昔からある店

2016年10月17日
僕の寄り道――隣接区のさんぽ帖

小学生の6年間を過ごした町にパン屋があり、今もその町で暮らす年下の女性編集者が打ち合わせに来るたびに、手土産としておいしいパンをもらっていた頃がある。いったいあの町のどこにこんな洒落た店があったのだろうと以前から気になっていた。

その町で編集者と飲んではしご酒をして歩いたら、思いがけない場所にその店を見つけ、
「よくパンをお土産にもらったのはこの店?」
と聞くと
「そうです」
と言う。
「昔からこの場所にあったの?」
と聞くと
「そうです」
とポキポキ答える。この場所なら小学校の学区内なので、当時は気がつかないほど小さな店だったのだろう、ずいぶん長いこと頑張って大きな店にされたんだなと感心した。

北区商店街連合会が配布している「北区商店街さんぽ帖[保存版]」を読んだら、その店であるベーカリー明治堂はなんと明治22年に小石川で創業し、平成5年、王子にこの店を開店させたのだと言う。確かに若い人にすれば23年前の開店は遠い過去であり、昔からここにあったことになるのだなぁと大昔の小学生は思う。

大宮の特養ホーム訪問帰りによく歩く大宮駅東口の飲食街。1952年創業とあるこの店は、若い頃の大橋巨泉が店内で DJ をしていたという言い伝えがあるが、その頃は別の場所にあったらしい。


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