(右写真は透視装置の画面。右上端に骨折線が写っている。)
被暴線量を少なくしたいので、透視ではなく撮影しながらやろうとしたのだが、
スクリューの位置も角度もなかなか難しい。
結局、X線透視装置で透視しながらスクリューで圧迫固定した(左下)。
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Adams' Lameness in Horses 第5版と
Adams and Stashak's Lameness in Horses 第6版のこの足根骨盤状骨折についての記載を読み比べてみると面白い。
第5版には、
・保存療法では運動機能上の予後が悪いこと。
・保存療法すると常歩では跛行は消えるが、速い運動をさせると跛行が再発すること。
・手術により競走復帰がかなりの率で期待できること。
などがはっきり書かれている。
しかし、第6版には、
・保存療法でも6-8ヶ月完全に馬房内休養させればかなりの予後が期待できること。
も、書かれている。
それは、2000年のMurpheyらの報告が考慮されているからなのだろう。25頭のうち16頭(64%)の馬が、手術しないでもしっかり馬房内休養すれば運動に復帰できたと報告している。
しかし、そのうちサラブレッド競走馬では6頭のうち2頭でしかない。
私は腕節の第三手根骨の盤状骨折や、飛節の足根骨の盤状骨折では、スクリューによる内固定をした上で、半年以上、できれば1年近い完全休養を勧めている。
それが、教科書の記載や、いままで発表されてきた症例報告から考える最良の治療方法だと考えている。
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朝、入院馬の診察と治療。
ホルスタイン乳牛の第4胃左方変位の開腹手術。
川へ落ちて死んだ繁殖雌馬の剖検。
血液検査業務。
1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
2歳馬の舌の手術。
繁殖雌馬の結腸捻転。
飛節の構造は複雑で(?)よくわからないところを、解説していただいてありがとうございます。
触ってみないと(触っても^^;)馬の動きをみていてもよくわからないところがあります・・・(私、空間把握能力がいまいちかも…)
ところで、牛の飛節は、2カ所で動くのでしょうか?
(以前に書かれていたかもしれませんが…)
川に落ちる事故というのもあるのですね(驚)
結腸捻転、とさらっと書かれているところがすごいです…!
飛節はとても複雑で、面白い構造をしていますよね。
牛の飛節は、馬医者が観ると笑ってしまうような形をしています。距骨はだるまさんのようです。しかし、曲がるのは脛骨距骨の間だけでしょう。
私は行きませんでしたが、その後小腸捻転が追加でした;笑。