捕獲-2


Z9 + NIKKOR Z 24mm f/1.8 S

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郊外に住む知人が、川にいるミシシッピアカミミガメを捕まえて、家の子供たちのペットとして飼ってはどうかと考えた。
近くの川に大きいのがいっぱいいるのをよく見かけるからだ。
憎き外来種とは言っても、同じ生き物なのだし、駆除するばかりではなく、ちゃんと責任を持って飼育するのもひとつの方法であろうと考えたのだ。

役所に問い合わせてみると、捕獲して飼育すること自体は構わないが、川に放出するのは駄目ですと言われた。
そこで知人は、早速捕獲してみようと、金属の枠と網で作られた捕獲装置をアマゾンで取り寄せた。
一度中に入ると出ることの出来ない構造になったトラップゲージである。

僕がカメに詳しかったはずだと、中に入れるエサは何がいいかと尋ねてきた。
確かにカメは沢山飼っていたが、野生のものを捕まえた経験はあまりないからな・・・
とりあえず川にいるのだから、普段食べているであろう魚の肉で、罠を仕掛けてはどうかとアドバイスした。
何が好物か分からないから、何種類かのエサを試してみるといい・・とも言っておいた。

知人はスーパーでぶつ切りにした魚を買ってきた。
それを網の中に入れて、紐を着けて、家のそばを流れる用水路に放り込んだ。
すぐに近所の農家のおじさんが現れて、何をしているのかと不審そうに聞いてきた。
カメを捕りたいと話したら、面白そうなので捕れたら俺にも見せてくれと頼まれた。

ところが翌日になり網を引き上げても、まったくカメはかかっていない。
エサもそのままだったという。
何日か試したが、収穫はゼロであった。
農家のおじさんも、カメはそこいらにいっぱいいるのにな・・と残念がっている。

このやり方では上手く捕れないのかな・・と考え直す事にした。
最後に試しにと、鶏肉を網に入れて、水の中に沈めてみた。
近所のスーパーで入手した骨付きの鶏の脚で、少し値段の高いいいものを買ったという。
それを生のまま何本か放り込んだ。
そして数時間後に網を上げに行ってみると・・・

いやあ・・入っている、入っている。
それも1匹や2匹ではない。
一度に5匹もかかっているじゃあないか!
サイズも大きいのは25センチ以上ある。

当然何キロかあり、重くて網がなかなか上げられなかった。
重量に負けて、フレームが一部曲がってしまったという。
急に陸上に持ち上げられて、慌てふためいたカメたちが中で暴れている。
子供たちはもちろん、農家のおじさんまで、こんなの見たこと無いと興奮していたそうだ(笑)

まさかこんなに捕れるとは思わなかった。
かといって今から川に戻すのは違法である。
全部持ち帰って飼ってやるしかない。

どうやらミシシッピアカミミガメは鶏肉が好きなようだ。
骨まで食べていたという。
川では動物性の肉はご馳走なのかもしれない。
魚の肉には見向きもしなかったのに、鶏肉にしたとたん、その匂いを確実に嗅ぎ分けて、何匹もが飛びついてきた。
ミシシッピアカミミガメの捕獲をしようという方は、エサは鶏肉が有効である(笑)


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つづく
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