遠州土産

|2013年1月3日|

 昨日に続いて仕事場にこもり年賀状書きをした。
 箱根駅伝は日本体育大学が往路に続いて復路も制して総合優勝で終わり、参加全チームがゴールしたのを見届けて落ち着いたところで、書き上げた年賀状をポストに投函しに出たが、駅伝が終わったとたんにぐっと冷え込みを感じるのを毎年面白く思う。ポストから帰ると郵便配達が来ていて、また年賀状が届いていたので返事を書き、結局夕方までに100枚弱を書いた。

 朝一番で清水の後輩から荷物が届いており、隙間なく詰められた温州ミカンの緩衝材に護られ、毎年恒例、法多山(はったさん)尊永寺名物厄除け団子が入っていた。静岡県西部に住む友人たちは正月になると法多山に出かけていたようだけれど、中部地方では遠いせいかそれほどでもないようで、実は一度も行ったことがない。一度行ってみたいと思っていたけれど、親たちが次々に他界してしまうと、あえて出かけてみたいと思う気持ちが萎えてしまうのが不思議で、関東厄除け三大大師もそうだけれど、厄除け観音などへの信仰心は家族を思う心に支えられているのかもしれない。郷里清水で毎年法多山詣でをする友人は珍しく、ああ今年も遠路はるばる親孝行の観音様詣でをしたのかと感心し、貰うたびにありがたくいただいている。

 法多山尊永寺は遠州三山のひとつで医王山油山寺、萬松山可睡斎とともに静岡県袋井市にある。遠州で思い出したけれど、歴史の本を読んでいたら駿州に「しゅんしゅう」というルビが振られており、漢音でも呉音でも「しゅん」の読みしかなく「駿(しゅん)なる川」という意味で駿州と名づけられたのだから「しゅんしゅう」と読むのかと納得したことがある。ところがさまざまな資料を読むと「すんしゅう」と読むのが当たり前のようで、静岡では駿東郡とか駿豆線とか駿府城とか「すん」でなければ困る名前が溢れている。

 

 「しゅん」を「すん」と読むのは拗音簡略化による慣用音であり辞書にも「すん」(慣)と読みがあるのでまあいいとして、駿河の駿を「する」と読むのが釈然としない。「駿なる川」→「駿河(しゅんが)」→「駿河(すんが)」までは筋立てが成り立つので、律令制時代の名前である珠流河国造(するがのくにみやつこ)とくっついて「駿河(するが)」となったということだろうか。慣用音のさらなる慣用化とも言えるけれど辞書に「する」(慣)という読みは見あたらない。

コメント ( 4 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
「駿」繋がり (サッカーおやじ)
2013-01-05 05:02:58
六様、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今年の箱根駅伝、神奈川大学9区の鈴木駿君は、
うちがクリーニングをお願いしている方の息子さんで、応援していました。去年も同じ区を走り、中継所寸前で力尽きて倒れこみながら襷をリレーした選手です。今年は最後まで立派に走り遂げました。ちなみに彼は「しゅん」君と読みます。
今年も日記、楽しみにしています。
 
 
 
地元ランナー ()
2013-01-05 07:17:47
あけましておめでとうございます。
「しゅんくん」のこと知りませんでした。
今年が最後の駅伝だったようですね。
応援できなくて残念。
 
 
 
駿河区の名はいまだになじめない (あおい君)
2013-01-05 08:42:03
スルガを駿河と書くのは、「ス」の音がたまたま共通しているだけで、単に意味から「駿」を当てた一種の熟字訓ではないでしょうか。
浅学ゆえ根拠はありませんが(笑)
それはともかく、「駿河」を「スルガ」と読むのは静岡以外の人には意外にむずかしいようですね。
駿河銀行は読みづらいことを理由にスルガ銀行と表記を変えたのですが、いつもまにか登記上の商号も「スルガ銀行」に変えてしまったようです。
 
 
 
スルガ ()
2013-01-05 12:43:46
>スルガを駿河と書くのは、「ス」の音がたまたま共通しているだけで、単に意味から「駿」を当てた一種の熟字訓ではないでしょうか。

やっぱりそんなところですよね(笑)
年賀状を書いていて「しずおか市」とか「スルガ区」にされなくてまぁ良かったとしみじみ思います。

スルガはアイヌ語であるという説もよく聞きますが、こちらも浅学なので詳しくは知りません。
 
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