きのうは、
6ヶ月前に中足骨骨折をLCP固定した当歳馬のプレート除去。
黒毛和種子牛の肋骨骨折による気管狭窄の診断。後日手術する。
午後は、
1歳馬の大腿骨軟骨下嚢胞状病変 Subchondral Cystic Lesione のX線診断。後日手術する。
5歳競走馬の腕節の変形性関節症 Degenerative Joint Disease の関節鏡手術。
やれやれ、診療は忙しさが続いている。
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依頼の話では、扁平上皮癌 SCC ? と思ったが、診たら馬類肉腫 Equine Sarcoid で間違いないだろう、とほぼ確信できた。
SCCはその名のとおり上皮性で瞬膜にできることが多く、たまに眼結膜などからも発生する。
この馬は眼瞼の皮下にできている。(結節型)
おまけに、耳の付け根にもEquine Sarcoid の特徴的な病変がある。(疣贅型)
Equine Sarcoid は牛パピローマウィルスによって引き起こされる、とされている。
外科的に切除や摘出をおこなっても、再発する率がひじょうに高い。
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そうなると角膜が傷つき始めるだろうから、もう放置はできない。
しかし、マージンをとった完全な摘出はできそうにないので、瞼の結節をできるだけ摘出して、それを凍結して頚側皮下に埋め込む免疫療法をすることにした。
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5mm角に切った腫瘍塊を、凍結し、融解させてから頚側皮下に埋め込んだ。
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この方法は日本では1例だけみごとな成功が報告されている;笑
この免疫療法は3-4ヶ月後に効果を現す。
期待して待ちたい。
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さすがにちょっと早すぎたかも;笑
アジュバント療法とも言えるでしょうか?その後、再発もしていないのでしょか?
BCGの足への反応が良くないという報告に反しているのですが、何が違うのかなぁと思いました。
中足骨骨折の当歳馬のプレート固定の経過はどうだったでしょ?
いろいろ忙しそうですが、どの治療も今後につながる症例ばかりなように思います。
あら、お日様が。
晴れる日は朝は冷えますね。暖房、お手入れそて用意するには遅くないかと。
不意に結膜へ穿孔しても極端な問題にならないのでしょう。
自家免疫の範囲でしょうけれども、一つ問題があるとしたら非エンベロープな牛パピローマウイルスは凍結でおそらく死滅しない事です。
この点は牛屋でよくやられる?ホルマリン浸漬で解決します。
このプロセスを経てから脱ホルマリン後接種の方が良さそうですが。
液体窒素凍結した状態で乳鉢で磨り潰すと表面積が増えて感作作用が向上するのを期待できるのと、牛ですと注射できる細度まで持っていけます。
勿論使った範囲では化膿する事もなく効いてます。
胎生類は妊娠するための組織免疫寛容トリックがあるためこういう異種組織が出来上がりやすいらしいです。
イボ放置で消失するのも結局組織免疫が成立するからでしょうね。
メラノーマもこうできないものでしょうかね。。
AAEPでは最近もまとまった数が報告されていたと記憶しています。
薪ストーヴは錆びを抑えるために、掃除して置いておくシーズンオフが必要なんでしょうが、焚くのが楽しくて焚いてしまいます;笑
メラノーマもワクチン療法を検討している研究者がいるようですが、ウィルス性ではないので難しいでしょうね。ヒト医療でもウィルス性でない腫瘍のワクチン療法って聞いたことないです。
先日、先生にお問い合わせたサルコイドのその後です。
獣医さんに見てもらったところ、この馬の場合、ウィルス性のものではなく、ただの肉芽腫ということでした。確かにこの写真とは疣贅の状態が違うようにも見えますが、不顕生型には似ているようにも思います。ウイルス性も混ざってるのか?とちょっと不安です。
なので糸で結索してとりました。割とすぐにとれました。
とった痕は綺麗に治っていますが、もう一つ横にあるのが大きくなっています。
人間の病気でも毛細血管拡張性肉芽腫というものがあるようで、(毛細血管の暴走?)これに似たようなものなのか?と思っています。
悪化している皮膚の状態が、カサカサして乾癬?のような状態になっているのですが、皮膚の下ではいつも炎症が起きていて傷つきやすくなっているのかもしれません。
先生の治療したウイルス性のサルコイドのベースの皮膚の状態とこの肉芽種のベースの皮膚の状態が似ているようにも思います。
現在は、だいぶ落ち着いてきました。
この夏、ひどい疝痛も起こしました。
このサルコイドが出来たあたりから調子を崩していたのかもしれません。
腸の調子を整えるために、プレバイオティクスをやったら、肌の調子が改善されてきました。
が、寛解したわけではないので、次の策を練っています。
人間の乾癬にビオチンが効くと小耳に挟んだので、ビオチンとMSM、そしてプレバイオティクスで様子を見ようと思います。
もう一つの疣贅もとりたいのですが、うるさい馬なので、時期を検討しています。鎮痛剤も腸内フローラに良い影響はないようなので。
お時間がありましたら、写真をアップしましたので見ていただけますでしょうか。
https://ameblo.jp/horsy356/entry-12408378213.html
本当ですか?
消炎鎮痛解熱剤がビオチンの生成を阻害するかどうか知りません。バナミン(フルニキシンメグルミン)は汎用されていますが、気にしたことはありません。
このぐらいのスピード感じゃないと、次々と来る依頼を処理できなのですね。忙しい中、感謝です。
関東にも良い獣医さんはいらっしゃいますが、もう、北海道連れて行きたい!(笑)
生検をしなければ確定はできないけれどウィルス性のサルコイドの可能性が高いということで、今後の病変がひどくならないように注意したいと思います。
免疫療法も考えてみたいと思っています。
関東周辺でも可能かどうか、獣医さんを探してみようと思っています。
この馬に埋め込んだワクチン療法のその後がどうなるか、気になるところです。
先生のブログで報告があることを、心待ちにしています。
先生のブログを拝見していると、ど素人ながら、だいぶ医療情報に詳しくなりました。重ね重ね、ありがとうございます。