電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
時間と距離--大宮の距離
埼玉の特別養護老人ホームで暮らす義母への面会には京浜東北線を使うことが多い。駒込からひと駅山手線に乗って田端に出たら、大宮行きはたいがい席が空いているし、帰りは大宮始発なので必ず座れるからだ。座って車窓風景を眺めているとずいぶん長い列車の旅に感じるのだけれど、それはたかだか乗車時間31分、東京と埼玉の県境である荒川を渡っての移動にすぎない。たかだか乗車時間31分と書いてみるとずいぶん近いが、実際電車に乗った感覚ではひどく遠く、その証拠に席につくなりすぐ眠くなる。
|特別養護老人ホーム裏庭に来た雀|2012年11月24日|
埼玉の老人ホームまで家内は毎日、自分は週末だけ面会に通っていると言うと、
「電車でどれくらいかかるんですか」
と聞かれ、
「はい、席についたとたん眠くなるくらい」
と答えると実感に近い。駒込から田端までひと駅山の手線に乗り、田端に着いたら3番ホームから1番ホームに移動し、南浦和行きではなく大宮行きを待つと、大宮駅に着くまでに1時間ほどかかる。正味電車に乗って座っている時間をさっ引いた分が、眠くなるほどに感じる距離の実体なのかもしれない。
「だったら駒込から池袋に出て埼京線に乗り換え、大宮まで行けば10分くらい早いですよ」
とよく言われるのだけれど、混雑する池袋駅乗り換えを思うと
「行きたくなくなるくらい遠く感じます」
と答えるのが実感に近く、時間と距離に対する感じ方は面白い。
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