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【論語と三四郎】

【論語と三四郎】

『論語物語』を読んでいたら『三四郎』を思い出した。

「吾々は、正面から反対の出来ない道理で飾られた悪行、というもののあることを知らなければならない。己の善を行わんがために、人を賊(そこな)うのがその一つじゃ」

(下村湖人『論語物語』)

『三四郎』では広田先生がこんなふうに言っている。

「ほかの言葉でいうと、偽善を行うに露悪をもってする。まだわからないだろうな(中略)偽善を偽善そのままで先方に通用させようとする正直なところが露悪家の特色で、しかも表面上の行為言語はあくまでも善に違いないから、――そら、二位一体というようなことになる」

(夏目漱石『三四郎』)

2022年12月10日 豊島区駒込
DATA : PENTAX Optio RZ10 1 : 1 format

利他と見せかけた自利を見せかけの利他と露見させることに気をとらせつつ見せかけた自利を遂行してしまう。意図的なネタバレを利用して目的のトリックに落とし込むよくあるマジック。政治家たちがよくつかう。

 

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