【私はゆりかもめ】

【私はゆりかもめ】
 
 

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2007年 6 月 5 日の日記再掲

 

6月5日、郷里静岡県清水の友人夫婦と早朝の東京駅八重洲口で待ち合わせ、FOOMA JAPAN 2007(国際食品工業展)「食とキカイの玉手箱」を見に行く。
 
折戸発東京駅八重洲口行きのJR高速バス清水ライナーで到着した友人たちとそのまま京浜東北線に乗り込んで通勤ラッシュに揉まれていると
「今日の静鉄はばーかに混んでるねぇ」
などと声が出そうになる。

■新橋駅前を出発したゆりかもめ。
Canon PowerShot A620

企業のサラリーマンデザイナーをしていた頃は、仕事で晴海の東京国際見本市会場までいろいろなショーを見に出かけて行ったものだけれど、有明の東京ビッグサイトになってからは初めてなので、20 代の懐かしい日々を思い出す。

新橋から新交通システムゆりかもめに乗るのもまた初めてなので嬉しくなってしまう。

■東海道新幹線と併走するゆりかもめ。
Canon PowerShot A620

ソ連の女性宇宙飛行士ヴァレンチナ・ヴラディミロヴナ・テレシコヴァが宇宙ロケットボストーク 6 号に乗り込んで「ヤー チャイカ(私はカモメ)」と叫んだのが 1963 年 6 月 16 日なので今からほぼ 44 年前のことになる。

新橋駅を出発し汐留駅、竹芝駅、日の出駅、芝浦ふ頭駅を過ぎたらゆりかもめが急にグルグル旋回しだして方向感覚を喪失する。

そしてお台場海浜公園駅を過ぎたらフジテレビの奇っ怪なビルが見え、台場駅、船の科学館駅、テレコムセンター駅、青海駅と停車してもいつまでもフジテレビのビルが見えているので完全に方向がわからなくなり、昔、段ボール箱に入れられ何度も何度も町内をグルグル回されて方向の記憶を奪われたあげく、隣の寂しい町外れに捨てられていた子猫のような気分になる。

■レインボーブリッジを眺めながら旋回するゆりかもめ。
Canon PowerShot A620

「(私はゆりかもめ、方向音痴のゆりかもめ。これから新交通システムにゆられて捨てられに行くの……)」
などと意味のないことを心の中で呟くように国際展示場正門駅に到着した。

コメント ( 0 ) | Trackback ( )
« 【清水東高文... 【私はゆりか... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。