電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
▼Golden October
秋には黄金色がよく似合う。黄色や山吹色や橙色とも違う黄金色なのだけれど、どんな色を想起するかは人によって違う。
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秋の色合い。中央区銀座一丁目にて。
Webでのコミニュケーションが当たり前になってくるとWebColorによる定義が用いられたりするのだけれど、その16進表記「#FFD700」を調べて黄金色を確認するとずいぶんイメージと違って「えっ?」と思う。それでもとりあえず「黄金色は#FFD700である」ということにしてネットで公開しても、人それぞれのパソコンによって色調整がまちまちなので「えっ?」というほど画面表示の色味も違ってしまう。
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津森千里の黄金色。中央区銀座一丁目にて。
ネットではなく現実世界でも色の定義は難しい。
郷里静岡ではミカンの色を黄金色とたとえる。ミカンの色にもずいぶん違いがあるのだけれどミカンは黄金色であるということで通用してしまう。黄葉した銀杏の葉が散り敷いた並木道を黄金色の絨毯とたとえる人もいれば、オレンジ色寄りの紅葉をさして黄金色と言う人もいて「えっ?」と思う。だけどミカン色が黄金色ならオレンジ色が黄金色だっていいじゃないか、とも思う。色の定義は人それぞれの心の中に勝手に存在する。
それでも10月も終わりに近づくと黄色からオレンジ色まで色づいた木の葉が樹上に溢れ、中にはまだ緑の色合いを残した木の葉がちらほらあったとしても、街は Golden October と呼んでしまっていいような色合いになってくる。
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