外羽根式ストレートチップ


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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オールデンの61 外羽根式キャップトゥ。
サイズは7EE。
トゥルーフレア・ラスト。
ウォーターロック・ソール



ストレートチップは何足も持っている。
それでも新しいものを見ると欲しくなってしまう。
端正でこれぞ革靴・・という顔つきだからだろうか。

これは90年代のデッドストックだ。
今後デッドストックの入手はますます難しくなると思われる。
たとえ何足目かのストレートチップだとしても、自分に合うものに巡り合ったら、なるべくゲットしておくべきであろう。

より古い60年代などの製品と比べると、90年代でも革の質は落ちている。
ただ以前書いた通り(2018年7月20日の日記)、それでも現在作られている製品より革の質がいい。
現行品の革が表面に妙な艶のある加工が施されているのに対し、この頃の製品はしっとりとした革本来の質感が活かされている。
悲しい話であるが、革の品質は年々下がる一方で、いまや本当にいいものはほとんど入手不可能なのだ。



オールデンの外羽根式のキャップトゥは、モディファイド・ラストのものを持っている。
通常のキャップトゥ(2018年4月16日の日記)とパンチドキャップトゥ(2016年9月4日の日記)(2017年8月28日の日記)である。
不思議なもので、わずかに飾りが入るだけなのに、パンチドキャップトゥはカッコよく見えて、線が一本だけのストレートチップは鏡餅のようにベタッと膨らんだ印象を受ける。
上から見ると特にそれを強く感じる。
どうもEが複数個付くような幅広モディファイドのストレートチップは、扁平感が強調されて見える傾向があるようだ。

今回のこの靴はトゥルーフレア・ラストであるが、モディファイドと違いシュッとしたスマートさがある。
最初はこれ以上ストレートチップを増やしても・・という気持であったが、試着して自分の足元を見ているうちにその外観に魅せられてしまった。
履いて鏡の前に立つと、靴の縦横のバランスが絶妙でなかなか格好がいい。

トゥルーフレア・ラストはミリタリー・ラストに近いフィッティングであるという。
と言っても僕はミリタリー・ラストのことをよく知らないのだが・・・(笑)
モディファイド・ラストのような特殊な履き心地ではないが、全体をキュッと締めてくる引き締まったフィッティングである。

7EEのサイズは僕には薄手の靴下でちょうどいいくらいの感触だ。
現在はEEというサイズを見ることは少ない。
販売店も在庫を持ちたくないのか、Eの次はEEEにして種類を減らしているようだ。
そういう意味でも貴重なオールデンといえる。



アウトソールのウォーターロックは、オールデンの中でも傑出したソールであると思う。
水分が侵入し難いようオイルをたっぷり染み込ませた革を使用している。
この革が非常にしなやかで、履き易さに大きく貢献している。
多くの人がこのソールのオールデンの履き心地を絶賛するという。

外羽根式のストレートチップは、冠婚葬祭向けの代表格でもある内羽根式のものに比べるとフォーマル度は少し薄まる。
しかしよほどの式典でもない限り、この靴で十分であろう。
むしろ意図的にフォーマル度を緩めることが出来、外羽根式ならではの面白さがあるように感じている。
使い道が多く、持っていると重宝する一足である。
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