繁殖雌馬の子宮内膜には、嚢包(シスト)ができてしまうことがある。
とくに高齢になると、ほとんどの馬にできてくる。
受胎しにくくなり、胎包と間違いやすいので受胎確認しづらくなり、着床を妨げるので早期胎芽死しやすくなると考えられている。
つぶすためには、子宮頚管が開いているときに腕を入れてつまみつぶすか
高周波(電気メス)スネアをかけて焼き切るか
(シストが大きくなるとスネアをかけられない。茎が太いと高周波で焼ききれない。)
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ダイオード(半導体) laser は内視鏡を通すこともできるので、
子宮内膜を内視鏡で見ながら、シストを破ることができる。
レーザーファイバー先端を接触させてシストに孔を開けると中の液が抜けて、小さくなる。
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液が抜けたシストを照射で焼いておくこともできる(右)。
子宮の中なので、焼けたときに出る煙が視界を邪魔する。
シストから漏れたリンパ液も子宮内に溜まって、シストがそれに漬かってしまうので、ときどき吸引しながら処置する。
見えるシストは全部つぶして焼烙した。
春先にもう一度子宮内視鏡検査をして、シストがまたできていたらつぶした方が良いだろう。
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寂しくなる季節の始まりだ。
私には馬を触らせていただけなかったので、今更ですが、エコーでみたらシストだったのかもしれません。
品種差、年齢差、生活環境差、遺伝差…調べたら、膨大な要因になりそうですね。
15歳以上になるとほとんどの繁殖雌馬に子宮内シストができるようです。そのまま妊娠する馬も多いんですけどね。季節繁殖動物ですし、不受胎の原因を正確に診断するのは難しいので、できることは全部やっておく。ということでしょうか。