【階段の男泣き】

2020年9月30日

【階段の男泣き】

男と女が結婚するとき、たいがい男のほうが身体的に大きくて強いので、プロポーズの時は誰でも「僕が一生かけて君を守る」的なことを言うのだろう。そして確実に男のほうが短命なので、たいがい女を残して先に死んでしまう。男は一生かけて女を守れないし、最後は大いに苦労をかけることも多い。

本郷台地にのぼる石段の前で、八十近い女性が笑みを浮かべて深呼吸し、覚悟を決めたように左右の足を運び、一段一段踏みしめるように登っていく。足の重さと節々の痛みに耐えながら頑張る老いた妻の姿を夫が見たら、きっとどこかで声を上げて泣くだろう。

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