いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

果たせなかった夢の終わりに。

2005-07-16 23:59:59 | Rebirth歴史資料館
ずっと長い間、何かを探して追いかけているつもりでいた。だけど本当は追われていた。

何度も指先に触れてはすり抜け、見つけたかと思えばかすんで消える、その繰り返し。
無限にあると思われた時間の砂はみるみるうちに落ちていったし、
燃え尽きることなど知らなかったはずの情熱はいつしかすり減って、
思い出はヤケドのようにひりひりと心にしみた。
色んな人が色んなことを言いながら、現れては消えていく。
時には救われ、時には傷つけられ、時には与えられ、時には奪われた。
誰もが何とかして幸せになりたいと願っている、
世の中はただそれだけのことだから誰も責められはしない。
僕もまた、いつでも僕らしくありたいと願っただけだ。

自分が何のために生まれてきたのか、自分には何が出来るのかを証明したかった。
その過程で僕が発するものを受け止めて喜んでくれる人がいれば、
その人達のために僕は何もかも注ぎ込んできた。
金も名声も将来の保障も別に要らなかった。
ただ、今までずっとそうしてきたように、
仲間内で思いついたことに端から取りかかっていって、
みんなで大笑いできればそれで良かった。
けれどやはりそれは、はかない夢に過ぎなかった。
そう気づいたのは音楽を、バンドを、「ビジネス」にしてしまうと、
どんなに嫌な思いを強いられるかということを思い知らされたときからだった。
「商業ロック」という自虐。その先には、何もなかった。

仮に、いますぐRebirthが誰かの思惑どおりにチャートに載ったとしても、僕はもう喜べない。
あまりにも不純で、不愉快で、理不尽なものが、
たくさんぶら下がってくるのが、容易に想像できるからだ。
僕がイヤでイヤで仕方なかったもの、
権威、体制、妥協、保身、偽善、追従、しがらみ、予定調和。
死にたくなるほどに分別くさいそれらに染まりたくなくて、
それらがイヤだったからこそ選んだはずのバンドという選択肢は、
結局、自由と安定の両天秤の末に僕をそっち側へ引きずり込んだ。
確かに僕も苦しんだが、僕もまた少なからず人を傷つけてしまったようにも思う。
もう誰も巻き込みたくはないし、もう誰にも従いたくはない。
僕は僕でいたい。
多くの人に夢を与え、そして奪うことの罪深さを悔いたい。
心から謝りたい。

ずっと長い間、何かを探して追いかけているつもりでいた。だけど本当は追われていた。

Rebirthに関わった全ての人へ。
みんなの心のほんの片隅に、
僕と僕の信じた仲間達が築いたRebirthという夢の痕を残しておいて貰えたなら、
こんなに嬉しいことはない。
みんなと過ごせた時間を誇りに思う。
本当にありがとう。みんなのことは決して忘れない。


息吹。 
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