなあ。
ネットで「いたくない歯医者」と入力して検索します。ヒット!
さっそくアクセスしてみると、レーザーによる無痛治療を謳うホームページ。
しかもウサギちゃんのイラストが踊る踊る。
これは痛くなさそうだ!すぐに電話して予約。
さあイブキ人生初めての歯医者セッション。
いかなる戦いがイブキを待つのか!戦慄と緊迫の次号に続く。

…と思ったがきっと明日になったら覚えていない。今日書こう。
MCなんかでもネタにしたけれど、行くまではほんっと~にブルーだった。
削る時がどうとか、麻酔がやばいとか、神経抜いたとか、
文字どおり「無神経な」メンバーによってもたらされる歯医者体験談。
それらはたかが一医療機関に向かうだけのことを、
あたかも猛獣や毒蛇の待つ人跡未踏のジャングルに臨むかのように演出し、
この俺に相当の覚悟を植え付けたもんだった。

ところが。
神はやはり俺のことが可愛くて仕方ないようだ。
どんなに怠けてても、どんなにほったらかしでも、
最後には絶妙なタイミングの神風によって、
奇跡的に帳尻が合うという痛快な人生をたどってきたこの俺。
受験でも進級でも健康でも人間関係でも、常にそう。
今回もまた超人間的な力に救われたのだ。

それは「時代」。
つまり、単に怖くて行かなかっただけのことなのだが、
それが結果として技術の進歩を待つことになり、
ほったらかしで悪化し、従来の歯医者で味わうべき塗炭の苦しみとは無縁のウチに、
最新のレーザー治療と無痛技術によって、
爽やかに、健やかに、美しく終わったのだから。
歯医者さんもとっても丁寧で、親切に説明もしてくれた。
「ちょっとでも痛かったら手を挙げて下さいね」
こういうのって、痛いって言ってんのに
「大げさだよ~痛いわけ無いでしょ~」
とか言われるんじゃないかと思ってたが、
ほんのちょっぴりしみたときに、思わずしゅたっ!と手を挙げたら、
すぐに治療を中断して、麻酔を少し足してくれたりして、
もう信頼感抜群なんである。

さすが。
「痛くない歯医者」とネットで検索した俺に応えただけのことはある。
思えばこの「ネット」というのも時代の産物だ。
これがなければ俺はきっとこの歯医者とも出会えず、
地元の適当な歯医者によって業火で焼かれたであろう。
ああ、俺万歳。
明日も行くからね!

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