◉図書館の猫

2019年8月17日
◉図書館の猫

 
 

妻がバロック音楽の作曲家ジャン=マリー・ルクレール(Jean-Marie Leclair 1697 - 1764 )を聴きたいというので図書館に予約して Fabio Biondi: Europa Galante『Leclair: Violin Concertos, Op. 7』という CD を借り出して聴いてみた。目当ての曲がないというので詳しく聞いたら「私が聴きたいのは、あなたが昔、NHK のラジオ番組『古楽の楽しみ』で録音して聴かせてくれたあの曲」だという。なんだ、それを先に言えばいいのにと思う。

そういうことについて自分はひどくマメである。早朝のラジオ番組を朝寝坊の妻に聴かせたということは録音して聴かせるしか手段はないわけで、ということはルクレールが録音データになっているということだ。持つべきものはマメな亭主、パソコン内を探したら 2014 年に録音したラジオ番組から切り出して保存してあった。ちゃんと「ルクレール_バイオリン・ソナタ 変ロ長調 作品1 第11」とタイトルをつけコメント欄に演奏者の情報まで入れてある。

マメな自分に感心するけれどまったく記憶がない。5年も前に「『古楽の楽しみ』を録音して聴かせてくれた」ということを覚えている妻とひと組でないと役に立たない長所である。長所とはそういうものだ。

   ***

図書館に借りた CD を返しに行ったら、クーラーの効いた自動ドアの内側で猫が涼んでいる。子どもづれでやってくる若いお母さんたちが
「図書館の猫かしら?」
と笑っているので見慣れない猫なのだろう。近所の飼い猫ではあるらしく首輪をつけている。公共の施設なのだから地域の猫が涼んでいてもノープロブレムで、幼児たちが屈みこんで嬉しそうに撫でていた。夏の図書館はいいなあと思う。(17:28)

千石 2019

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