電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【三すくみジャンケンあそび】
【三すくみジャンケンあそび】

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2001 年 4 月 10 日の日記再掲)
軍艦・沈没・ハワイという三すくみのジャンケンあそびを小学生時代良くやった。
そんな遊び、最近の子どもたちはやらないだろうなぁと思っていたら、御茶ノ水発駒込行きの都営バス車内で小学生の女の子が大声で熱中しているのに遭遇した。
「おや?」
と、思ったのは「チョーセン」という言葉が連呼されるのだ。僕が小学生時代住んでいた地域、東京都北区王子では昭和三十年代「グー」「チョキ」「パー」をそれぞれ「ぐんかん」「ちんぼつ」「はわい」と言い換えていたのだが、この子たちのは「ぐんかん」「ちょうせん」「はわい」と言うらしい。
大声で「ちょうせん」と連呼するのに抵抗感があるので聞き耳を立てていたら、僕が子どもの頃とルールが違うらしく「ぐんかん・ぐんかん・はわい」でパー(ハワイ)を出し、相手がおなじパーを出したら相手の負け。勝負がつくと、すかさず勝った方が「一本取ってちょうせん」と言って再度ゲームが始まりエンドレスに続くようなのだ。
2002年5月27日、海上保安庁観艦式の艦上にて
「なぁんだ、ちょうせんって挑戦のことなのか」
と思ったのだけれど、インターネットで「軍艦 沈没 ハワイ」で検索すると、出てくる出てくる。「軍艦・沈没・破裂」「軍艦・朝鮮・破裂」などさまざまなバリエーション。「ちょうせん」は「朝鮮」のことだという記述ばかり。軍国主義に傾いていた国の情勢と国民感情を色濃く反映したものらしいのだけれど、「軍艦・朝鮮・ハワイ」というのは凄まじい取り合わせに感じてしまう。
ちなみに東京都北区立王子小学校では「グリーン・チリーン・パリーン」とか「グットさん・チットさん・パットさん」などという三すくみジャンケンあそびのバリエーションもあった。「グリーン、グリーン、チリン、パリン、グリン」「グットさんが、グット来て、チット、パット、グット」などと五回連呼するあそび方だった。
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(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2001 年 4 月 12 日の日記再掲)
三すくみジャンケンあそび(4/10日記参照)調査結果
軍艦・沈没・ハワイと慣れ親しんだ三すくみジャンケンあそび、あなたの「チョキ」は何ですか? と東村山市で絵本の店を開いている友人が 4 / 11 、聞き取り調査をしてくれた。以下、その集計。
朝鮮 ■■■■■
沈没 ■■
チンボ ■←20歳代のお客さん
また、愛知県出身の女性編集者は「ぱー」を「破裂」や「ハワイ」ではなく「ハリス」といっていたそうだ。下田条約・日米修好通商条約で名高い Townsend Harris(1709-1780)なのか、はたまたチュウインガムメーカーのハリスだったのか興味深い謎だ。
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