電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
▼ボールとバーテン
注文は決まって豆腐とナメコと糸ミツバの浮いた赤だしの味噌汁、そして茶碗一杯のご飯で、それが彼の夕食のすべてだった。仕事熱心と評判の若いバーテンが、黒いスーツに白いワイシャツを着てネクタイを締め、毎日つましい夕食をとる不釣り合いな光景を、カウンターの端に腰掛けて眺めていたものだった。
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妙義神社にて
母もその気だてのよい青年を可愛がっていたが、何年か経ったのち、バーテンをやめてバキュームカーに乗るようになり、シェーカーを汲み取りホースに持ち替えて働いているという意外な話しを聞いた。さらに何年か後、地元の資産家から是非娘の婿に迎えたいという話しがあり、自分は若気の至りでヤクザな世界に足を踏み入れたことがあると腕の入れ墨を見せ、とても娘さんの婿になれる男ではないと断ったという。そうしたら、汲み取りホースを握って懸命に働く姿を見て人柄に惚れたのだからそんなことはどうでもいい、と熱心に請われて婿入りし、子どももできて幸せに暮らしていると聞いた。何十年も前の話だ。
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路上の野球ボール
路地裏を歩いていたら白い軟式野球ボールが落ちていた。
小学生時代、野球のボールは貴重品で、必ず拾って野球チームのバケツに入れ、みんなで大切にしたものだった。それでも拾う人のないボールが落ちていることがあり、拾い上げると黄色く変色していて
「わっ、バキュームカーのボールだ!」
と慌てて手を離したものだった。
汲み取りを終えたバキュームカーのホースは、先端に軟式野球ボールをシュポッと吸い付けて蓋にしておかないと、引きずって撤収する際に吸い込んだものが逆流してしまうからだ。足で踏んでボールを外し、汲み取りホースを持って各家庭をまわり、終わってボールの蓋をする際に新しいボールが落ちていると、汲み取りのおじさんは新しいボールをシュポッと吸い付けて取り替え、かわりに古びた黄色いボールを道端に残していくのだった。
道端に落ちている野球ボールを見たら、働き者だったバーテンの不思議な人生を思い出した。
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「いや、こまる」
と言います
…NHKラジオ第二放送で毎週日曜の9時半からやっている「英語もの知りクラブ」っていう番組、ご存知ですか。
「もの知りは大人のたしなみ、英語はもの知りのたしなみ。それが英語もの知りクラブ…」
なんていう、NHKの教育番組の典型を守っている番組で、ひょっとすると六さん向きかも知れません。(その前、9時10分からは気象通報で、これも愉しい)
黄色い軟球を拾ったら
「It really embarrasses!(ほんとにこまる~)」
と続けたくなります。
(以下、引用)
2005年から3年間放送されたものしり英語塾(2005年度はシニアのためのものしり英語塾)を発展解消し、帯番組時代の月曜・火曜日を担当してきた大杉正明と、2007年度の帯ミニコーナー「ワードウォッチャー」を担当したリサ・ヴォートが毎回英語にまつわる様々な薀蓄を取り上げる。また、リスナーから英語俳句を毎月テーマを決めて募集する。
その他、各界著名人が英語にまつわる様々な思い・考えを述べるインタビューコーナーや、英語圏以外の国出身の外国人に対してその国の文化や言葉の習慣などについて述べてもらうコーナーもある。
NHKの英会話講座に独自につけられているレベルの目安で、レベル4(高校レベル)と位置づけられている。
起きて珈琲でもいれて食卓の上に置いたラジオで聴くのが良いかもしれません。
超朝方で、おそらく朝が一番思考力がまともなので。明後日ですね。
ところで興津駅前で見せてもらったラジオ付き携帯電話はまだ使われているんでしたっけ?
693メガヘルツ、今聴き始めした。
俳句コーナー今月のお題はSKYとART。
我が家は難視聴建造物なので第一はだめですが第二はものすごくよく入ります。びっくりしました。どこが第一と違うんだろう。