勢いのある玄関先

2014年11月27日(木)
勢いのある玄関先
 
01
大宮駅東口からバスに乗って野田方面へ向かうと、古い道沿いに立派な門構えの家がある。たいがい大きな家屋の北西側に屋敷林を背負っているので、もとは立派な農家だったのだろう。
 
02
そういう大きな農家が手放した田畑が開発され、小さな家が立ち並ぶ住宅街になっているが、垣根越しに覗くと盆栽を作っている家が多く、庭の植木にもきちんと剪定の手が入っているので、農業の町から園芸の町へという地域の成り立ちがよくわかる。
 
03
立派な門も、立派な屋敷林も、台にのせて並べられた盆栽も、きちんと手入れされた庭木も、それぞれの家が持つ勢いを誇っている。家の勢いが衰えたときに、植物の衰えは目に見えて激しいので、人はその存在のはかなさを思い知らされることになる。

 
04
特養ホームで暮らす義母を訪ね、遅い昼食をとるために歩く道沿いに、驚くほど勢いの良い玄関先がある。おそらくリュウゼツランの一種吉祥天だと思うのだけれど、見事な花芽を天に突き上げている。
 
05
もし吉祥天であるならば、3、40年で開花し、そのあと枯れてしまうのだという。いったい何年かかってここまで育ち、いつ頃開花するのかはわからない。義母が健在のうちは特養通いが続くので、開花が見られのを楽しみにしている。
 
06
それにしても見事に勢いのある玄関先なので笑ってしまうが、建築物も、屋敷林も、盆栽も、植木も、あえて難しくラテン語で言えばファルス的な存在なのだなと、この吉祥天を見るたびに笑いながら思う。
 
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