風景と記憶

2015年4月12日
風景と記憶
 
01
もう半世紀以上も前、幼児の記憶に焼きつけられたまま、いまも当時と変わらない風景が郷里に残っている。この国に遠路を行く人の旅が生じたはるか昔から、数知れぬ人たちが通ったと思われる古道なので、いわく言いがたい不思議な気配が漂い、幼心にもぞくっとする気分の場所だった。
 
02
帰省時に通りかかるたびに、風景が変わりないことを喜びつつ、人が着実に年を取っていくことの寂しさも感じる。この辺りをともに歩いた、祖父母や、両親や、叔父叔母たちももうこの世の人ではない。
 
 
|静岡市清水区能島|
 
03
今年は珍しく春らしい時期に通りかかったら、いつもと気配が違うのでびっくりした。こんなところに桜の木があっただろうか、一体いつ頃からあるのだろうと思ったら、見慣れた風景に血が通ったような新鮮さがある。季節ごとに咲く花はありがたいものだ。
 
コメント ( 2 ) | Trackback ( )
« ちいさな手 ほらね »
 
コメント
 
 
 
あれ? (なべ)
2015-04-13 09:13:00
写真を見た瞬間、清水によく似た所が有るものだと思って読み始めたら、自分の知って居る場所でした。
押切に住んでいた頃、通勤などで通る事が有り懐かしく見ました。清水に住んで居ながら通らない道に成ってしまいました。
 
 
 
能島橋 (六散人)
2015-04-13 09:22:49
清水最初の永久橋なのでおおむね昔のまま。橋のたもとのプールは幼い頃からあって昔のまま。橋を渡ってから押切までの幅員が狭いのも昔のまま。こんなに昔のままの場所も珍しい。
 
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